【明治安田生命J1リーグ35節 大分トリニータvsガンバ大阪】聖パトリックが残留争いに終止符を打つ
望まぬ戦いから抜け出そう
前節で川崎の4度目の優勝が決まったので、
2021年のJ1リーグの照準はACL出場権争いとJ1残留争いにシフト。
不本意ながらJ1残留争いに身を置いている我らがガンバ大阪だけど、
今節の大分戦で勝利すればJ1残留が決定。
とは言え、前節終了時で18位と、残留争いにどっぷり浸かっている大分は、
是が非でもこの試合で勝ち点3を欲しているはず。
そういう崖っぷちに立たされている相手と相対する難しさは重々理解しているつもりだけど、
大分に勝利して1日も早く望まない戦いから抜け出したいところだ。
マリノス戦の続きがやりたいわけじゃない
J1残留を決めるべく昭和電工ドーム大分のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。
右SBが柳澤から髙尾に代わっただけで、残りの10人は前節のマリノス戦と同じ顔ぶれ。
マリノス戦で腰を強打して前半で交代になった藤春に関しては、
この試合の出場は厳しいんじゃないかと思っていたけど、
スタメンで起用してきたところを見ると大事には至らなかったみたいね。
前節のマリノス戦は相手に完全に主導権を握られる展開だったので、
この試合はガンバがボールを持てる時間を長く出来ればいいなと思っていたのだけど、
残念ながらマリノス戦の続きを見ているかのような試合展開に。
4−4−2の布陣を敷くガンバに対し、大分の布陣は3−4−2−1なので、
必然的に生じてしまうマークのズレを生かしてボールを回されてしまったね。
それでもなんとか失点せずに時計の針を進めていたのだけど、
前半28分に藤春が見事なヘディングシュートを決めて試合の均衡が破れる。
左サイドからのクロスを大分の選手の前に上手く入って決めたゴールだったけど、
残念だったのは東口が守っている側のゴールに決めてしまったことか。
久しく見てなかった藤春のポカがこのタイミングで出たことに、
少なからずガッカリしたところはあるのだけど、
その1分後にパトリックがゴールを決めて試合を振り出しに戻したことで、
藤春のポカを帳消しにすることが出来たのが不幸中の幸いだったね。
このままタイスコアで前半を折り返して、
ハーフタイムで修正を図りたいなと思っていたのだけど、
東口がアンダーハンドで出したパスを大分の選手にカットされた流れから、
湘南在籍時代にパナスタで見事なミドルシュートを決めている下田にシュートを打たれると、
東口の前で呉屋が胸でシュートコースを変えてボールはゴールマウスへ。
かつて在籍した選手にゴールを決められるというガンバのお家芸が披露されたところで、
1点ビハインドで前半を折り返すことになってしまった。
パトリック、ハットトリック
前半を低調なパフォーマンスで終えたガンバは、
ラフプレーで不要なイエローカードを貰うなど、
精彩を欠いていた髙尾に代えて故障明けの昌子を投入。
さらに、マークすべき選手を明確にするという意図だったのか、
布陣も4−4−2から大分と同じ3−4−2−1に変更してミラーゲームを挑んできたね。
ところが、久しく3バックを使っていなかったせいで守り方を忘れていたのか、
後半の入りはバタバタして大分に何度もチャンスを作られる始末。
大分は後半頭から渡邉新太に代えて長沢を投入していたので、
ハットトリックで盛大に恩返しされた、
昨季のパナスタでの仙台戦の悪夢が頭をよぎってしまったけど、
次にゴールネットを揺らしたのはガンバ。
当たり損ないの倉田のシュートがパトリックの前に転がると、
これをパトリックが押し込んで、再びスコアを振り出しに戻すことに成功。
後半8分という早い時間帯だったので、この勢いで逆転といきたいところだったのだけど、
その後何度か訪れた決定機も宇佐美が決めきることが出来ず、
試合時間は残り10分を切ってしまう。
このまま引き分けもあるかもなと思っていたら、
ボールを持った山見が長い距離をドリブルしてシュートを放つと、
シュートブロックに行った大分の刀根の手にボールが当たり、ハンドの判定でPKを獲得。
このPKをパトリックが決め、この試合で初めてガンバがリードを奪うことに成功。
トリプレッタを達成したパトリックの働きはもちろん見事だったけど、
ハンドを誘発した山見のドリブルも見事だったね。
後半20分に倉田との交代でピッチに入っていた山見だけど、
やりたいプレーが宇佐美と被るせいか、
宇佐美がピッチにいる間は良い形でボールを触る場面が少なかったけど、
後半31分に宇佐美が小野瀬との交代でピッチを退いてから、
パトリック、小野瀬、山見の3人で役割分担がはっきりして、
プレーしやすくなったように見えたね。
大学のサッカー部の試合の関係で久しぶりの出場になった山見だけど、
日本平での清水戦やヨドコウでのセレッソ戦で決めたゴラッソは今でも鮮明に思い出せる。
ガンバの今シーズンは名古屋戦、川崎戦、湘南戦の3試合を残すのみとなったけど、
今年のうちにもう一度あの美しい軌道のミドルシュートを見たいね。
今日の敵は明日の友?
なんだかスコアラーを見る限り5−0でガンバが勝ったようにも見えるけど、
1点リードをしぶとく守って逃げ切り、2022年シーズンもJ1で戦うことが決定。
シーズン序盤にチーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生して、
チーム活動休止に追い込まれるなど、苦しいシーズンではあったけど、
本来はこんなことで喜んでいていいチームじゃないと思うので、
来季はもっと上の順位でフィニッシュしてほしいね。
そう言えば、先日、大分の片野坂監督が、
来季はガンバの監督に就任するというニュースが出ていたけど、
その後どうなっているんだろうか。
もし片野坂監督がガンバに来るなら大きな補強だと思うので楽しみに待ちたいと思うけど、
小野社長のことだから、「J1に残留させたことを評価する」とか言って、
松波監督が続投するシナリオもありそうな気がするんよな。
それだけはちょっと・・・
大分トリニータ2−3ガンバ大阪
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