【全国高校サッカー選手権大会 開幕戦 早稲田実業vs徳島市立】年の瀬の千駄ヶ谷に紺碧の空が響くも時すでに遅し

今年も千駄ヶ谷から始まる熱い冬
PK戦までもつれ込む歴史的な名勝負の末、
前橋育英が流経大柏を降して2度目の戴冠を果たした103回大会の決勝から1年、
今年も高校サッカー選手権の季節が訪れた。
まさか選手権の選手宣誓で大谷翔平の名前を聞くことになるとは思わなかったけど、
大谷の出身地である岩手県代表の専大北上高校の吉池主将の宣誓は、
「この大会から世界で戦う選手が多く生まれることを期待する」という内容で、
落ち着いた口調でとても聞き取りやすかったと思う。
(吉池主将本人は東京出身らしいけど・・・)
日本独自の文化として発展し、
今や海外からも注目されるようになった高校サッカー選手権というコンテンツは、
104回目を数える今大会でどのような1ページを歴史に刻むだろうか。

先にミスをした方が負ける・・・とは限らない
開会式の後に行われる開幕戦の対戦カードは、
東京都B代表の早稲田実業と徳島県代表の徳島市立の対戦。
早実は初出場だった2年前も開幕戦で広島国際学院と対戦したけど、
0-2で初戦敗退してしまったので、今大会こそ初勝利を挙げたいところ。
とは言え、東京都2部リーグ所属の早実とプリンスリーグ四国所属の徳島市立では、
徳島市立の方が地力で勝るだろうなと思っていたのだけど、
開幕戦の独特の緊張感と早実の応援団の圧力に気圧されたのか、
序盤からミスが続く徳島市立のDF陣。
ただ、このミスを早実が得点に繋げられずにいると、
皮肉にも早実の最初のミスが失点に繋がってしまう。
早実の4番小島が右サイドでクリアを試みたボールが、
前にいた徳島市立11番逢坂に引っかかってしまうと、
ドリブルでカットインした逢坂のパスを受けた9番芳田がゴールネットを揺らし、
前半36分に徳島市立が先制。
これまで5バックで手堅く守っていた早実は、
先制を許したことで前に出ざるを得なくなったわけだけど、
一方の徳島市立は先制したことで緊張がほぐれたのか、
前に出てくる早実の裏を突いてカウンターを何度も発動するなど、
プリンスリーグ所属チームの実力を発揮。
結局、前半はウノゼロで折り返すことになったけど、
ハーフタイムで修正をかけられないと後半に徳島市立が得点を重ねそうな試合展開だったね。

徳島市立のゴールラッシュ終演後に響いた紺碧の空
早実の森泉監督は、ハーフタイムで15番居相に代えて19番篠田を投入し、
2トップの一角を入れ替えてきた。
ただ、次のゴールを奪ったのは前半と同じ11人をピッチに送り出した徳島市立。
左サイドのタッチライン際でFKを得ると、
ゴール前に送られたボールにCBの3番柏木がヘディングで合わせ、
後半2分で徳島市立に追加点。
その後も徳島市立ペースで試合が進み、
後半15分にも左サイドからのクロスに東海林が飛び込んで3点目。
さらに後半33分には、10番平尾が右サイドからあげたクロスを、
ファーサイドで待ち構えていた15番山本が見事なボレーシュートを叩き込み、
ゴールラッシュを締めくくり。
4点リードしたことで、徳島市立の河野監督は、2回戦を見据えてか、
芳田、平尾、牛尾、東海林といった主力をベンチに下げる余裕の采配。
ただ、早実も地元開催の開幕戦でやられっぱなしというのはプライドが許さなかったようで、
試合終了間際に怒涛の攻撃を仕掛けると、
スルーパスを受けた10番霜田がゴールネットを揺らす。
一矢報いて、紺碧の空を高らかに歌い上げる早実の応援団。
2大会前の広島国際学院戦では無得点に終わったため、
これが選手権で初めて歌われる紺碧の空だったわけだけど、
次回は勝ち試合でこの早稲田の伝統の応援歌を聞いてみたいものだね。

緑の優勝旗の次の行き先は?
斯くして熱戦の火蓋が切って落とされた104回目の高校サッカー選手権。
高円宮杯プレミアリーグが創設されて以降、
力のある高校が順当にこの大会を制する傾向が続いているけど、
前回大会では優勝候補と見られていた青森山田や大津が早期敗退するなど、
1年毎にチームの3分の1が入れ替わる高校スポーツで、
チーム力を維持することは容易ではない。
104回目を数える今大会では、優勝候補とされる高校が順当に緑の優勝旗を持ち帰るのか、
それとも101回大会の岡山学芸館のようなダークホースが現れるのか、
今年も年末年始は高校生の熱い戦いにワクワクさせてもらいましょう。
早稲田実業1ー4徳島市立
’36 芳田翠
’42 柏木優一朗
’55 東海林蓮
’73 山本崇斗
’80+3 霜田優真













