【全国高校サッカー選手権大会 3回戦 流経大柏vs大津】満員御礼のスタジアムに相応しい最高峰の一戦

あまりにも早く巡り合った東西の雄

明けましておめでとうございます。

ちょうど1年前に発生した能登半島の大地震で、
まだ元の生活に戻れていない人が多くいるのは百も承知ですが、
このブログは本年も粛々と更新を続けていくのでよろしくお願いします。

2025年に入って2日目の本日は高校サッカー選手権の3回戦。

3回戦の注目カードはなんと言っても流経大柏vs大津のプレミア勢対決。

あまりこの言葉は好きではないけど、
「事実上の決勝戦」と言ってもいい注目の一戦の火蓋は、
立ち見客も出るほどの超満員に膨れ上がったフクダ電子アリーナで切って落とされた。

1試合多くこなしているというハンデ

まずこの試合を見るにあたり頭に入れておきたいのが、
1回戦から試合を行なっている大津が今大会3試合目なのに対し、
1回戦をシードされている流経大柏は今大会2試合目だということ。

コンディション面で分がある流経大柏が、
彼らのアイデンティティであるインテンシティの高さを武器に、
前線からのプレスとショートカウンターで大津のゴールに迫ってきた。

一時代を築いた本田裕一郎前監督が国士舘に去って久しいけど、
今季も8番亀田と12番松本がJリーグのチームに入団が内定しているなど、
将来有望なタレントを多く擁しているところを見ると、
名監督が去っても流経大柏というブランドは健在なんだなと思い知らされたね。

対する今季のプレミアリーグ王者・大津は、
前半は体力を温存して後半に勝負に出る作戦だったのかあまり前に出て来ず、
一度流経大柏の攻撃を受けてからカウンターを狙っているように見えた。

そんな大津を前にチャンスを多く作っていた流経大柏だけど、
10番柚木の右サイドからのクロスにフリーで合わせた9番山野のシュートは枠に飛ばず、
今度はペナルティエリア内で山野のパスから柚木に決定機が訪れるも、
このシュートも枠外といった具合で、決定的なチャンスを続けて外してしまう。

決めるところで決めきれないと逆にやられるというのは
サッカーというスポーツに於いて往々に起こることだけど、
3番富樫の自陣からのロングフィード一発に抜け出した山野が、
見事なトラップから大津のGK坊野との1対1を制し、前半36分に流経大柏が先制に成功。

守っても大津のプレミアWEST得点王の9番山下に仕事をさせず、
前半の流経大柏は攻守両面において素晴らしいパフォーマンスだったと思う。

プレミア王者としての意地は見せるも・・・

1点ビハインドで前半を折り返した大津が、後半に強度を高めて入ってきたことで、
後半は前半と打って変わって大津のペースで試合が進む。

すると、大津のCKの場面で流経大柏がクリアし切れず、10番嶋本に拾われてしまうと、
嶋本が体を張って繋いだパスを五嶋が決め、後半14分に大津が同点に追いつく。

同点に追いついた勢いをそのままに、大津の山城監督は、
4-2-3-1のトップ下を務めていた6番兼松に代えてスーパーサブの18番岩中を投入し、
4-4-2の布陣に変更して勝ち越しを狙いに行く。

対する流経大柏の榎本監督は、
イエローカードを貰っていた6番に稲田に代えて18番安藤を投入するなど、
リスクマネジメントしながら試合を進めていたけど、大津優勢の試合展開は変わらず。

ところがそんな試合展開で次のゴールを決めたのは流経大柏。

流経大柏の4番奈須のロングフィードを大津の4番村上がクリアし切れず、
真上にボールを蹴り上げてしまうと、
このボールを拾った山野からのパスを受けた19番粕谷がゴールネットを揺らし、
後半28分に勝ち越しに成功。

再び1点ビハインドとなった大津は、12番のCB松野を投入し、
身長190cmの五嶋を前線に上げてパワープレーに出るも、
対する流経大柏は前線にフレッシュな選手を投入し、
前線からのプレスでロングボールの出所を封じ、大津のパワープレーを機能させず。

最後のセットプレーの場面ではGKの坊野もゴール前に上げるも、
流経大柏がこの場面も凌ぎ切り、東西のプレミア対決は流経大柏に軍配。

ここ数年の選手権では市船や日体柏の後塵を拝していた流経大柏が、
3年ぶりの選手権で自らの価値を知らしめたね。

一方の大津は、青森山田と並んで優勝候補最右翼として今大会に臨んだにも関わらず、
またしても頂点に届かずに大会を去ることになってしまった。

国立へ戻る切符を手にするのは?

12月28日に開幕した高校サッカー選手権も次はいよいよ準々決勝。

ベスト8の顔ぶれを見ると、
静岡学園vs東福岡という高校サッカーファンの必見の好カードが組まれているけど、
上田西や東海大相模といったダークホースの躍進にも目が離せないところ。

1月4日の試合を終えて国立に帰ってくるのはどの高校になるのか、
まだまだ熱い戦いは続きそうやね。

流経大柏21大津
’36 山野春太
’54 五嶋夏生
’68 粕谷悠