【明治安田生命J3リーグ17節 いわてグルージャ盛岡vsガンバ大阪U-23】再び迷い込んだトンネルの出口は未だ見出せず

2020年11月1日

大黒柱の意図せぬ帰還

今節のU-23はアウェイで盛岡と対戦。

ホームでの試合だとトップチームのベンチ外組がメンバー入りすることもあるけど、
アウェイゲームの遠征は必要最小限のメンバーしか帯同しないので、
スタメンとベンチを合わせて16人しかいなかったのは予想通り。

ただ、川﨑がスタメンに名を連ねていたのには驚いた。

開幕当初からU-23の大黒柱としてチームを牽引し、5試合連続ゴールという結果を残して、
文句なくトップチーム行きの切符をつかんだ川﨑。

しかしながら、川﨑自身はそこまで悪いプレーをしていたとは思わなかったのだけど、
如何せんトップチーム自体の状態が良くなく、この新進気鋭の選手を起用する余裕が無い感じだった。

まあ、まだ高卒1年目だし、J1の試合とは言え最終盤に少しだけ試合に出るぐらいだったら、
J3で90分間出場を続けている方が得るものはあるかもしれない。

今のトップチームの状態だとまたすぐに川﨑にお呼びがかかることも十分考えられるので、
またJ3の試合に出場することは不本意かもしれないけど、
腐らずにU23チームで結果を残して欲しいね。

頑張れ嫁阪翔太

今節の対戦相手の盛岡は、前節終了時点で同じ勝ち点で並んでいる相手なので、
直接叩いて1つでも上の順位へ浮上したいところ。

ただ、盛岡の選手を見ていると、MF橋本、DF牟田、FW岸田といった、
それぞれのポジションに核となれそうな選手がいるので、
順位の割には選手が揃っている印象を受ける。

そんなメンバーを擁するチームにおいて、1トップのポジションで先発出場していたのが、
元ガンバの嫁阪だったのには驚かされた。

2015年にガンバユースからトップチームに昇格した嫁阪だけど、
同期の妹尾と平尾同様、例年であれば昇格を見送るところ、
U-23チーム発足のために人数合わせで昇格させた感が否めず、U-23でのプレーを見ていても、
トップチームで起用するには厳しいかなと言わざるを得なかった。

その上U-23では、選手の頭数が足りないという事情から、
ボランチやCB、WBなど色んなポジションをたらい回しにされていたので、
損な役回りを押し付けて、うまく育ててあげられなかった選手だったなという思いもある。

それだけに、ガンバから移籍してしまったとは言え、
今、盛岡で必要とされていることは素直に嬉しい。

今季でガンバのU-23は活動停止するので、
ピッチの上で嫁阪と再会することは難しくなり、プレーしている姿を見る機会も減りそうだけど、
1つでも多くチームの勝利に貢献するプレーをして、
盛岡サポーターに末長く愛される選手になって欲しいと思う。

柔よく剛を制すとはいかず

試合はお互いに決め手を欠き、終盤まで0−0で進んだのだけど、
後半39分にこちらも元ガンバユースの小谷に決勝ゴールを許し敗戦。

これで藤枝戦から4連敗となってしまった。

前半はアンカーの芝本を起点にパスがよく回ったのだけど、盛岡の秋田監督は、
後半の頭からFC東京のアダイウトンを彷彿とさせる体格のブレンネルを投入し、
芝本をマンツーマン気味でチェックさせると途端にリズムが悪くなった。
(このブレンネルという選手は来季はJ3にはいないだろうね)

前節の八戸戦で出色のパフォーマンスを見せていた中村仁郎も、
流石に後半42分からの出場では見せ場を作れなかった。

芝本のビルドアップのフォローと中村仁郎を相手ゴールに近い位置でプレーさせるという、
2つの目的を達成するには、前節の八戸戦でやったようにCBを1枚削って中村仁郎を投入し、
布陣を3−5−2から4−4−2へ変更しても良かったんじゃないかと思ったけど、
この試合では唐山だけでなく奥野と松田もいなかったので、
布陣変更をするには駒不足だったかな。

それに、盛岡の選手はブレンネル以外の選手もフィジカルに長けた選手が多く、
非力な技巧派が多いU-23にとってはなかなか難しい相手だったかもしれない。

困難を乗り越えよう

U-23の次節の対戦相手は熊本。

ただでさえも4連敗しているところに、
現在、J3で2位と昇格圏につける強豪と対戦するとあって、
厳しい結果が待ち受けている未来しか見えないけど、
7月にアウェイで対戦した時は、最後の最後まで苦しめることが出来たので、
今度はその粘り強い戦いをホームで見せて欲しいね。

いわてグルージャ盛岡10ガンバ大阪U-23
’84 小谷光毅