【全国高校サッカー選手権大会 1回戦 帝京大可児vs興國】ついに選手権初勝利を挙げた大阪のブラウグラーナ

拮抗した試合を見たいとのことで等々力へ

徳島市立の大勝で幕を開けた104回目の高校サッカー選手権は、この日が1回戦。

青森山田と大津が登場するフクアリに行くことも考えたけど、
高円宮杯プレミアリーグに所属している高校が、
下位リーグの高校相手に一方的な試合をするのを見てもな・・・と思い、
帝京大可児vs興國という実力伯仲のカードが組まれている等々力へ。

バックスタンドに陣取った両校の応援団がスタジアムを盛り上げる中、
12時5分に1回戦のキックオフの笛が鳴った。

似ているのはボールを持つチームということだけ

興國のセカンドユニがピンクのため、
ホーム扱いの帝京大可児が赤色のファーストユニではなく、
視認性を上げるべく白のセカンドユニを着用して行われた一戦。

帝京大可児と興國は両校とも自分たちでボールを持つスタイルとの触れ込みだったけど、
帝京大可児は前線の4人が近い距離を取ってコンビネーションで崩すスタイルの一方、
興國はウイングが幅を取ってスペースを攻略するスタイルで、
あまり似たスタイルだと思わなかったね。

序盤、試合の主導権を握ったのは興國で、
2番松岡、6番菅井、8番水野がテンポ良くパスを繋いでウイングに届け、
アタッキングサードでは突破力に優れた11番安田と17番田中がチャンスを作り出す。

対する帝京大可児は、序盤は興國の寄せの速さを前に、
苦し紛れに前線にロングボールを蹴らされる場面が多かったけど、
徐々に興國の強度に慣れたのか、試合の中盤は持ち前のパスワークが見られ、
興國陣内に進入する回数を増やして互角の展開に持ち込む。

ただ、ゴール前で手数をかけ過ぎてシュートチャンスを逸している場面が多かったのと、
高さでは興國に分があるにも関わらず、
セットプレーやロングスローであまり工夫が見られなかったね。

結局、スコアレスで前半を折り返すことになったけど、
ハーフタイムで両校の指揮官がどのような策を授けるのか見物といったところ。

殊勝の2得点で試合を決めた右の翼

両校とも前半と同じ11人をピッチに送り出した後半。

選手だけでなく戦い方も変えなかったようで、
前半から引き続きがっぷり四つの試合展開が続く中、試合を動かしたのは興國。

田中が左サイドを突破して折り返した流れからゴール前で混戦が生まれ、
最後は安田が押し込んで後半17分に興國が先制に成功。

帝京大可児は最初のシュートをゴールライン上でブロックしたところまでは良かったけど、
その後溢れた場所が悪かったね。

先制を許した帝京大可児は3枚替えを敢行して反撃に出るも、
試合の主導権は先制して勢いに乗る興國。

右サイドを突破した安田が角度の無いところから放ったシュートが、
DFの足に当たってループシュートのような軌道になり、そのままゴールの中へ。

帝京大可児としては1点目に引き続きアンラッキーな失点だったけど、
あそこまでコースを限定出来ていたなら下手に足を出さなかった方が良かったかもね。

高校生は試合をクローズするのが下手なので、
試合終盤に2点差を追いつかれる試合も割とあったりするのだけど、
この日の興國にその心配は不要だったようで、
きっちりと試合をコントロールして試合をクロージング。

開会式でのカニ歩きで話題になった帝京大可児だったけど、
試合前の記念撮影で千羽鶴ならぬ千羽ミャクミャクを引っさげた興國に、
試合でも話題性も上回られた一戦だったね。

大晦日に実現する竜虎決戦

関東の各地で行われた1回戦は特に波乱は無く、強豪校が順当に勝ち上がった印象。

これにより大晦日にフクアリで行われる2回戦で、
青森山田vs大津という2回戦で見るには勿体なさ過ぎるカードが実現してしまった。

さらにその日は第一試合に米子北vs流経大柏という好カードも組まれているので、
大晦日の蘇我は多くの人が集まるだろうね。(自分もその1人になる予定)

どちらがベスト16に進むにしろ高校年代最高峰の一戦を楽しんで、
清々しい気持ちで2026年を迎えたいね。

帝京大可児0興國
’57 安田光翔
’63 安田光翔