【明治安田J1リーグ12節 FC東京vsガンバ大阪】もはや鬼門と化した千駄ヶ谷

昨年の新国立での苦い記憶を払拭せよ
強風の三ッ沢で某山田と決着を着け損なったガンバ大阪は、
戦いの場を千駄ヶ谷に移し、FC東京とのアウェイゲームの日を迎えた。
鬼門・味の素スタジアムでの試合と比べれば、
国立競技場にはそこまで嫌なイメージは無いけど、
昨年の天皇杯決勝然り、まだガンバは新しい国立競技場では勝利したことが無い。
一方、FC東京は新国立でのホームゲームは負けなしで、
”国立不敗神話”なんて言われているみたいだけど、
3年間ホームで負けなしだった鹿島が京都にショッキングな逆転負けを喫したり、
その鹿島が岡山の今季ホーム無敗を止めたりと、
記録が途切れる時は得てしてあっけないもの。
リーグ戦8試合勝ち無しと調子を落としているFC東京だけど、
我々もよそのチームのことを言えるほど良い状態ではないので、
ハードワークで勝ち点3を手にしたいところだ。
飯田淳平が守った青赤のゴール
ゴールデンウィークを前にしてどことなく浮ついた雰囲気の金曜日の夜に、
国立競技場のピッチに立った青黒の戦士は以下の11人。

日曜日の横浜FC戦からボランチが倉田に代わって美藤が入っただけで、
残りの10人は同じ顔触れ。
ベンチには日立台での柏戦以降、
コンディション不良でメンバーから外れていた宇佐美が戻ってきたね。
”困った時の倉田秋”と言えば聞こえはいいけど、
横浜FC戦でビルドアップが上手くいかなかったところを見て、
やはり”餅は餅屋”だなと思ったので、美藤には期待していたのだけど、
この日のガンバの攻撃もジェバリと山下目掛けてロングボールが飛んでいくばかりで、
名古屋戦で見られたようなパスワークは影も形も見えず。
それどころか、中谷と福岡の間に落ちて半田のパスを受けた美藤が、
痛恨のロストを犯してマルセロ・ヒアンにあわやというシュートを放たれるなど、
スタメン定着のためにアピールするどころか悪目立ちするばかり。
この試合展開に、結局ネタ・ラヴィ不在を嘆くことになるのだけど、
過去2シーズンから、ラヴィの稼働率が悪いのなんて周知の事実なのに、
名古屋戦と水戸戦にフル出場させたのは、マネジメントのミスとしか言いようがないね。
その後も、遠藤、小泉、佐藤恵允と立て続けにシュートを浴びるも、
筑波大学カラーのGKユニの一森の好セーブもあり、なんとか失点せずに持ち堪える。
すると、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、
鈴木徳真のロングフィードに抜け出した半田がマイナスのクロスを送ると、
このクロスを受けたジェバリが美しい弧を描くループシュートを放ち、
ゴールネットを揺らしてみせた。
ところが、このゴールはジェバリがループシュートを放った時、
オフサイドポジションにいた半田が安齋をブロックしたとして、
VARのOFRの結果、ノーゴールの判定になってしまう。
このゴールがオフサイドと言うのなら、
これまでマイナスのクロスから決まった得点は結構な数が取り消されると思うんだが、
FC東京の国立不敗神話を継続させるために
何か特別な力が働いたんじゃないかと勘ぐってしまうような判定だったね。
気を取り直して再び野澤が守るゴールに迫りたいガンバだけど、
今のガンバに何度もゴールネットを揺らすことが出来る火力があるわけもなく、
結局、スコアレスでハーフタイムを迎えることになった。

選手交代でパワーダウンを重ねた末の悪夢
後半の立ち上がりに、満田のFKからジェバリがシュートを放つなど、
良い後半の入り方が出来たように思えたのだけど、
しばらくするとまた守勢の試合展開を強いられるガンバ。
そんなガンバに畳み掛けるべく、敵将の松橋力蔵が、
東、北原、長友に代えて高、俵積田、白井の3枚替えを敢行したのに対し、
ポヤトスはアラーノに代えてリーグ戦3試合ぶりの出場となる宇佐美を投入。
新国立に詰めかけた多くのガンバサポーターがver2024の宇佐美を期待したけど、
残念ながらこの日のピッチにいたのはver2023の宇佐美。
後半25分からの出場にも関わらず誰よりも運動量に乏しく、
ボールを持ってもコネて攻撃をスローダウンさせるだけで、
全くゲームチェンジャーとしての役割を果たせず。
そんなパフォーマンスが上がらないガンバを尻目に、
左サイドの低い位置でボールを受けた俵積田がドリブルを開始すると、
近くにいた鈴木徳真が足を滑らせてプレッシャーに行き損ねる間に、
瞬く間に自陣に進入されてしまい、遂には中谷と岸本もペナルティエリアでかわされ、
ゴールネットを揺らされてしまった。
俵積田に髙尾がブチ抜かれて決められた、一昨年の味スタのデジャブのような失点は、
これまでなんとか持ち堪えていた守備陣が瓦解するには十分すぎる一撃だった。
1点ビハインドになったガンバは、満田に代えてヒュメットを投入し、
残り時間が少ないながらも逆転を目指して攻勢に出ようとするも、
ガンバに入って欲しかった2得点は相手に入るという、
悲しくなるほどのヒュメットの逆神ぶり。
ウェルトンがいないから、ラヴィがいないから、ダワンが移籍したから
・・・と、言うけど、ポヤトスが就任して3年目なのに、
特定の選手がいないとやりたいサッカーが何も出来ないなんて、
他の選手は普段の練習で何やってるんですかね?
結局、後半40分までの塩試合が嘘のように、3点差がつくワンサイドゲームで決着。
昨季の新国立での苦い記憶を払拭するどころか、
閉じかけていた傷口が受傷前より広がるショッキングな敗北に、
新国立が鬼門になりそうな予感すらしてきたね。

真っ黒なゴールデンウィークにはしたくない
大型連休の初戦を大敗でスタートさせたガンバの次節の試合は、
ホームでの京都サンガ戦。
Jリーグ参入初年度に17連敗という衝撃的な成績を残した京都を知っている身としては、
J1で首位に立っている現在の京都を見ると隔世の感があるけど、
そんな強敵の京都相手にも勝ち点を挙げていかないと、
下手したら残留争いに巻き込まれかねない。
長らく戦線を離れていたウェルトンの復帰も近づいているみたいだし、
中3日で出来る限りチーム状態を良い方向へ持っていきたいところだ。
FC東京3ー0ガンバ大阪
’86 俵積田晃太
’90 高宇洋
’90+5 オウンゴール