【明治安田J1リーグ20節 清水エスパルスvsガンバ大阪】乱打戦の結末がスコアレスドローという不思議

敵軍のサンバのリズムに乗せて反撃の狼煙を上げろ
試合を通じて優勢に試合を進めながら、決められるところで決め切れず、
序盤の失点が最後まで重くのしかかり、敗れたホームの鹿島戦から2週間、
ガンバ大阪は清水エスパルスとのアウェイゲームを迎えた。
この中断期間中に江川が古巣の長崎へ出戻ったけども、
ベルギー2部のモレンベークから加入した安部をスカッドに加え、
後半に向けて反転攻勢をかけたい青黒。
(本音を言えば移籍市場でもっと積極的に動いて欲しかったけど・・・。)
対戦相手の清水は、順位こそ9位とガンバよりも上だけど、
相性の良い日本平で勝利して順位を逆転させたいところだ。
一森純という最後の砦
ジメジメと蒸し暑い梅雨空のピッチに送り出された青黒のスタメン11人は以下の通り。

新加入の安部がさっそくボランチでスタメン。
前線は、1トップ宇佐美とトップ下満田という、
先月の川崎とのアウェイ戦と同じ組み合わせになったね。
対戦相手の清水は、エースの北川が負傷したことで、
元ガンバの矢島をCFで起用するなど、苦しい台所事情のように見えたけど、
北川のケガは軽傷だったようで、元気にスタメン出場してきた。
たまたまなんだろうけど、大迫と言い、レオ・セアラと言い、
負傷していた対戦相手の主力選手が、ガンバ戦から復帰してくるのは何なんでしょうかね?
その北川に、カピシャーバの左サイドからのクロスを合わされ、
あわや1点という場面を作られるも、ここは一森の好セーブで凌ぎ、失点を許さない。
対するガンバも、ウェルトンと山下の両翼を生かしてワイドな攻撃を展開するも、
2人とも突破するところまでは良いのだけど、
最後のプレーでミスるのは相変わらずで、なかなかシュートチャンスを作り出せない。
山下に関しては、清水の宿敵である磐田の下部組織出身という経歴に加え、
前半戦のパナスタでの試合で、山原にバックチャージを見舞って負傷させたことも相まって、
ボールを持つたびに清水サポーターからブーイングを浴びる人気者ぶりだったね。
新加入の安部も、低い位置からドリブルで前進してシュートを放つなど、
ネタ・ラヴィや鈴木徳真とはまた違うボランチのスタイルで、
ガンバの攻撃にアクセントを加えていた。
しかしながら、決定的なチャンスを作っていたのは清水の方で、
3バックと4バックのギャップを上手く使われてアタッキングサードまで運ばれ、
ガンバとしては再三「やられた!」と思うような場面を作られたけど、
ことごとく一森が立ちはだかり、スコアレスで前半を折り返し。
まあ、一森がすごかったのは事実だけど、
前半だけでも3回ぐらい「オフサイドじゃないの?」と思う場面があって、
中谷と福岡がメインスタンド側の線審にクレームを入れていたのは気になったけどね。

ボール支配率とシュート数で勝敗を決める競技ではない
お互いにハーフタイムで15分休憩したはずなのに、
後半キックオフ直後からまるで試合終盤のような、
ひっきりなしにボールがピッチを左右に行き交うオープンな試合展開。
どちらにゴールが決まってもおかしくないクジ引きのような展開で、
ゴールネットを揺らしたのはホームチームで、左サイドのカピシャーバのクロスを、
ファーから飛び込んだ北川に合わされてしまった。
ただこれに関しては、VARのOFRの結果、
北川の手に当たってゴールに入ったということで、ノーゴールの判定に。
(ゴールを決めた北川が全然喜んでなかったから、取り消されるのはわかってたのかもね)
膠着状態を打破すべく、安部、満田、ウェルトンに代えて、
鈴木、ヒュメット、アラーノの3枚替えを敢行。
すると、そのヒュメットに、
カウンターで抜け出して左サイドからカットインという得意パターンでの決定機が訪れるも、
住吉のブロックに遭いゴールならず。
こういう場面で決めて欲しくて高い移籍金を払って獲得したんだから、
そろそろ投資の回収を始めたいところなんだけどね。
対する清水の秋葉監督も、選手交代で状況を打破しようとしてきたけど、
執拗にDFラインの裏を狙ってくる北川と、
サイドで違いを見せていたカピシャーバがベンチに下がってくれたのは、
ガンバとして正直助かったように思う。
そうは言うものの、その後もガンバのゴールを脅かされる場面はあったけど、
後半になっても一森の確変は続き、先月の浦和戦以来のクリーンシート達成。
ただ、肝心の攻撃陣は、ボール支配率で上回りシュート16本を放ちながらも、
鹿島戦に続き無得点に抑えられてしまい、
スコアレスドローで勝ち点1という結果になってしまった。

内弁慶同士の対決なのにホームで負けられない
これで公式戦6試合勝ち無しとなったガンバの次節の試合は、ホームでのFC東京戦。
残留争いを強いられている今季のFC東京だけど、
10日間だけオープンした移籍市場で、室屋、長倉、ショルツといった実力者を獲得するなど、
どこかの元施設管理部長と違って、現状への危機感が感じられる。
ただ、今節のピンクとの試合で室屋がさっそくスタメン出場する一方で、
長倉は選手登録の期限に間に合わなかったのは我々にとって幸運かもしれない。
(ショルツは登録できたんだろうか?)
とは言え、いい加減勝っておかないと残留争いに巻き込まれかねないので、
相性が良いホームのFC東京戦では、安部の古巣への御礼参りに期待しつつ、
3失点を喫して敗れた新国立での借りを返して順位を浮上させたいところだ。
清水エスパルス0−0ガンバ大阪