【明治安田生命J1リーグ22節 ガンバ大阪vsセレッソ大阪】大阪ダービーとかいうピンクに勝ち点をプレゼントするイベント

かつてそこにあった熱狂

今日は大阪ダービー・・・のはずなんだけど、
観客の入場者数の制限が撤廃されているにも関わらず、
空席が目立つパナソニックスタジアム吹田のスタンド。

僕もTVの前でこの試合を見ているのであまり偉そうなことは言えないけど、
今のガンバに対する期待値を表しているようにも思える。

これまでは、2月にJリーグの年間スケジュールが発表されたら、
真っ先に大阪ダービーの日程を確認し、大阪に帰省する予定を立て、
チケットはファンクラブ先行発売の初日に確保していたものだけど、
今となっては、9連戦の最後に大阪ダービーがあることも連戦が始まる前に知ったし、
チケットの販売スケジュールも確認していない。

TVの前で大阪ダービーを見ていることに対して、
何も違和感を感じなくなっているガンバサポーターは僕だけじゃないはずだ。

これから始まる90分は、ガンバ大阪が残留争いから抜け出すための戦いだけでなく、
大阪ダービーがかつての熱狂を取り戻すための戦いという側面も持っている。

毎度のことながら前半は元気だ

ホームで宿敵・ピンクを迎え撃つ青黒のスターティングイレブンは以下の通り。

布陣を3−4−2−1に戻し、新加入の鈴木武蔵を1トップのポジションでスタメン起用。

さらに右のシャドーのポジションには久しぶりに中村仁郎が名前を連ねた。

前線から積極的にプレスに来るセレッソに対し、
ガンバは前線のスペースへのロングボールを多用して無効化。

さらに敵陣でも積極的にボールを奪いに行き、
2度ほど鈴木武蔵にシュートチャンスが訪れるなど、良い試合の入り方が出来た。

鈴木武蔵は身長が高いので、
ついハイボールの競り合いやポストプレーを期待しそうになるけど、
この選手の一番の魅力は前を向いた時のスピード(馬力)だと思うので、
間違った使い方はしていなかったと思う。

すると、前半17分、石毛のCKを、
セレッソのゾーンディフェンスの外から走り込んだクォン・ギョンウォンが、
頭で合わせてガンバが先制に成功。

見事なセットプレーだったと思うけど、その1分前にも同じ形からクォン・ギョンウォンが、
クロスバー直撃のヘディングシュートを放っているので、
同じパターンで失点したセレッソのゾーンディフェンスもどうなのかと思ってしまったけども。

良い形で先制に成功し、この調子で2点目といきたいところだったけど、
前半の飲水タイムが明けてから試合の主導権を握ったのはセレッソ。

松田のクロスから二度ほどあわやという場面を作られるも、
いずれも東口がスーパーセーブで凌いで失点を許さない。

結局、前半はセレッソから試合の主導権を取り返せずに終わってしまったけど、
ハーフタイムでどう立て直すか、片野坂監督の腕の見せ所といったところか。

そしてまた失速

お互いに選手交代無く迎えた後半。

1点差だと、浦和戦のように最後の最後で追いつかれる可能性があるので、
早い時間帯に追加点を奪いたいなと思っていたら、次のゴールはセレッソに入ってしまう。

キム・ジンヒョンのパスを起点に加藤と為田のワンツーで中央を破られると、
為田のパスを受けた山田に決められ、
後半7分という早い時間に試合を振り出しに戻されてしまった。

ワンツーのリターンをもらった為田がボールを持った時に、
三浦とクォン・ギョンウォンがDFラインを上げたのに、
両サイドの福岡と黒川が連動出来ずに残ってしまい、オフサイドを取り損なってしまったね。

試合を振り出しに戻されてしまったガンバは、
気を取り直して勝ち越しのゴールを奪いたいところだったけど、
その後もセレッソペースは変わらず、次のゴールもセレッソに入りそうな試合展開。

そんな中でも、途中から入った食野や倉田に決定機が訪れるなど、
徐々に反撃できるようになってきたのだけど、
これからという時にクォン・ギョンウォンが脚を痛めて髙尾と交代になってしまう。

この時に黒川に代えて藤春という交代カードも同時に切って交代枠を使い切ってしまい、
ゴールが欲しい状況にも関わらずパトリックを投入出来なかったので、
サイドで藤春や小野瀬がボールを持っても、
前線に高さがないのでクロスを入れられない状況になってしまった。

そして、試合も後半アディショナルタイムに入ろうかという時間帯に、
前線で攻めあぐねるガンバからボールを奪ったセレッソがロングカウンターを発動。

長い距離を1人で持ち上がったジェアン・パトリッキのミドルシュートは、
右ポストを弾きながらゴールマウスの中に転がり、セレッソが勝ち越し。

その後、三浦を前線に上げてパワープレーを仕掛けるも、暖簾に腕押しで終戦。

今シーズン最後の大阪ダービーもホームで辛酸を嘗めさせられることになってしまった。

パリの皆さんは本当にガンバでいいんですか?

声を出しての応援が禁止になっているにも関わらず、
試合後にTVのスピーカーから聞こえてきたブーイングが、
スタジアムにいたガンバサポーターのこの試合に対する評価だろう。

ブーイングが良いことと言うつもりはないけど、
ブーイングしてしまった人の気持ちはよくわかる試合だった。

神戸がアウェイで鹿島に引き分けたため、これでガンバは入れ替え戦圏内の16位に転落。

フランスの名門クラブであるパリ・サンジェルマンが、
わざわざ日本に来てこんなチームと来週試合をするなんて何の冗談なんだろうか。

まあ、E-1選手権がある関係で次節の京都戦まで2週間空くし、
そのE-1選手権も、幸か不幸かガンバからはクォン・ギョンウォンしか召集されていないので、
パリ・サンジェルマン相手にスパーリングという贅沢なお願いをしつつ、
京都戦に向けて万全の準備をして欲しいと思います。

ガンバ大阪12セレッソ大阪
’17 クォン・ギョンウォン
’52 山田寛人
’90 ジェアン・パトリッキ