【明治安田生命J1リーグ34節 ガンバ大阪vs清水エスパルス】2020年シーズンのエンドロールはまだ流さない

ウィズコロナの2020年シーズンも最終節

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、約4ヶ月もの間中断するという、
前代未聞シーズンとなった2020年のJ1リーグもついに今節が最終節。

そんなイレギュラーなシーズンを戦った我らがガンバ大阪の戦績は、
前節終了時点で20勝5分8敗の勝ち点65で、2位を確定。

2季連続で残留争いに巻き込まれていたガンバだったけど、
今季は順位表の下の方を気にすることなく、
来季のACL出場権と今季の天皇杯出場権を獲得したので、
十分合格点をあげられるシーズンだったと思う。

順位と試合内容が比例しないことに対する批判の声があるのも確かだけど、
「今年はガンバの試合を見られるのだろうか」と思っていた
今年の4月頃のことを思うと、自分が応援するクラブの試合結果や試合内容に対して、
ああだこうだと言える日常が帰ってきたことは素晴らしいと思う。

また、ガンバのチーム内から新型コロナウイルスの感染者を出さなかったことは、
選手たちの日々の感染症に対する意識の賜物。

まだ天皇杯の試合が残っているけど、例年とは異なる難しい調整を強いられる中、
我々に再びサッカーのある日常を届けてくれた選手たちには、ひとまずお疲れ様と言いたいね。

右サイドを制圧するも…

先述の通り、前節終了時点で2位を確定させているガンバは、
今節の試合で勝っても負けても順位は変わらないので、天皇杯に備えて主力を温存させ、
若手主体で試合に臨むという情報がネットのニュースで流れていた。

しかしながら、蓋を開けてみると、抜擢された若手は塚元ぐらいで、
残りの10人はレギュラー格だったので、宮本監督の意志としては、
天皇杯のことは一旦頭の隅に退避させておいて、
目の前のホーム最終戦で勝利しようという意図だったのだろうか。

試合は序盤こそ奥井の無回転シュートで
東口の守るゴールマウスが脅かされる場面があったけど、
その後はガンバが主導権を握って進めることが出来たと思う。

特にこの試合では、福田と髙尾の右サイドからの攻めから、クロスを入れたり、
CKを獲得する場面が多く見られたけど、
ターゲットマンのパトリックに対するマークが厳しく、
良い形でシュートに持ち込むことが出来ずに無得点で前半を終えることに。

この試合の清水のCBは立田と吉本のコンビだったけど、
吉本はこの試合が現役ラストマッチということもあって気持ちが入っていたのか、
今季限りで引退することがもったいないぐらいの出色のパフォーマンスだった。

ユース年代の頃は日本代表の吉田麻也と比較されるほどの選手だっただけに、
プロ入り後は故障続きだったことがつくづく悔やまれるね。

次はどうすればいいかを考えることが成長に繋がる

後半に得点を挙げたいガンバだったけど、主導権を握ったのはアウェイチーム。

CKのこぼれ球を拾ったエウシーニョのシュートの当たり損ないが、
ファーサイドに抜けてきたところを、
オフサイドにならないギリギリのタイミングで抜け出した川本に決められ、
後半4分に先制点を献上。

これを受け、宮本監督は後半8分に奥野と藤春に代えて渡邉千真と矢島、
後半16分には塚元に代えて川﨑を投入するという采配を見せるも、
自陣でのミスが重なった結果、後半19分に金子に追加点を許し、
2点ビハインドを背負うことになってしまった。

その後は、ボールこそ保持するものの、
2点リードしたことで前に出てこなくなった清水を相手に攻めあぐねるという、
なんとももどかしい展開が続くことに。

そんなサポーターの溜飲を下げたのは、後半36分に投入された中村仁郎だろう。

ストロングポイントである右サイドからカットインしてからの左足シュートや、
またぎフェイントからのパスなど、結果的に得点には繋がらなかったけど、
短い時間ながら見せ場を作ることが出来たと思う。

左足のキックの精度やドリブルに光るものはあるものの、
J3の試合を見ていて、コンタクトプレイで負ける場面も目立つので、
正直なところトップチームに抜擢するのは時期尚早かなと思っていたのだけど、
デビュー戦でこれだけやれるなんて良い意味で期待を裏切られた。

来季はU-23チームが無いので、
中村仁郎をトップとユースのどちらのチームでプレーさせるか悩ましいところやね。

この試合の中村仁郎だけでなく、今季の終盤はトップチームにケガ人が相次いだことで、
塚元、川﨑、唐山、奥野と、U-23の選手たちが出場機会を得ることが出来たけど、
皆がチャンスを生かすことが出来たとは言い難い。

本人たちにとっても不本意だったと思うけど、
ここで蒔いた種が、来季大きな花を咲かせることを信じて、
来季までの時間を有効に使って欲しいと思う。

仏の顔も三度まで

最終節に敗れたことで、ガンバの2020年シーズンの勝ち点は前節から変わらず65。

天皇杯に備えてがっつりメンバーを入れ替えたのなら、
「まあ、しょうがないか」で納得出来るけど、
なまじ主力を起用しての敗戦なのでどこかモヤモヤするところがあるね。

また、2度あることは3度あるとはよく言ったもので、
ホームで最下位のチームに破れるのは今季3度目。

こんな調子で元日に行われる天皇杯の決勝で、
川崎相手にリベンジを果たせるのだろうかと思うところはあるけど、
そもそも川崎と試合をする前に準決勝に勝たなければいけない。

ガンバはここ2年の天皇杯はいずれも大学生に敗れて敗退しているけど、
今季の天皇杯では、2度あることは3度あるではなく、
3度目の正直で決勝に駒を進めて欲しいと思います。

ガンバ大阪02清水エスパルス
’49 川本梨誉
’64 金子翔太