【明治安田生命J1リーグ11節 名古屋グランパスvsガンバ大阪】我々は一体何を見せられているのだろうか

2022年7月31日

Thursday Night J League

スコアレスドローに終わった前節の清水戦から中3日、
今節のガンバは名古屋とのアウェイゲームに臨む。

本来であれば3月3日に行われる予定だったこのカードだけど、
ガンバのチーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生したため、この日に延期

その結果、木曜日という少々不慣れな曜日に試合が組まれたけど、
おそらく、1週間後の祝日に組まれている名古屋vs川崎の大一番に向けて、
試合間隔を中6日空けたいという名古屋の意思が反映された日程のように思える。

そんな相手の大一番に向けて弾みをつけるためのジャンプ台にされるのも癪なので、
ガンバの選手たちにはリーグテーブルの2位につける強敵相手に、
意地を見せて欲しいところ。

最強の盾を破るには多くの矛を揃えればいいと言うわけではない

この日のガンバのスタメンは、GKに東口、DFラインは右から小野瀬、三浦、昌子、福田、
中盤は山本と井手口を置き、2列目は右に倉田、左に宇佐美、
2トップはパトリックとレアンドロ・ペレイラの11人。

ここ最近の深刻な得点力不足を受け、
レアンドロ・ペレイラ、パトリック、宇佐美の3人同時起用や、
小野瀬と福田の両SBなど、ちょっとアンバランスとも思える布陣を敷いてきた。

攻撃面にストロングポイントがある選手を多くピッチに配置したからと言って、
攻撃力が上がるほどサッカーは単純なスポーツではないけど、
試合の入り方は良かったと思う。

レアンドロ・ペレイラとパトリックの2トップは3試合前の柏戦以来だけど、
その時と比べると、ロングボールに競り合う人と裏へ抜ける人の役割がはっきりしてて、
名古屋のDFラインを押し下げることに成功。

それによって生まれた中盤のスペースで宇佐美や倉田が上手くボールを受け、
ランゲラックが守るゴールに接近する場面は多く作れていたと思う。

ただ、J1最強と言ってもいい名古屋の守備陣は、
その程度の攻撃で破れるほどやわではない。

前半の飲水タイムでDFラインの高さに修正が加えられると、
ガンバの選手たちが名古屋のゴールに近づく場面はぱったりと少なくなり、
逆に相馬のクロスから山崎にゴールを許し、名古屋に先制点を献上してしまった。

福田のミスのようにも見える場面だけど、
相馬のクロスに対し、逆サイドのマテウスがニアサイドに走り込んだことで、
昌子、井手口、小野瀬の3人が食いついてしまい、
中央に左SBの福田1人が取り残された時点で勝負ありだったように思う。

福田の視界から逃げるようにファーサイドに回り込んだ
山崎のオフザボールの動きも秀逸だったね。

選手の差そして監督の差

前半を1点ビハインドで終えたガンバは、後半から井手口に代えてチュ・セジョンを投入。

この日の井手口は不要なファウルを繰り返して警告を受けるなど、
精彩を欠いていたので交代も止む無しかなと思う。

ただ、名古屋は前半に1点リードしてから自陣でブロックを敷いて守り、
カウンター狙いという戦い方にシフトしていたこともあり、
チュ・セジョンの持ち味であるロングフィードや
サイドチェンジが生きるようなスペースが無く、
この交代で状況が好転するとは思えなかった。

悪い予感ほど的中するとはよく言ったもので、
後半10分に名古屋が狙っていたカウンターの形から、
相馬に東口の守るゴールを破られ、
6試合で1得点しか挙げることが出来ていない今のガンバにとって、
勝敗を決すると言ってもいい2点目が名古屋に入ってしまった。

先日の五輪代表のアルゼンチン戦を見た時も思ったけど、
今季の相馬は本当に体がキレているね。

そうは言っても、2点ビハインドを背負った時点で、
試合はまだアディショナルタイムも含めて40分近く残っていたので、
意地を見せて欲しいなと思っていたのだけど、
そんな気持ちに応えてくれようとしたのが、
山本に代わってピッチに入っていた矢島。

名古屋が柿谷に代えて長沢を投入し、4-1-4-1に布陣変更したのを見ると、
アンカーの米本の脇のスペースで起点を作り、
縦パスを供給することで、名古屋のゴールに迫る場面が増えた。

この攻撃が機能している時間帯は、ガンバが盛り返すことが出来たのだけど、
フィッカデンティ監督は、マテウスに代えて中谷を投入し、
3バック+2ボランチでアンカー脇のスペースを消すことで、
見事にガンバの攻撃を抑え込み、攻勢ムードはあっという間に鎮火。

スタメンの選手もベンチスタートの選手も自分のミッションを理解していて、
それをピッチの上で滞りなく遂行している名古屋の戦いぶりに、
チームの完成度の違いを痛感させられたね。

ダービーでこんな試合は観たくない

新型コロナウイルスによるチーム活動休止があったので、
これまでの試合ではその休止期間を不調の言い訳にできたけど、
活動再開後1ヶ月も経ってくると、流石にもうそろそろその言い訳も苦しくなる。

ましてや次の試合は大阪ダービー。

このような低調な試合をしているようでは、
ゴールデンウイークは長居で憎きピンクの連中に嘲笑されるのがオチだろう。

そんな辱めを受けたくないのなら、ダービーまでの中9日で、
試合に勝つ確率を1%でも高められるように、入念な準備をして欲しいね。

名古屋グランパス20ガンバ大阪
’29 山崎凌吾
’55 相馬勇紀