【明治安田J1リーグ38節 ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島】青黒を誇示し最後まで戦った2024年の大団円

パナスタで最初にシャーレを掲げるのは我々でなければいけない

先週、敵地でアルビレックス新潟を降した我らがガンバ大阪は、
2024シーズンの最終節でサンフレッチェ広島をホームに迎えた。

リーグ優勝の可能性を残して吹田に乗り込んで来た広島だけど、
我々の聖地・パナスタでシャーレを掲げられるのは青黒のプライドが許さないので、
是が非でもそれは阻止する必要がある。
(かと言って神戸か町田に優勝されるのもそれはそれで嫌だけど)

一方で、ガンバもこの試合の結果次第でACL2の出場権を手にすることが出来るようなので、
実りが多かったシーズンの集大成、さらには来季に期待が持てるような内容の試合で、
2024年のラストを飾りたいところだ。

広島を焦らせるには十分な先制点

今季限りで引退する青山敏弘にガンバサポーターから惜別のブーイングが送られた試合で、
ポヤトスがピッチに送り出した11人は以下の通り。
(広島戦での定番だった青山へのブーイングもこの試合が最後と思うと寂しくなりますな)

ベンチメンバーも含め前節の新潟戦から変更無し。

とは言え、ベンチにDFがいないところを見ると、
既存のDF陣はポヤトスからの信頼を得られていないと取れるので、
来季に備えて今オフの必須の補強ポイントだろうね。

まず試合の主導権を握ったのはガンバ。

ウェルトンが左サイドを持ち上がり、
鋭い切り返しで百戦錬磨の塩谷を滑らせてクロスを上げるも、
このクロスは中央で荒木にクリアされてしまい、ファーに詰めていた山下には届かず。

しかしながら、このプレーで得たCKの流れから、
山田がセカンドボールを拾って左サイドのウェルトンに繋ぐと、
東の股下を狙ったウェルトンのクロスを中央で待ち構えていた坂本がプッシュし、
前半13分という早い時間帯にガンバが先制。

フリーだったとは言えGKにぶつけてしまいそうな場面だったけど、
それでも空いているコースを見つけ、角度をつけて冷静に流し込めるあたり、
坂本のシュート技術の高さが存分に発揮されたゴールだったと思う。

その後も左サイドのウェルトンの突破からチャンスを作るも、
ゴール前までは良い形で迫るものの、肝心のシュートが枠外に外れたり、
シュートに力が無く大迫に難なくセーブされたりで追加点を奪うまでには至らず。

今季ずっと思っていることだけど、
ウェルトンはシュートを打つよりもゴールの中までドリブルした方が、
得点取れるんじゃないだろうか。

対する広島は、失点直後こそ焦りからかバタバタする場面が見られたけど、
さすがは優勝争いをしているチームらしく程なくして立て直してきた。

前半終了間際に東のCKから佐々木が完璧なヘディングシュートを放った時は、
「やられた!」と頭を抱えたけど、このシュートは一森が阻み、
1点リードで前半を折り返すことに成功。

自身のパスミスから大ピンチを迎える場面もあったけど、
その場面も自分で自分の尻を拭ったし、
パナソニックプレゼンツの2024シーズンMVPの力を見せつけたね。

とは言え、優勝に向けて負けられない広島が、
後半さらにギアを上げてくることは容易に想像できるので、
あまり受けに回らずに間隙を突いて追加点を奪いたいところだ。

画竜点睛を欠くも追加点を奪って快勝

お互いに選手交代無く迎えた後半も、
ガンバの時間帯と広島の時間帯が交互に来るといった感じで、
どちらも主導権を握っているとは言えないジリジリした攻防が続く。

そんな状況を打破すべく、広島のドイツ人の智将・スキッベは、
後半15分にピエロス・ソティリウと川辺に代えてパシエンシアと中島洋太朗を投入。

ポルトガル代表のストライカーと、
超高校級の中島が途中から出てくると言う広島の選手層は脅威だけど、
リードしているガンバとしては無理に前に出る必要は無いので、
落ち着いてボールをキープしながら試合を進めたいところ。

ところが、左サイドで東がボールを持った時に、
守備の人数が揃っていることで油断してしまったのか、
ニアサイドのポケットを空けてしまうと、
東のクロスから加藤にゴールネットを揺らされてしまう。

ところが、これは加藤と並走していたパシエンシアがオフサイドだったとして、
ノーゴールの判定となり命拾い。
(パシエンシアは確かにオフサイドだったけどプレーには関与していないように見えたので、
VARの見解を聞いてみたいところではあるね)

これまでジッと試合を静観していたポヤトスだけど、
この加藤の得点取り消しの直後に山下に代えて福田を投入する。

するとその福田が右サイドで佐々木のファウルを受けてFKを得ると、
鈴木徳真のFKをファーでダワンが折り返し、中央で中谷が押し込んでガンバが2点目。

これでキャリアハイとなるシーズン6得点目となった中谷だけど、
ゴールの数もさることながら、決めたゴールも重要な場面でのものが多く、
2024年シーズンの黄金の脚に選ばれたのも納得のパフォーマンスだったね。

2点リードしたガンバだけど攻撃の手は緩めず、
黒川のパスを受けたアラーノがゴール正面からシュートを放つと、
佐々木に当たってルーズになったボールが坂本への絶好のスルーパスのような形になり、
これを坂本がゴールマウスへ蹴り込んで2桁得点を達成。

この試合で2ゴールの坂本は、得点の数もさることながら、
ポストプレーで攻撃の起点となったり、ドリブルで前にボールを運んだり、
さらには1stDFとして守備のスイッチを入れたりと、まさに大車輪の活躍だったね。
(今オフの海外移籍があるんじゃないかと思っているのは自分だけだろうか・・・)

その後は、ジェバリと岸本を投入して試合をクロージングするだけ・・・
と思っていたら、後半アディショナルタイムに柏のクロスから加藤に決められ、
クリーンシートならず。

こういう詰めの甘いところを無くしていかないとタイトルは獲れないよなと思うと同時に、
後ろ足で砂をかけるようにお隣から出ていった割には、
ピンクのサポーターが喜びそうなことばかりやっている加藤には、
来季こそ大人しくしておいてもらわないといけないね。

2025、全員で上へ

3位の町田まで優勝の可能性があった最終節だけど、首位の神戸が湘南に勝利したことで、
他会場の結果に関係無く2024年のJ1リーグは神戸の連覇で幕を閉じることになった。

6月ぐらいまではガンバもシャーレに手が届く順位にいただけに、
夏場の失速がつくづく勿体無かったなと思うけど、
7連敗フィニッシュした昨季の終盤の惨状を思うと、1年後にこれだけポジティブな気持ちで、
宇佐美とポヤトスの挨拶を聞けるとは思ってもみなかった。

正直なところポヤトスは、広島のミシャや川崎の風間さんのような土台を作る監督で、
タイトルを獲るとなると森保さんや鬼木さんのような、
別の監督を連れてくる必要があるんじゃないかと思っていた。

しかしながら、昨季とは見違えるような今季のガンバの戦いぶりを見て、
ポヤトスの下でタイトルを獲るガンバを見てみたいと思うようになった。

今オフに出て行く選手もいるだろうけど、
来季こそタイトルを獲って強いガンバの復活を大々的に宣言したいので、
強化部の昨オフ以上の頑張りに期待したいところやね。

それでは皆様、また2025シーズンにお会いしましょう。

ガンバ大阪31サンフレッチェ広島
’13 坂本一彩
’81 中谷進之介
’89 坂本一彩
’90+3 加藤陸次樹