【明治安田生命J3リーグ27節 ヴァンラーレ八戸vsガンバ大阪U-23】抜け出せそうで抜け出せないドロー沼

U-23チームを追いかける楽しみ

チーム数が多いことを批判されることもあるJリーグだけど、
自分が応援するクラブを媒介にして様々な土地を訪れることが出来るのは、
日本各地にJクラブが誕生しているからこそ。

この日、ガンバ大阪U-23の試合の観戦のために訪れた八戸なんて、
僕がガンバ大阪のサポーターじゃなかったら、一生降り立つことのなかった場所だろう。

11月の青森での試合ということで、底冷えする寒さの中での観戦も覚悟していたのだけど、
この日の気候は晩秋の心地良い肌寒さだったし、スタンドとピッチの距離が近く、
建物自体も綺麗で清潔なプライフーズスタジアムというハコとの相乗効果で、
快適なサッカー観戦だった。

今季はU-23を中心にウォッチしているので、サッカー観戦だけでなく、
今まで訪れたことがない場所を訪れる楽しさも満喫しているのだけど、
今季でU-23チームが活動停止してしまうので、
来季はこの楽しさを味わう事が出来ないのは寂しい。

Jリーグのお偉方の気が変わって、来季もU-23チーム継続なんて事が起こらないもんかね。

勢いだけでどうにもならないこともある

この日のU-23のスタメンは、GKがイ・ユノ、DFラインは右から松田、荻野、タビナス、山口、
アンカーに菅野を置き、中盤は右から村上、中村、塚元、シン・ウォノ、
そして最前線に高木という布陣。

4試合ぶりにU-23の試合に出場することになった塚元は、
一番何かをやってくれそうな雰囲気を醸し出していたけど、
いかんせんその塚元に良い形でボールが渡らない。

それもそのはず、昨日のトップチームの試合に奥野と芝本が召集されていたため、
この試合には本職のボランチが誰もおらず、
八戸の素早い中盤のプレスの前にゲームメイクがままならない状態。

すると前半22分に左サイドを破られると、
絶妙なループシュートを決められて先制点を献上してしまった。

左サイドで先発出場したシン・ウォノは、この失点の場面以外にも、
ボールを奪えそうにない状態でも相手の懐に飛び込んで行ってかわされてしまい、
ピンチを招く場面が何度かあった。

アグレッシブな姿勢がこの選手のウリではあるのだけど、この日はだいぶ空回り気味で、
森下監督の逆鱗に触れたのか、前半終了間際に當間と交代させられてしまったね。

でもまあ、森下監督のことだから試合後のフォローはちゃんとしているだろうし、
シン・ウォノには今回の失敗に気持ちすることなく、次の試合で頑張ってほしいと思います。

君の居場所はここじゃない

後半に入ると、徐々にゲームメイクの精度が上がってきたU-23。

前半終了間際にシン・ウォノに代えて當間を投入したことで、
最終ラインの並びが、右から當間、荻野、松田、タビナスになり、
左サイドの山口が一列前に上がったという布陣変更はあったけど、
それ以上に、時間が経つにつれて菅野のプレーが良くなっていったことが、
U-23のチームパフォーマンスの向上に繋がったように思う。

前半から、菅野のボールを受ける動きに対し、
ピッチサイドの森下監督から再三ダメ出しが飛んでいたけど、
試合中に修正しきってしまうあたり、センスのある選手だなと再認識させられた。

高木がフリーのシュートチャンスでミスをするという、
ここ最近の試合のお約束となった光景をまたしても目にすることになったけど、
その後、菅野が八戸の2人の選手の間を抜く縦パスを塚元に通すと、
これを塚元がペナルティエリア外から叩き込んで試合は振り出しに。

前半から何かをやってくれそうな雰囲気を醸し出していた塚元が本当にやってくれたね。

今季のトップ昇格組の唐山と川﨑に比べると、
塚元がここまで決めているゴールの数は少ないけど、
J1の試合の強度とスピードに耐えうるフィジカルを備えているし、
先述の2人に比べると器用で色んな役割をこなせる選手なので、
もっとトップチームで出番があってもいいと思うんだけどな。

ホームでの戴冠は見たくない

同点に追いついた勢いをそのままに逆転といきたいところだったけど、
勝ち越すまでには至らずドロー決着。

これでホームでの富山戦で勝って以来、6戦勝ちなし(5分1敗)となってしまった。

次はホームでの試合なので、7試合ぶりの勝利を挙げたいところだけど、
よりにもよって次節の対戦相手は目下無敗でJ3首位を独走するブラウブリッツ秋田。

しかも秋田は、水曜日にパナソニックスタジアム吹田で勝利を挙げればJ3優勝、
J2昇格が決まるということで、是が非でも勝ちに来るだろう。

八戸戦から中2日のU-23に対し秋田は岐阜戦から中3日と、
コンディション面でも分が悪いけど、
U-23は8月にアウェイで秋田と対戦した時は1−1で引き分けているので、
必要以上に相手をリスペクトすることはせずに、堂々と立ち向かってほしいね。

ヴァンラーレ八戸11ガンバ大阪U-23
’22 黒石貴哉
’66 塚元大