【明治安田生命J1リーグ32節 ガンバ大阪vsアビスパ福岡】ルヴァンカップ王者から1点取れて良かったね、なんて言えばいいのか?

2023年11月12日

まだまだ優勝の余韻に浸っていてもいいんだぜ?

1-0というスコア以上に成す術無く敗れた大阪ダービーから2週間、
我らがガンバ大阪はホームにアビスパ福岡を迎えた。

ただでさえも公式戦9試合勝利無しという目も当てられない惨状の中、
ダワンとネタ・ラヴィを累積警告による出場停止で欠くという、
踏んだり蹴ったりの状況ではあるけども、彼らの代わりに出場した選手に奮起してもらって、
3ヶ月ぶりのホームでの勝利を期待したいところだ。

先週、国立で行われたルヴァンカップ決勝で浦和を降し、
クラブ初タイトルを獲得した福岡が相手ということで、
まともに戦ったら勝ち目は無いと思うので、
願わくば勝利の美酒が抜け切ってなくて上の空で試合をしてくれるとありがたいね。

リードして前半を折り返しだと?!

高い強度と切り替えの早さが持ち味の長谷部監督のチームに対し、
ポヤトスが送り出した青黒のスタメン11人は以下の通り。

名古屋戦以来2試合ぶりに3バックを採用。

試合前の情報からジェバリが欠場で鈴木武蔵がスタメンというのは予想出来たけど、
ここのところスタメンが続いていた宇佐美をベンチスタートさせたのは意外だったね。

ジェバリが1トップの時は、ジェバリに1回縦パスを当てる攻撃が多かったけど、
この試合では鈴木武蔵が1トップだったので、
シンプルに裏に蹴る場面が多くなるのかなと思っていたのだけど、
久しぶりに見た鈴木武蔵は、体の使い方やパスの受け方が上手くなっていて、
ポヤトスのサッカーへの順応が窺えたね。

すると、山本のCKを倉田がニアで触ってファーへ流すと、
ファーサイドに詰めていたクォン・ギョンウォンが押し込み、
前半13分にガンバが幸先良く先制に成功。

ケガが多くて稼働率が悪く、試合に出てもファウルばかりのクォン・ギョンウォンには、
ここ最近うんざりさせられることが多かったけど、この試合では久しぶりに仕事をしたね。

対する福岡は、ガンバが4-3-3の布陣で試合に臨んでくると予想していたのか、
先週の浦和戦で面白いように機能したプレスがハマらず、
ガンバにファイナルサードまで進入される場面が目立った。

特に食野が敵陣で良い形でボールを受けることが多かったけど、
「お前のやりたいことならお見通しだよ」と言わんばかりに、
行き先にことごとく井手口が立ちはだかり、最後のところで仕事をさせてもらえない。

この良い流れの前半のうちに追加点を奪えなかったのが、
のちのち後半にボディブローのように効いてくるわけだけど、
ここ最近、前半で試合を決められることが多かったことを考えると、
リードしてハーフタイムを迎えられることが出来ただけでも、
後半に向けて希望が持てる戦いが出来ていたと思う。

選手層の薄さが招いたバッドエンド

良いところ無く前半を終えた福岡だったけど、
智将の長谷部監督がこの状況を黙って見ているわけもなく、
後半頭から金森に代えてウェリントンを投入。

まあ、ウェリントンが入ったということは当然高さを警戒することになるんだけど、
ウェリントンにマークが集中していると見るや、
前嶋がクロスと見せかけてニアにいる紺野にパスを送ると、
紺野が目一杯足を伸ばしてDFラインの裏へ送ったスルーパスに山岸が反応し、
東口との1対1を制してスコアを振り出しに戻されてしまった。

長谷部監督の采配がズバリと的中した場面だったけど、
相手のやりたいことで見事にやられてしまうガンバは、まるで時代劇の斬られ役のようだね。

その後は前半と打って変わって福岡のペースで試合が進むも、決め手を欠き、
1-1のまま試合は終盤へ。

ガンバのベンチ入りのメンバーで、この展開で起用できそうな選手は、
宇佐美と山見ぐらいなので、この2人がいつ投入されるかがカギかなと思っていたのだけど、
その宇佐美が石毛に代わってピッチに入った途端、
黒川が紺野を倒してPKを献上してしまうのだから間が悪いというかなんというか。

ところがPKキッカーを務めた山岸が、
先週のルヴァンカップの決勝で西川に止められたコースと同じコースにシュートを蹴ったことで、
東口はこれを難なくストップ。

ルヴァンカップ決勝で、西川のPKストップをきっかけに浦和が息を吹き返したように、
ガンバもここから猛攻を仕掛けたいところだったけど、
前半良いプレーをしていた鈴木武蔵と食野がガス欠状態では反撃しようにも出来ず。

対する福岡は、そんなガンバを尻目に紺野に代えてルキアンという交代カードを切ると、
田代が右サイドからあげたクロスをニアサイドにいた宇佐美がクリアし切れず、
ファーサイドへ流れると、ちょうど落下点にポジションを取っていたルキアンに合わされ、
後半アディショナルタイムに入ろうかという時間帯に勝ち越しを許してしまった。

まあ、こんな展開になったそもそもの原因は、
福岡が疲れの見えた選手を入れ替えてチームの強度を保つ一方で、
後半アディショナルタイムに入ってから慌てて山見と唐山を投入することしか出来ない、
ガンバの選手層の薄さなんだけどね。

まだ来季もJ1で戦えると決まったわけではない

この敗戦でリーグ戦は5連敗、ついに公式戦の勝ち無しは10試合に伸びてしまったわけだけど、
選手たちはJ1残留が決まっていないというのは認識しているのだろうか。

余裕ぶっこいてて、最後の最後で横浜FCにかわされるなんて、
そんな未来は見たくないんだけども。

そんなガンバは、インターナショナルマッチウィークによる中断期間を1週間挟み、
次節はアウェイで広島と対戦。

来季から新スタジアムへ移転する広島としては、
ビッグアーチで行われる最後の試合を勝利で飾りたいというのは言うまでもないだろう。

以前のガンバであれば、こういう記念試合で勝ってしまう空気の読めなさがあったけど、
今のガンバにそんなものを期待できそうにもない。

とは言え、無抵抗で敗れるのは情けないので、
広島で何かしらの爪痕を残して大阪に帰ってきてほしいものだ。

ガンバ大阪12アビスパ福岡
’13 クォン・ギョンウォン
’46 山岸祐也
’89 ルキアン