【明治安田生命J1リーグ25節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌】またしても勝ち点を手繰り寄せた飛び道具
どのチームにも起こり得ること
木曜日の夜に、今節のガンバの対戦相手である札幌の菅大輝が
新型コロナウイルスに感染したというニュースが飛び込んできた。
これまで名古屋や鳥栖で新型コロナウイルスの感染者が出た時は、
直近のリーグ戦が延期になったので、今回も前例に倣うのかなと思っていたのだけど、
金曜日に札幌のチーム関係者全員にPCR検査を実施し、
全員の陰性が確認されたということで、今節は予定通り開催することに。
ただ、個人的には今節の試合は延期になっても良かったと思っていた。
札幌と試合をしてから中2日で大阪ダービーを迎えるガンバに対し、
今節の試合を既に消化しているセレッソは中9日で大阪ダービーに臨めるので、
今節が延期になれば日程の不公平さは無くなるしね。
でも、今節の試合を開催するために多くの人たちが動いたということを考えると、
彼らの働きを無碍にするようなことは言えない。
今は、今節の試合を開催するために動いてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えると同時に、
菅選手の1日も早い回復を祈るばかりです。
鎖が外れた猛犬
アデミウソンの事件と、中2日で大阪ダービーという状況を考慮して、
どのようなスタメンでこの試合に臨むのかなと思っていたのだけど、
前節の柏戦のスタメンからパトリックと渡邉千真が入れ替わっただけで、
他の10人は同じ顔ぶれ。
まあ、顔ぶれは同じだけど、ここ数年お馴染みとなった
1年に1度の限定ユニフォームの試合だったので、
見た目がいつもと違うという新鮮さはあったけどね。
(ただ、ユニフォームに描かれている人は、今は静岡県の西のほうにいる気がするけど…)
対する札幌は直近の2試合を完封勝利しているので、
チーム状態は良いんだろうなと思っていたけど、
そんな相手の様子を窺っているうちに、ドウグラス・オリベイラに決められ、
前半10分も経たないうちに先制点を献上。
ミートし損なった勢いの無いシュートだったので、
東口がキャッチするだろうと思っていたら、飛んだコースが絶妙だったね。
早々にビハインドを背負ったガンバだったけど、
すぐさま井手口がゴールを決めて試合を振り出しに。
ガンバのCKが一度クリアされてからの流れだったけど、
札幌の選手を2人引きつけた渡邉千真のポストプレーと、
ここしかないというコースを射抜いた井手口のシュートという、見事な合わせ技だったね。
それにしても井手口という選手は、例年以上の過密日程の今シーズンに於いて、
ほぼフル出場を続けているにも関わらず、ピッチのどこにでも顔を出す運動量に加え、
オンザボールでもさすがガンバの育成出身というボール捌きを見せる凄まじい選手だ。
海外志向が強い選手なので、またいつ移籍したいと言い出すかが心配だけどね。
「ガンバ得意のセットプレー」なんて言える日が来るとは
先制されたものの前半をタイスコアで折り返したガンバだったけど、
試合の主導権を握るというところまではいかず。
そんな状況を打破すべく、左サイドでファウルを受けて試合が止まった後半15分に、
宮本監督は宇佐美、倉田、小野瀬に代えて、パトリック、川﨑、矢島を投入。
普段のリーグ戦であれば宇佐美をパトリックに代えるだけの状況だったけど、
倉田と小野瀬も代えたのは大阪ダービーを見据えてということなのかな。
すると、この交代が見事に的中。
宇佐美に代わってFKのキッカーに入った山本がゴール前に送ったボールを
交代で入ったばかりのパトリックが頭で後ろに逸らすと、
ボールはそのままゴールマウスに吸い込まれていった。
パトリックのヘディングは見事だったけど、
こんなにセットプレーで点が取れるシーズンって、
長いことガンバの試合を見てきている僕でもちょっと記憶に無い。
今季は宇佐美か山本がセットプレーのキッカーを務めているけど、
長らくセットプレーのキッカーを務めていたのはキックの名手の遠藤だったので、
劇的に精度が上がったとも思えないし、
パトリックがいてもセットプレーで点が取れないシーズンもあったし、
一体何が良くなったんだろうか。
そんなパトリックのゴールで勝ち越したガンバだったけど、
その後は札幌に攻め込まれ、守勢の時間が長くなってしまった。
ゴールラインを割ったんじゃないかという札幌の際どいシュートが2回ほどあったけど、
VTRで見て、ようやくぎりぎりラインを割っていないことを確認できる際どさだったのに、
それを正確に判断した線審もナイスジャッジだったね。
血沸き肉躍る戦い
後半アディショナルタイムには東口が札幌の選手と交錯して顔面を強打する場面はあったけど、
大事には至らず、試合終了まで1点リードを死守。
これで10試合負けなしとし、勝ち点51で順位も単独2位まで上げてきたね。
ただ、今季は首位のチームの強さが異常すぎるので、優勝の可能性は残されているとは言え、
優勝を目指すよりも2位を死守する方が現実的な目標だろう。
そんなガンバと2位を争う相手は何チームかあるけど、
その最右翼が次節の対戦相手でもある宿敵・セレッソ大阪。
こんな燃える状況での大阪ダービーなんていつ以来だろうか。
ここで会ったが百年目、目にもの見せてくれよう。
ガンバ大阪2-1コンサドーレ札幌
‘9 ドウグラス・オリベイラ
’16 井手口陽介
’62 パトリック