【明治安田J1リーグ22節 ガンバ大阪vs横浜F・マリノス】4発快勝で再び掴んだ上昇気流

一回しゃがんでまたジャンプする

ウェルトンのゴールで幸先良く先制しながらも半田の退場から試合が転調し、
10試合ぶりの黒星を喫した我らがガンバ大阪。

再び上昇気流に乗るべく2試合連続のホームゲームで相対するは、
ACLの日程の都合で延期となっていた鳥栖戦をミッドウィークに消化し、
中2日で大阪に乗り込んできた横浜F・マリノス。

そんなマリノスは4年ぶりの3連中と調子が上がらず、
今季からチームを率いているキューウェルが叩かれているけど、
7連敗を喫した昨年終盤のガンバと比べればまだまだチーム状態は良いように見えるので、
もうしばらくファッション暗黒を楽しんでってもらってもいいんですよ?

光ったのは気候を考慮したゲームマネジメント

優勢に試合を進めながらもアンデルソン・ロペスの一発に沈み、
勝ち点0に終わった4月の日産スタジアムの試合のリベンジを期す、
ガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

守備陣は、体調不良で前節の町田戦を欠場した福岡が左CBに戻り、
松田が出場停止の半田代わりに右SBに入った。

また、マリノスのストロングである右ウイングのヤン・マテウス対策なのか、
前線は山下が外れてウェルトンが右サイドに入り、ヤン・マテウスの対面の左サイドには、
故障からの戦線復帰後初スタメンとなるファン・アラーノが入ったね。

先制点が欲しいのは日程面で不利なマリノスの方なので、
マリノスの強度に後手を踏まないようにしないとなと思っていたのだけど、
そんな心配は杞憂だったようで、
ファン・アラーノが見事なループシュートを決めて前半4分にガンバが先制に成功。

鹿島からガンバに移籍してきた時は、ハードワークが出来る反面、
シュートやラストパスの精度に欠けるという評価のアラーノだったけど、
チーム得点王となった昨季から目に見えてシュート技術が向上していて、
もはやそんな評価は遠い過去のものになった感があるね。

早い時間に先制に成功したガンバは、この勢いに乗って追加点・・・とは行かず、
今週に入って急激に上昇した気温も考慮して試合のテンポをコントロール。

そんなスローテンポの試合の中でも坂本が見事なトラップやターンを連発し、
飯倉が守るゴールを何度も脅かせば、調子の上がらないチームの中で一人気を吐く宮市が、
ポスト直撃やクロスバー直撃のシュートを放つなど、どちらに転ぶかわからない試合展開が続く。

そんな展開で次にゴールネットを揺らしたのもホームチームで、
左サイドでボールを受けた宇佐美がゆったりとしたドリブルでペナルティエリアに近づき、
加藤蓮と宮市の間に出来たスペースにクロスを送ると、
ダワンがダイビングヘッドでゴールネットを揺らし、前半アディショナルタイムに追加点。
(着地でミスるならバク宙やめてくれ・・・ケガしそうでヒヤヒヤする)

試合開始直後と前半終了間際に得点を挙げて2点リードでハーフタイムを迎えるなんて、
ガンバらしからぬ試合巧者ぶりだけど、
ダワンのゴール直後に訪れたウェルトンと飯倉の1対1が決まっていれば、
文句無しの前半だったかな。

前半に開いたケチャップの蓋は後半も閉まらず

2点を追うマリノスがハーフタイムで2枚の交代カードを切って攻勢を強める一方で、
前半と同じメンバーを後半のピッチに送り出したガンバ。

アラーノが松原との小競り合いでイエローカードを貰い、
直後に山下と交代になるという場面はあったものの、
前半と同様に試合のテンポをコントロールしながら試合を進めていく。

すると、宇佐美のプレスバックでヤン・マテウスからボールを奪い、
中谷のパスを受けた山下が快足を飛ばして右サイドをドリブルで疾走すると、
山下のクロスがエドゥアルドの手に当たりPKを獲得。

この試合を裁いた山下主審は、相変わらずポジショニングが悪くて、
「そんなに遠いところから見てるのになんでファウルだとわかるんだろ?」
みたいな判定が何度もあったのだけど、
この場面ではよくエドゥアルドの手にボールが当たったのが見えていたよね。

そんなPKを宇佐美がゴール左上のえげつないコースに叩き込み、
試合を決定づける3点目がガンバに入った。

試合の大勢が決したのを見たポヤトスは、
お役御免とばかりにウェルトン、宇佐美、ダワンをベンチに下げ、
中野、ジェバリ、ネタ・ラヴィを投入。

前半から躍動するチームメイトをベンチから見て、
「自分も!」と意気込んでいたんだろうなと想像できるけど、
前半二度も宮市のシュートを阻んだホームゴール裏側のゴールマウスは、
後半に入ってもジェバリのコントロールショットをポストで跳ね返すなど、
今季まだリーグ戦でゴールが無いジェバリにさらなる試練を与える。

この試合でもガンバの11番にゴールは生まれないのか・・・と思っていたら、
斜めの動きでジェバリのスルーパスを受けた山下がボールをキープすると、
山下がいた右サイドのスペースに走り込んだジェバリがリターンを受け、
角度の無いところから右足を振り抜く。

すると、このシュートを飯倉が後逸してしまい、
思わぬ形でジェバリに今季初得点がもたらされることに。

この試合では今季のマリノスの正守護神のポープ・ウィリアムがベンチにも入らず、
飯倉がゴールマウスを守っていたけど、
東口と同い年のベテランにとってなかなか厳しい試合になってしまったね。

その後も、アンデルソン・ロペスや途中出場の塩貝がゴールに迫る場面はあったものの、
中谷や一森を中心に集中してゴールを守り切り、クリーンシート達成。

嫌な負け方をした町田戦の雰囲気をすぐに払拭出来ただけでなく、
ガンバは上位陣の中でも得失点差で不利な状況だったので、
得失点差を+4も積み上げられたという意味でも大きな勝利だったと思う。

勝ち点をプレゼントするサービス精神は不要

連勝を期すガンバの次節のカードは鳥栖とのアウェイゲーム。

今節は新潟との打ち合いを制し、残留争いから一歩抜け出した感のある鳥栖だけど、
これからも優勝争いに絡んでいくのであれば、
勝ち点3を取っておきたい順位の相手だ。

と、言うものの、この手の相手に気前良く勝ち点をプレゼントしてしまうのが、
ガンバの伝統芸なのでどうなることやら。

また、鳥栖戦の前に天皇杯の宮崎戦がミッドウィークにあるので、
足元をすくわれないように確実に勝ってベスト16進出を決め、
苦手な駅前不動産スタジアムでの試合に弾みをつけてほしいね。

ガンバ大阪40横浜F・マリノス
’4 ファン・アラーノ
’45+3 ダワン
’70 宇佐美貴史
’88 イッサム・ジェバリ