【明治安田J1リーグ21節 ガンバ大阪vsFC東京】攻守の千両役者が導いた6試合ぶりのリーグ戦勝利
”青黒の安部柊斗”の活躍に期待
ミッドウィークに行われた天皇杯の2回戦でヴィアティン三重を破り、
7試合ぶりの勝利を挙げたガンバ大阪。
今節の対戦相手のFC東京は、残留争いを強いられた前半戦の反省から、
6月の移籍市場で、室屋、キム・スンギュ、長倉、ショルツといった実力者を獲得するなど、
後半戦の反転攻勢に向けて戦力を揃えている。
対するガンバは、6月の移籍市場で獲得した選手は安部柊斗1人だけだったけど、
その安部にとってこの試合は古巣対戦。
いつもはかつての所属選手に恩返しばかりされているガンバだけど、
この試合では背番号13の御礼参りでホームで勝利を飾り、
アウェイスタンドに詰めかけた青赤のサポーターを沈黙させてほしいところだ。
先制点をもたらした青黒の至宝の一撃
緑が嫌いなチームとの試合で、
来場者に緑のマッチデイシャツを配ったガンバのスタメン11人は以下。

前節の清水戦から満田がOUTで、ヒュメットがIN。
どういう巡り合わせか、パナスタデビュー戦が古巣との対戦となった安部は、
さっそく橋本からエルボーを食らったかと思えば、
その次は東にユニフォームを引っ張られるなど、かつての戦友たちから手荒い歓迎を受ける。
(東の手グセの悪さは相変わらずですな・・・)
そんなFC東京相手にガンバは前半10分までに10本を越えるシュートを浴びせ、
ゴール前の混戦から宇佐美が決定的なシュートを放つ場面を作るものの、
室屋の体を張ったブロックに阻まれ、先制ならず。
対するFC東京も、4月の国立での対戦時に1人でカウンターを完結した俵積田が、
左サイドからカットインしてシュートを放つも、
「小僧、調子に乗りすぎやぞ」とばかりに、一森がパラドンで凌いで失点を許さない。
試合の入りからかなりオープンな展開が続いていたので、打ち合いになりそうだな、
と思っていたのだけど、前半15分を過ぎた頃ぐらいからお互いにペースを落とし、
それまでの展開が一転してスローテンポに。
そんな中で、安部が東からファウルを受けてFKを獲得すると、
このFKを我らが青黒の至宝・宇佐美貴史が直接叩き込んで、前半33分にガンバが先制。
まあ、宇佐美がスーパーであることは間違いないけど、
DAZNのゲスト解説に来ていた丹羽大輝が指摘していたように、
宇佐美相手にFKの壁を1枚しか置かなかったのは、さすがに舐め過ぎだったね。
その後、FC東京にも宇佐美が決めた位置と同じような位置からFKの場面があったものの、
遠藤のFKは枠を外れ、1点リードでハーフタイムへ。
ここまではFC東京の攻撃陣を上手く抑えることができているけど
1点リードだと何があるかわからないので、後半に追加点が欲しいところやね。
歓喜は試合の最後にもう一度
後半に追加点を奪いたいガンバだったけど、後半開始早々に大ピンチ到来。
佳史扶のFKの流れからの混戦で中谷がクリアを試みたところ、
木本の脚を蹴ってしまい、PKを献上してしまう。
これを決められると流れを持って行かれかねないという状況だったけど、
マルセロ・ヒアンのPKを一森がセーブし、難を逃れることが出来た。
一森が動き出すのが早かったので、
上手いキッカーだったら逆を取られてしまいそうなPKではあったけど、
VARのチェックが入っている間もPKになることを想定して準備する姿に、
堅守を誇った昨シーズンの一森が戻ってきたように感じて頼もしかったね。
その後、ガンバは山下とネタ・ラヴィに代えて鈴木徳真とアラーノを投入したのに対し、
FC東京は遠藤、俵積田、東に代えて安斎、長倉、佐藤恵允の3枚替えを敢行してきたけど、
試合の流れは変わらず、試合は終盤へ。
「追加点は奪えなかったけどこのまま逃げ切れそうだな」なんて思っていたら、
後半アディショナルタイムに入ったところで、
福岡のヘディングのクリアが手前にいた仲川に当たってしまい、
その流れからゴール前に進入された時はヒヤッとしたけど、
ここも一森が仲川のクロスを完全に読み切って失点は許さず。
すると、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、
後半アディショナルタイムも残りわずかという時間帯に、
アラーノのミドルシュートのこぼれ球を岸本が左足で見事なコースに蹴り込み、勝負あり。
相変わらずオンザボールでの働きは望み薄な岸本だけど、湘南戦でも見せたように、
空いているスペースにきっちり走り込んでいるのがこの選手の良さだよな、
というのを再認識させるゴールだったね。
これでガンバは5月6日の浦和戦以来、1ヶ月半ぶりのリーグ戦勝利。
最後に、この試合は審判交流プログラムで来日している、
ロバート・ジョーンズ主審が笛を吹いていたけど、
審判交流プログラムってもう何年も実施しているのに、
日本人の審判のレベルがちっとも向上していないように思えるのは僕だけですかね?
恩返し大好き男に恩返しさせるな
この試合を落とすと残留争いに巻き込まれかねないという試合で、
勝ち点3を挙げたガンバの次節の対戦相手は京都サンガ。
シーズンを折り返してもなお、リーグで5位につけ、
クラブ史において最も良い時代を過ごしていると言っても過言じゃない京都だけど、
トップハーフに返り咲くためにも叩いておきたい相手だ。
京都は、絶対的エースのラファエル・エリアスが戦線を離れている代わりに、
”古巣相手に絶対ゴールを決めるマン”の長沢が好調のようだけど、
中谷の今節のPK献上の借りを返すようなパフォーマンスで封じ込めてもらって、
亀岡の地で連勝といきたいところだ。
ガンバ大阪2ー0FC東京
’33 宇佐美貴史
’90+3 岸本武流