【全国高校サッカー選手権大会 決勝 神村学園vs鹿島学園】強さを見せつけて手にしたダブルクラウン

成人の日の千駄ヶ谷を熱く揺らすのはどちらか
寒風吹き荒ぶ中、大会史上最多の6万142人が足を運んだMUFG国立競技場。
104回目を数えた高校サッカー選手権の優勝旗を懸けて戦うのは、
鹿児島県代表の神村学園と茨城県代表の鹿島学園。
神村学園が夏のインターハイとの2冠を達成するのか、
鹿島学園が、J1を制した鹿島アントラーズ、
J2を制した水戸ホーリーホックに続き、茨城旋風を巻き起こすか?
どちらが勝っても初優勝となる一戦は、14時5分にキックオフの笛が鳴った。

準決勝で出た課題はそのままにしない
プレミアWEST所属の神村とプリンス関東1部所属の鹿島ということで、
安直に神村が有利と予想出来る試合だけど、準決勝の尚志と神村の試合を見て、
意外と神村には隙があるんじゃないかと思っていた。
ところが、尚志が再三狙っていた神村の左SB・8番荒木の裏のスペースは、
この試合では6番堀ノ口がすかさずカバーしていて、鹿島に隙を見せない。
さらに、鹿島のストロングポイントである左サイドハーフの20番三浦のドリブルは、
神村の右SB、7番細山田がマンツーマン気味について抑え、
神村が鹿島のやりたいサッカーの封じ込めに成功する。
こうなると地力に勝る神村が先制するのも時間の問題で、
ロングフィードに抜け出した11番徳村のシュートは、
タイからやってきた鹿島の守護神・21番プムラピーにセーブされるも、
跳ね返りを13番日髙がペナルティエリアの外から左足で決め、前半19分に神村が先制。
その後、神村に訪れたPKのチャンスをプムラピーがセーブし、
鹿島に流れが傾いたかのように見えたのだけど、
ここまで守備で効いていた堀ノ口が、今度は豪快なミドルシュートを突き刺し、
前半だけで2点リードを奪うことに成功。
プムラピーのプレーは準々決勝から3試合見たけど、キックは飛距離が出て精度高いし、
長身を生かしたセービングやハイボールも安定していて良いキーパーだなと思っていた。
まだ高校2年生だから来年度も出場資格があるけど、より高いレベルを目指すのであれば、
鹿島学園と提携している鹿島ユースに転籍しても面白いんじゃないだろうか?
(そもそも鹿島学園→鹿島ユースへの転籍が可能なのかは知らんけど)

流れを渡さず最後に仕留める
2点ビハインドで後半を迎えた鹿島は、セットプレーから反撃を試みる。
後半7分、準々決勝で直接FKを決めている5番清水の正確な左足から、
9番内海がシュートを放つもポストに阻まれ、3番中川が詰めるも押し込むことが出来ず。
さらにその3分後にも清水のFKから中川がヘディングで合わせるも、
枠を捉えたシュートは神村の守護神・17番寺田が横っ飛びでセーブし、ゴールを割らせない。
このまま畳み掛けたい鹿島だったけど、
その後は神村に立て直されてしまい、試合は膠着状態に入ってしまった。
結果論だけど、上記のどちらか1本が決まっていたら、
鹿島に流れが渡って、この試合の結末は違うものになっていたように思う。
後半の途中からパワープレーに出た鹿島だったけど、
決定機に繋がったのは途中出場でピッチに入ったばかりの19番山田のシュートが、
枠外に外れた後半39分の場面ぐらい。
例年の神村であれば、DFラインに大きい選手が少ないので、
ロングボールが有効な攻撃手段だったりするのだけど、
今大会ではいわきへの入団が内定している5番中野がことごとく跳ね返していたね。
すると、前掛かりになった鹿島に一瞬の隙が生まれ、
鹿島の右サイドへの展開を荒木がカットした流れから前線に運ばれると、
最後は途中出場の10番佐々木がゴールネットを揺らし、勝負あり。
神村のサッカーって、小兵テクニシャンを揃えて、
ドリブルとショートパスでひたすら中央突破という印象が強かったけど、
今大会はフィジカルに長けた選手が多くて力強さを感じるチームだったね。
それに加え、準決勝で出た課題を修正しつつ、
相手の良さを消す策を授けた、有村監督の采配も見事だったと思う。
一方の鹿島は、準決勝の戦いぶりから決勝でもやれるんじゃないかと思っていたけど、
流経大柏との試合で燃え尽きてしまったのか、決勝では力の差が出てしまったね。

来たる105回目でまた会いましょう
斯くして神村学園の初優勝で幕を閉じた104回目の高校サッカー選手権。
近年、神村がU-18年代で残している成績を考えれば、
いずれ手にするタイトルだと思っていたし、来年度も優勝候補としてこの大会に出てくると思う。
ただ、国立まで勝ち進みながら優勝旗を手にすることが出来なかった尚志や流経大柏、
よもやの早期敗退を強いられた前橋育英や青森山田も、当然、このタイトルは狙っている。
今大会が終わったばかりで来年度の話をするのは気が早すぎるけど、
来年度もまた千駄ヶ谷で熱い冬を過ごせることに期待したいね。
神村学園3ー0鹿島学園
’19 日髙元
’39 堀ノ口瑛太
’90+2 佐々木悠太











