【明治安田生命J1リーグ4節 ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島】産みの苦しみは終わらない
今季のリーグ戦初勝利を掴むのはどちらか?
ミッドウィークのルヴァンカップのグループステージで京都を降し、
ポヤトス体制として初勝利を飾った我らがガンバ大阪。
勢いをそのままにリーグ戦での初勝利を懸けて対戦するのは、
昨季のJ1リーグ3位で、ルヴァンカップ王者のサンフレッチェ広島。
手強い相手であることは間違い無いけど、
そんな広島も今季はここまでリーグ戦で未勝利と調子が上がっていないので、
好調になる前に叩いておきたいところだ。
親の顔より見た試合開始直後の失点
日曜日の16時にキックオフの笛を聞いた青黒の11人は以下の通り。
先日の京都戦でのアピールに成功した福田と東口が引き続きスタメンを飾った一方、
この日もファン・アラーノを右ウイングで起用するという愚策を採用してきた。
このメンバーだとネタ・ラヴィとダワンのダブルボランチにして、
宇佐美をトップ下にした4-2-3-1の方がバランスが良いような気がするんだけど、
ポヤトスはパス重視やロングボール多用といった具合にコンセプトは柔軟に変えるけど、
基本的に選手の並びは変えない監督なんだろうか。
先週の神戸戦では試合開始早々に大迫に先制ゴールを許してしまったので、
試合の入り方に気をつけたいところだったけど、
どうやらこの日もガンバの選手たちは眠ったままピッチに立ってしまったようで、
前半2分にあっさりと失点。
得点者がベンカリファだったので、
昨季のアウェイゲームでハットトリックを喫した悪夢が脳裏をよぎったけど、
それ以上に、ピッチの中央で半田が簡単にハイボールに競り負けたり、
三浦がまんまとサイドにつり出されて自軍ゴール前のスペースをガラ空きにしたり、
森島のマークに行こうとした江川が滑って転んでしまったりと、
お粗末な守備対応が連鎖したような失点に頭を抱えてしまったね。
ただ、前半の早い時間帯の失点だったので、
気を取り直して同点を狙いに行きたいところだったのだけど、
ガンバの4バック+アンカーに対してマンツーマン気味にプレスをかけてくる広島の守備に、
ビルドアップがままならず、苦し紛れに前線にロングボールを蹴ってボールを失うばかり。
前半のガンバのチャンスらしいチャンスと言えば、
荒木に当たってコースが変わったアラーノのクロスに鈴木武蔵が飛び込むも、
枠に飛ばせなかった場面ぐらいだったんじゃないだろうか。
ポヤトスが監督になってポゼッションサッカーに取り組んだきたガンバだけど、
前節の神戸戦で、前線からのプレスを剥がせるほどのクオリティは無いとバレてしまったので、
この日もまんまとプレスの餌食になってしまったね。
とは言え、前半終了間際のセットプレーで広島に追加点を許したかに思われた場面が、
手前で三浦と競り合ったソティリウのオフサイドでゴールが取り消しになったことで、
まだツキには見放されていないなとは思ったけども。
またしても手からすり抜けていった勝ち点
低調な前半を終えて、ハーフタイムで選手交代があるかなと思っていたのだけど、
前半と同じメンバーをピッチに送り出したポヤトス。
それに対し広島のスキッベ監督は、ソティリウに代えて松本を投入し、
3-5-2から3-4-2-1に布陣変更してきた。
ソティリウは前半でイエローカードを貰っていたので交代させたのかなと思うけど、
この交代によって広島の前線の枚数が1枚減り、前からのプレスが弱まったことで、
却ってガンバがボールを持てるようになった。
しかし、後半の早い時間にダワンと福田が立て続けにシュートチャンスを迎えるも、
精度を欠きスコアを振り出しに戻すまでには至らない。
その後も鈴木武蔵やアラーノのシュートが枠外に外れるなど、
決めきれない展開が続いていたけど、
福田のアウトサイドのパスに抜け出した宇佐美がゴールネットを揺らし、
後半25分にスコアを振り出しに戻すことに成功。
松本に当たってシュートコースが変わったので多少ラッキー要素はあったとは言え、
かつての宇佐美では想像出来ない裏のスペースへのフリーランから、
これぞ宇佐美というような左サイドからのカットインという、
新旧宇佐美のハイブリッドのようなゴールだったと思う。
この宇佐美のゴールの勢いをそのままに、逆転といきたいところだったけど、
フリーの1対1で大迫にシュートをぶつけてしまうなど、この日は鈴木武蔵が大ブレーキ。
ジェバリが故障で不在の中、CFらしいCFは背番号9一人だけなので奮起して欲しいのだけど、
大きく期待を裏切ってしまったね。
それでもなんとか勝ち点1は取れるかなと思っていたのだけど、
ビルドアップのミスからネタ・ラヴィがペナルティエリア内でベンカリファを倒してしまい、
痛恨のPK献上。
ファウルを犯したのはネタ・ラヴィだけど、
森島に密着マークされているネタ・ラヴィにパスを出した東口の判断は、
軽率だったとしか言いようがない。
先日の京都戦でも山崎に同点ゴールを許した直後にビルドアップでミスをする場面があったし、
東口はまだポヤトスのやりたいビルドアップにフィットしていない感じがあるよね。
流れの中でのシュートストップはピカイチだけど、
PKは苦手という東口が満田のシュートを止められるはずもなく、
勝ち越しゴールを許してしまい万事休す。
ガンバの2023年シーズンのリーグ戦初勝利はまたしてもお預けとなってしまった。
昨季の勝ち点1の立役者はもういない
今季のJ1はJ2への降格が1チームだけなので、ある程度辛抱するつもりだけど、
このまま結果がついてこない状態が続くと昨季の片野坂前監督の時のように、
やりたいサッカーがブレてチームがどんどん機能不全に陥ってしまう可能性もあるので、
早く結果が欲しいところ。
そんなガンバがリーグ戦初勝利を期して対戦する次節の相手は、北海道コンサドーレ札幌。
鳥栖と引き分けたかと思えば、マリノスに勝ったりと、
今季も強いのか弱いのかよくわからない戦いぶりの札幌。
来週ゴールマウスを守るのが谷と東口のどちらになるのかわからないけど
昨季の対戦で大活躍してスコアレスドローに持ち込んだ一森のように、
神懸かり的なセービングで汚名をそそぐとともにガンバに勝利を呼び込んで欲しいね。
ガンバ大阪1ー2サンフレッチェ広島
’2 ナッシム・ベンカリファ
’70 宇佐美貴史
’90+4 満田誠