【明治安田J1リーグ35節 名古屋グランパスvsガンバ大阪】ダブルの応酬の日々に終止符

過密日程は強豪チームの証

ミッドウィークに行われたACL2のナムディン戦に勝利を収めたガンバ大阪は、
中2日で名古屋グランパスとのアウェイゲームに臨んだ。

4月にパナスタで名古屋と対戦した時は、相手に何もさせずに完勝出来たけど、
ここ最近の名古屋は復調傾向なので、半年前と同じようには行かないだろう。
(まあ、あの時はガンバが良かったと言うより、名古屋が悪過ぎただけな気もするが・・・)

タイトな日程で選手は大変だろうけど、
この試合が終わったら10日間試合間隔が空くことを考えると、
過度なターンオーバーは行わずに乗り切りたいところだ。

功を奏したプランAからBへの迅速な変更

対名古屋2年連続のダブルを狙う青黒のスタメン11人は以下の通り。

ナムディン戦から4-2-3-1の布陣を継続。

東口と三浦が外れて一森と福岡が入るという入れ替えは想定内だったけど、
ヒュメットと宇佐美をスタートから起用すると思っていたので、
予想以上に変えてこなかった印象。

そんな試合の立ち上がりは正直あまり良くなかった。

柏戦の後半のような、ジェバリを目指した縦ポンをやろうとしていたのか、
やたら安部と美藤の頭上を越えていくようなパスが多かったけど、
ジェバリ以外小兵を揃えた前線にロングボールを放り込んだところで、
いくらやらかし癖がある元青黒戦士の佐藤相手でも攻略するのは難しい。

実際、セカンドボールを名古屋にいとも簡単に回収されて、
カウンターを受ける場面が多かったけど、一森の鬼神の如きセービングで何とか難を逃れる。
(河面のクロスから木村にボレーシュートを打たれた場面は、正直「やられた!」と思ったね)

「こんな戦い方を選択するなら、
右サイドに岸本を入れてターゲットマンを分散したら良かったのに」なんて思っていたら、
ロングボール戦術を早々に諦めてパス重視の地上戦へシフト。

こんなに迅速に戦術変更出来るんだったら、
なぜ柏戦でやらなかったのか?と思ってしまったけど、
この戦術変更が的中し、試合の主導権を取り戻すと、
名古屋に長谷川健太政権末期のチームに見られる症状が出始め、
試合はガンバのハーフコートゲームのような展開に。

この流れのまま得点を挙げてリードしてハーフタイムを迎えたかったところだけど、
ジェバリのヘディングシュートや、奥抜のカットインからのシュートも、
元青黒戦士の武田に阻まれてしまい、ゴールならず。

試合を優勢に進めているとは言え、
日程面の不利からガンバの選手たちの方が先に足が止まる可能性が高いことを考えると、
後半の早い段階で先制点が欲しい試合展開やね。

試合を決めた右サイドからの2発

お互いに選手交代無く迎えた後半は、早々に訪れた森の決定機を初瀬のブロックで凌ぐと、
その後は前半の終盤と同様にガンバのペース。

すると、藤井が最終ラインから持ち上がったところをガンバの選手たちが3人で潰すと、
安部のパスを受けた山下が鋭い切り返しでマークの河面を剥がし、
逆サイドのサイドネットにシュートを突き刺してみせた。

いつもならスピードに乗ったまま縦に仕掛けてシュート打って外していた場面なのに、
良い意味で山下らしくないプレーだなと思っていたら、
どうやら遠藤保仁コーチ直伝のプレーだったみたいね。

今季のガンバは先制したら勝率100%とは言え、
1点リードだけだとアクシデントのような失点で追いつかれることもあり得るし、
先述の通り、日程面ではこちらが不利なので追加点が欲しいところ。

ただ、その後もジェバリに何度かシュートチャンスが訪れるも、
これを決め切ることが出来ず、名古屋を突き放せない。

ジェバリのポストプレーは一級品だし、守備も頑張ってくれるんだけど、
決定力はもう少しどうにかならないもんかな。
(まあ、これでゴール決めまくってたら、そもそも日本でプレーしていないか・・・)

それでも何とか1点リードを保って試合終盤まで時計の針を進めるも、
ジェバリのお友達のユンカーが原に代わってピッチに投入されると、
ガンバは防戦一方になってしまう。

豊田スタジアムは名古屋サポーターの歌声と手拍子でイケイケムードになり、
「これはマズイな・・・」と思っていたら、
鈴木のスルーパスにジェバリが左サイドを抜け出すと、
稲垣と佐藤をかわし、後は決めるだけのパスを岸本に送ってトドメの一撃をお膳立て。

満田に代わって鈴木がピッチに投入された時、
「また交代枠余らすんかい!」って思ってしまったけど、こんなアシスト見せられたら、
ジェバリをピッチに残して正解だったって言わざるを得ないね。

我々が目指すものは聖杯でも賜杯でもない

来週末はルヴァンカップの決勝が行われるので、ガンバの次の試合は10日後、
11月5日のACL2のナムディンとのアウェイゲームまで空くことに。

試合間隔が空くとポヤトスが戦術実験を始めて、
チームのバランスをおかしくしてしまうことが稀にあるけど、
ナムディンとのホームゲームはいつも通りの戦い方で快勝しているので、
今回は余計なことはしない・・・はず。

本音を言えば、国内カップ戦の決勝で青黒のユニフォームを見たかったけど、
今季はそれが叶わなかった分、来年5月のACL2の決勝のピッチに立てるように、
一戦必勝で勝利を積み重ねていきたいところだ。

名古屋グランパス02ガンバ大阪
’56 山下諒也
’90+3 岸本武流