【全国高校サッカー選手権大会 準決勝 瀬戸内vs流経大柏】嗚呼、予定調和
あえての第2試合
12月30日に始まった高校サッカー選手権もついに準決勝。
第1試合が3-3のタイスコアでPK戦までもつれ込む大熱戦だったにもかかわらず、
あえて第2試合のことを書く僕はつくづくひねくれていると思う。
そんなひねくれ者の僕の今大会は、前回大会の優勝校である前橋育英が入っている
トーナメントのブロックを中心に観戦していたので、
ベスト4に進出したとは言え、まだ瀬戸内のサッカーを見たことが無かった。
報道で知る限りだと、ディフェンスラインから丁寧に繋ぐ
パスサッカーを志向しているとのことだったので、
少なからず瀬戸内に対する期待値は高かったのだけど、
この試合ではそんなパスサッカーの片鱗を見ることも叶わなかった。
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スタイルの相性
昨年の11月の選手権千葉県大会の決勝後のブログにも書いたように、
流経大柏は無骨なチームである。
【全国高校サッカー選手権千葉県大会決勝】絶対に負けられない相手はすぐ近くにいる
観客を魅了するような華やかさは無いが、フィジカルと走力を武器に、
冷徹な殺戮マシーンのように対戦相手を退けてしまう。
そんな流経大柏の代名詞である愚直なまでのハイプレスにとって、
後ろからビルドアップをする瀬戸内は格好の餌食である。
実際、この試合での流経大柏のハイプレスは、
体格差で瀬戸内を上回ったことも手伝って、瀬戸内のビルドアップを完全に封じていた。
ハイプレスの対抗策として語られることが多いのが、相手を前に食いつかせておいて、
ロングボールでハイプレスを無効化するというものだけど、
この試合で瀬戸内が見せる前線へのロングボールは”蹴らされている”ものばかり。
そんな意図の無いロングボールは、
鹿島への入団が内定している関川をはじめとした強固なDF陣に造作も無く跳ね返され、
チャンスに繋がる気配も無かった。
それこそ第1試合でハットトリックを決めた尚志の染野のように、
前線で収められるFWがいればまた違ったのだろうけど、
そもそも瀬戸内がパスサッカーを始めた理由が、
前線にボールを収められるFWがいなかったというものだったことからも、
この試合で瀬戸内が流経大柏に対抗する術は無かったのかもしれない。
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予定調和の決勝戦
準決勝の対戦カードが決まった時に誰もが予想したように、
14日の決勝戦では青森山田と流経大柏が相まみえることになった。
準々決勝から準決勝までは中6日空いたけど、準決勝から決勝はまた過密日程の中1日。
身体的な負荷は第2試合を戦った流経大柏の方が高いと考えるのが一般的だけど、
大差がついたことで決勝戦に備えて早々に主力を温存した流経大柏に対し、
青森山田は90分+PK戦を高いインテンシティで戦ったため、
コンディションは流経大柏の方に分があるのは無いだろうか。
勝利至上主義的でエンターテイメント性に欠ける両校の対戦は、
はっきり言って望んでいなかったけど、選手たちを悪く言うつもりは無いので、
月曜日は決勝戦に相応しい手に汗握る白熱した試合を見せて欲しい。
瀬戸内0-5流経大柏
‘4 岡本竜
’10 藤井海和
’42 関川郁万
’54 熊沢和希
’74 度會武蔵