【明治安田生命J1リーグ5節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌】後半の戦いを前半から出来ないのはなぜ?

代表に呼ばれるだけの力を持った選手はいるということ

試合終了間際のPKで前節の広島戦を落とし、
開幕から4試合を終えて未勝利となった我らがガンバ大阪。

週末の札幌戦に備えて準備を進める中で、
ウルグアイとコロンビアという南米の強豪との親善試合に臨む日本代表に、
谷と半田が召集されるという一報が飛び込んで来た。

まあ、正直、2人とも前所属チームでのプレーが評価されての召集だろうから、
ガンバが彼らの代表入りを後押し出来たとは思ってないし、
17位に沈むチームから2人も代表に召集されることを疑問に感じる人も一定数いると思う。

そんな外野の声を減らすためにも、
今節のホームゲームで勝利を収めて少しでも順位を上げ、
谷と半田を快く代表チームに送り出したいところだ。

悪い流れは連鎖する

5試合目でのリーグ戦初勝利を目指すべく、
ダニエル・ポヤトスがパナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出した11人は以下の通り。

谷のスタメン復帰を予想する情報もあったけど、
広島戦の終盤に痛恨のパスミスを犯した東口が前節から引き続きスタメン。

また、広島戦で負傷交代した宇佐美に代わりJ1初スタメンを飾った山本理仁が、
どれだけビルドアップとチャンスメイクに絡めるかというところがポイントだろうか。

ところが、その山本理仁がほとんどボールを触れないうちに札幌にCKを与えると、
福森のCKをファーサイドで岡村が折り返したところを、
黒川のマークを外した小林祐希に決められ、
またまた前半の早い時間帯でビハインドを背負ってしまった。

まあ、前節は前半2分で失点したことを思うと、
今節は前半6分まで持ち堪えたと考えれば進歩したと言えるのかもしれないけど、
どうしてこうも毎度試合開始早々に失点してしまうのだろうか。

また、今の日本代表の左SBの選手層を考えると、
黒川は頑張り次第で日本代表の青いユニフォームを身につけることも可能だと思うのだけど、
毎試合のように失点に絡んでいる今季のパフォーマンスでは、
檜舞台から遠ざかった感は否めない。

1点ビハインドを背負ったガンバは、反撃に出たいところだけど、
アンカーのネタ・ラヴィが小林祐希のマンツーマンディフェンスによって試合から消されると、
パスの出しどころが無く、前線にアバウトなボールを蹴ってロストを繰り返すという、
ここ最近お馴染みとなった拙攻に終始。

反撃できそうな気配も無く時計の針が進むと、
福田がDFラインに戻したボールがあろうことか江川と三浦のあいだに転がってしまい、
そのボールをかっさらった小柏にゴールネットを揺らされ、追加点を許してしまった。

前節の東口のミスもそうだけど、チーム状態が悪い時ってこういうのが連鎖するのかね。

その後は、2点リードで余裕が出た札幌の選手たちが自陣でのパス回しでヒールパスを使うなど、
舐めプをされてしまう有様。

前半終了の笛と同時にパナソニックスタジアム吹田に響いたブーイングが物語るように、
ここまでのチームパフォーマンスは今季ワーストだったんじゃないだろうか。

まさかの反撃も勝ち越すまでには至らず

選手交代無く迎えた後半も前半と変わり映えのしないチームパフォーマンスだったので、
これは神戸戦の時のような大敗もあるかもなと思っていたのだけど、
そんな状況を一変させたのが福田と山本理仁に代えてダワンと石毛を投入するという選手交代。

特に石毛の投入が効果てき面で、
ネタ・ラヴィのスルーパスに抜け出した半田の折り返しを中央で石毛が決めて1点を返すと、
その直後に石毛との連携で左サイドを抜け出した黒川が低くて速いクロスを送ると、
ファーサイドの杉山のワンタッチの折り返しを中央でファン・アラーノが決め、
瞬く間に試合を振り出しに戻すことに成功した。

宇佐美がいれば宇佐美がフリーマンのように動き回ることで、
相手のプレスの的を絞らせないように出来るのだけど、
この試合の山本理仁は忠実に自分のポジションを守っている感じだったので、
札幌の代名詞であるオールコートのマンツーマンディフェンスの餌食になっていた。

そんな状態だったところを石毛が宇佐美の役割を担うことで札幌の守備の隊列が乱れ、
札幌のディフェンスが修正する前に得点することが出来たのは狙い通り。

まあ、ポジショナルプレーを標榜するポヤトスのサッカー哲学的には、
宇佐美やアラーノ、石毛みたいに自由に動き回るタイプのプレーヤーは異端で、
むしろ山本理仁の動きの方がマッチしているんだろうけど、
前者の選手たちの方がチームへの貢献度が高い現状を踏まえると、
まだまだポヤトスのやりたいサッカーってこのチームに落とし込めてないんだなと思ったね。

この勢いのまま逆転といきたいところだったけど、
ダワンと鈴木武蔵に訪れた決定機はいずれもク・ソンユンの好セーブに遭い得点ならず。

途中出場の食野と山見も、石毛ほど試合の流れは変えられず、結局2ー2のドローで試合は決着。

まあ、敗色濃厚だったところから勝ち点1を拾ったと考えれば収穫のある試合だったけど、
ミス絡みの前半の2失点が無ければ勝っていたかもしれないと思うと、
またしてももったいない勝ち点を落としてしまったなという感覚は拭えないね。

スタメン選手の不在はベンチメンバーのチャンス

ガンバのリーグ戦初勝利は4月以降に持ち越しになってしまったけど、
かと言っていつまでも嘆いている訳にもいかない。

奇しくも次の試合はルヴァンカップの大阪ダービーなので、
サポーターの注目度の高いこの試合に勝利することでチームに勢いをつけたいところ。
(モメンタムを生み出す要素がダービー頼みになっている現状が苦しいが・・・)

前述の通り、半田と谷がA代表に招集されているのに加え、山本理仁はU-22代表、
ネタ・ラヴィはイスラエル代表、クォン・ギョンウォンは韓国代表と、
代表活動で離脱する選手が複数いるので、
来週のパナソニックスタジアム吹田のピッチに立つメンバーの顔ぶれは大きく変わると思われる。

チーム状態が上がらない現状は、
言い方を変えれば誰にでもスタメン奪取の可能性があるということなので、
来週のホームゲームでポヤトスに大いにアピールしてもらいたいね。

ガンバ大阪22北海道コンサドーレ札幌
’6 小林祐希
’32 小柏剛
’59 石毛秀樹
’61 ファン・アラーノ