【明治安田J1リーグ22節 京都サンガvsガンバ大阪】いくら暑くても冷や水を浴びせられるような試合は見たくありません

もう恩返しはお腹いっぱいです

前節、キャプテン宇佐美のスーパーFK弾と、
後半アディショナルタイムの岸本のゴールでFC東京を降したガンバ大阪は、
中5日で京都とのアウェイゲームに臨んだ。

現在首位の鹿島と勝ち点6差の6位と、ガンバよりも上位につけている京都だけど、
京都には4月にパナスタで勝利を収めているので組みし難い印象は無い。

古巣との対戦に強い長沢が好調なのが気がかりだけど、
勝利でトップハーフに殴り込みをかけるとともに、
7月5日の大阪ダービーに向けて弾みをつけたいところだ。

京都対策がハマらず自分たちがドツボにハマる

アウェイゴール裏の緩衝帯が意味をなさないほどのガンバサポーターが押しかけた、
サンガスタジアムのピッチに送り出されたガンバのスタメン11人は以下の通り。

前節のFC東京戦から山下とラヴィに代わり、満田と鈴木が入った。

メンバー表を見ただけだと満田がどこに入るのかわからなかったのだけど、
蓋を開けてみたらウェルトンを右に回して左に満田という形だったね。

FC東京戦の良い流れをこの試合に持ち込みたいところだったけど、
そんな思いとは裏腹に劣勢の展開。

京都の寄せの速さに怯んでビルドアップがままならず、苦し紛れにロングボールを蹴らされ、
蹴り合いの展開に持ち込みたい京都の土俵に上がってしまうと、
前半の早い時間に負傷した米本との交代でピッチに入ったばかりの平戸から、
マルコ・トゥーリオにスルーパスを通されてしまい、前半17分に先制点を献上。

さらにその8分後には、平戸のCKからニアでトゥーリオに逸らされると、
このシュートがそのままゴールに入って前半で2点ビハインドを背負うことに。

京都の前線には長沢と原という2人の190cm越えのFWがいるので、
どうしても高さを警戒してしまうところだけど、1失点目の場面での中谷の対応ように、
この日の京都は、ガンバの選手たちが長沢と原に食いついたところで生じるスペースを、
トゥーリオに使わせる形でガンバの守備陣を攻略してきたね。

まあ、2失点目に関しては、ニアポストに立っていた宇佐美が、
もう少しトゥーリオに対して強く行って欲しかったけども・・・。

反撃に出たいガンバだけど、満田を左サイドに入れた狙いが全く見えず、
さらに右サイドのウェルトンも対面の佐藤響に封じられてしまい、
前半のガンバのチャンスらしいチャンスは、ヒュメットが個人技で持ち込んだシュート1本のみ。

結局、前半を2点ビハインドで折り返すことになったけど、
一森のセービングが無かったらあと2、3点取られててもおかしくない試合展開だったので、
前半で選手交代のカードを切って修正をかけても良かったんじゃないだろうか・・・。

個の力だけで獲れるゴールの数なんて限られている

2点を追うガンバは、後半頭から黒川と鈴木に代えて岸本とラヴィを投入。

鈴木は完全に京都のインテンシティの高さに飲み込まれていたので、
交代もやむなしだと思うけど、満田を置いたことで攻守に機能しなくなった左サイドで、
1人気を吐き、個での打開を試みていた黒川の交代は理解できなかった。

さらに、この交代により、守備時は右から岸本、半田、中谷、福岡の4バックで、
攻撃時には岸本が右のWBに上がって3-1-4-2のような形になる、
今まで見たことがない可変型の布陣にしてきた。

機能するのか半信半疑だったけど、初見殺しの効果はあったようで、
後半が始まってしばらくはガンバがボールを持つ時間を作れたのだけど、
5分も経たないうちに対策されてしまう。

ガンバの左サイドでボールを受けた原に福岡が食いつくと、
スライドを怠った中谷との間に出来たスペースをトゥーリオと福田に攻略されてしまい、
嘘のようにあっさりとゴールネットを揺らされてしまった。

3点ビハインドになったガンバは、後半も半分が過ぎようかという時間帯になって、
ようやく宇佐美とウェルトンに代えてジェバリと山下を投入したけど、
既に試合が決まった状況で2人を投入して一体どうしろと?

ただそれでも、後半38分から投入されたアラーノも含め、
途中投入された選手たちが現状を打開しようとトライし続ける姿には、
どうしようもない試合の中でも救われた感じがしたけどね。

後半終了間際に決まったジェバリのゴールは、
そんなトライし続けた姿勢が報われたような場面だったけど、
ポヤトスが目指すサッカーとは程遠い、完全にジェバリの個の力によるゴールだった。

結局、試合は3-1で敗戦。

ポヤトス体制以降も完敗した試合は何度も見てきているけど、
この試合に関しては、ポヤトスの限界を見たような試合だったと思う。

とは言え、あれだけ崩壊していたガンバに自らのメソッドを植え付け、
立て直してくれた恩もあるし、人柄も良い監督なので、
タイトルを獲らせてあげたいという気持ちもあるんだけど、
なんとか手の平を返させてくれないものだろうか。

来週のダービーは闘い極めろ

大阪ダービーに向けて弾みがつく試合にする予定が、
思いっきり冷や水を浴びせられた状態で長居に向かうことになってしまった。

待ち受けるピンクは、6月の6試合で17得点を挙げるなど攻撃陣が好調なので、
この試合のような緩い試合をしていると3失点ではすまないだろう。

ただ、そうは言ってもダービーなので、
青黒の漢達はこの1週間でもう一度ファイティングポーズをとって、
ホームで5失点を喫して大敗した開幕節の借りを返してくれると信じています。

京都サンガ31ガンバ大阪
’17 マルコ・トゥーリオ
’25 マルコ・トゥーリオ
’52 福田心之助
’88 イッサム・ジェバリ