【明治安田J1リーグ37節 アルビレックス新潟vsガンバ大阪】11月のビッグスワンで思い出したのは忘れかけていた堅守

それでもフットボールは続く

9年ぶりの戴冠を期して臨んだ天皇杯決勝での敗北から1週間、
我らがガンバ大阪は今季のアウェイ最終戦に臨むべく新潟の地へ乗り込んだ。

タイトルに懸ける思いが強かったことの反動からか、心の傷は癒えたとは言い難いけど、
ACL出場権を獲得すべく我々はファイティングポーズを取り続けなければならない。

そういう意味では、この日の対戦相手であるアルビレックス新潟も、
クラブ初タイトルを目指して挑んだルヴァンカップ決勝で敗れているので、
我々と似たような境遇にあるチームだと思う。

ただ、去就が不透明な松橋監督に対し、
来季もポヤトスが指揮を執ることが確実となっている我々とでは求心力が異なると思うので、
宇佐美不在をやりくりする指揮官のもと一致団結し、スリーポイントを積み上げたいところだ。

内外両用のNo4

冬の到来を感じさせる冷たい空気の中、
ビッグスワンのピッチに立った青黒のスタメン11人は以下の通り。

先週の天皇杯のスタメンから倉田が外れ、左ウイングにはウェルトン。

また、今季絶望かと思われていたネタ・ラヴィが8月の福岡戦以来のベンチに入り、
久しぶりに外国人選手5人が揃い踏みすることになったね。

志向するサッカーが似ているチーム同士の対戦なので、
どちらが質で上回れるかがポイントの試合になると思っていたのだけど、
まず試合の主導権を握ったのはガンバ。

インナーラップした黒川のスルーパスに坂本が抜け出し小島との1対1の状況を作り出すも、
この場面は小島の好セーブに遭い、ゴールならず。

その後もガンバの攻勢は続き、
鈴木徳真が舞行龍ジェームスに削られながらも左サイドの黒川に展開すると、
黒川のクロスから山田のヘディングシュートが決まり、前半18分にガンバが先制。

先週の天皇杯決勝でもコンディションの良さが窺えた黒川だけど、
この日も内外両方で光るプレーを見せていたね。

リーグで2番目に少ない失点数の堅守を誇るとは言っても、
8月の柏戦以来無失点試合が無いという状況なので、早めに追加点が欲しいところ。

ただ、そんな想いとは裏腹にここからは新潟のペースで試合が進んでしまい、
ペナルティエリア内に進入した長谷川のクロスから、
あとは無人のゴールに押し込むだけという絶体絶命のピンチを迎えるも、
小野のシュートはクロスバーの上へ外れ、肝を冷やす。

ガンバ在籍時も気持ちを見せてチームのために戦ってくれていた小野だけど、
シュート精度は相変わらずだなと思ってしまったね。

その後もインナーラップする藤原と橋本の両SBを捕まえ切れず、
ひっきりなしにセットプレーを与えてしまう状況だったけど、
一森とDF陣が体を張った執念のディフェンスを見せ、1点リードでハーフタイムへ。

試合終了の笛が鳴るまでのらりくらり

ハーフタイムを終えて、新潟の選手が全員後半のピッチに出てきているのに対し、
池内主審に促されるまで1人もピッチに出てこないガンバの選手たち。

それだけハーフタイムに入念に立ち位置を修正したようで、
後半に入ってからは前半と比べて押し込まれる時間帯は少なくなった。

ワイドに張るウェルトンに代わってファン・アラーノがピッチに入ってからは、
ピッチのいたるところに顔を出すアラーノを新潟の選手が捕まえ切れず、
縦への推進力と引き換えにボール支配率が高まり、
ピッチ全体を使った巨大なロンドも見られるようになった。

追加点のチャンスは少なくなったけど、
このままのらりくらりと時間を使って逃げ切れそうかなと思っていたら、
新潟の松橋監督は小野に代えて、
先日のルヴァンカップ決勝のPK戦で唯一失敗してしまった長倉を投入してきた。

正直、もっと早く長倉を投入してくると思っていたので、
後半29分という時間帯まで小野を引っ張ったのは予想外だったけど、
走力と技術を兼ね揃えた嫌な選手を相手にしなければいけないことに変わりは無い。

その長倉にポスト直撃のシュートを放たれ、あわやの場面を作られると、
山田、坂本、山下に代えて、ジェバリ、岸本、美藤を投入し、
逃げ切りモードへシフトしたポヤトス。

コーナーキープの場面でいきなりボールロストをした時は、
試合終了間際に同点弾を食らった9月のヴェルディ戦を思い出して頭が痛くなったけど、
その後は時間を上手く使って危なげなく試合をクロージング。

ここ最近は大味な試合が多かったけど、
ウノゼロでしぶとく勝ち点を積み上げていたシーズン序盤を思わせるような試合展開に、
この試合では何がなんでも無失点で試合を終えるぞという、
選手全員の守備意識が感じられた試合だったと思う。

相手の状況がどうであれ2024年の最終戦を勝利で締めくくるのみ

タイトル獲得とはいかなかったけど、
実り多き1年を過ごしたガンバの2024年最後の試合の相手はサンフレッチェ広島。

ガンバのホーム最終戦が広島のリーグ優勝が懸かる試合になるかどうかは、
明日開催予定の広島と札幌の試合結果次第なので、
現時点ではどういう状況で12月8日を迎えるかは知る由もない。

ただ、どんな状況で38節を迎えるにしろ、
パナスタに訪れた青黒のサポーターはガンバの勝利を願っているはずなので、
強敵の広島に勝利して師走の空にガンバクラップを響かせたいところだ。

アルビレックス新潟01ガンバ大阪
’18 山田康太