【明治安田生命J1リーグ28節 ガンバ大阪vsベガルタ仙台】あれ?まだ連戦中なんだっけ?

2021年9月13日

プロフェッショナルなクラブとは何ぞや

ルヴァンカップ準々決勝2ndlegで、
セレッソ大阪にホームでショッキングな敗戦を喫したのはちょうど1週間前の話。

0-4の大敗を受けて、クラブから何かしらのリリースがあるかなと思っていたけど、
相変わらずパナソニックスタジアム吹田のホーム側のベンチには松波監督の姿がある。

まあ、どのみち今季終了後に新しい監督を探す予定だから、
このタイミングで松波監督をクビにする必要はなく、
今季はとりあえず残留できればいいや程度に考えているのかもしれないけど、
シーズンの半分以上を敗戦処理のような位置付けにして、
プロのスポーツクラブとしてそれでいいのかと思うけどね。

予定は立ててもその通りには行かないもの

J1残留を争うライバル、
ベガルタ仙台とのホームゲームに臨んだガンバ大阪の11人は以下の通り。

代表帰りの昌子とキムヨングォンには隔離期間とかあるのかなと思っていたけど、
この試合にスタメン出場をしているところを見るとそういうのは無いみたいね。

また、宮本監督時代のレガシーである髙尾の右CB起用を採用したことで、
守備時には5バック、攻撃時には右肩上がりの4バックになる、
可変型システムで戦ったのもこの試合の特筆すべきポイントだったと思う。

そんなガンバは、序盤にパトリックが前線で起点となって、
2度ほど小野に決定機が訪れたけど、いずれも枠に飛ばすことが出来ず。

小野はガンバに数少ない気持ちを表に出して戦う選手だし、
前線からの守備も献身的にやってくれるんだけど、シュート精度が悪いのと、
ケガしやすいのが難点なんだよなと思っていた矢先にまたしても負傷。

前半16分という早い時間帯に矢島と交代になってしまった。

交代で入った矢島はそのまま小野のいた右シャドーのポジションに入ったものの、
矢島のシュート精度も小野のそれと大して変わらないから、
前線からのディフェンスが無くなった分、戦力ダウンだなと思っていたのだけど、
富樫に先制ゴールを許した直後の前半39分に同点ゴールを挙げたのはなんと矢島。

左の藤春からのクロスがニアの蜂須賀に当たってコースが変わったところを、
いち早く落下点に走り込んでヘディングで押し込んだ、
ポジショニングセンスが光るゴールだったね。

矢島の同点ゴールで前半を1-1で折り返して、後半に勝ち越し狙いだなと思っていたら、
前半終了間際のセットプレーでまたしても富樫に決められ、勝ち越しを許してしまう。

キッカーの上原がキックモーションに入った瞬間に、
ニアポストの赤﨑がキッカーの上原に近づいて矢島をつり出し、
矢島とストーンのパトリックの間のスペースに富樫を走り込ませるという、
手倉森監督らしい非常によくデザインされたセットプレーだった。

今季のガンバのセットプレーには全く期待が持てないので、
もうみんな忘れているかもしれないけど、
昨季のガンバもこのようなセットプレーからよく得点を挙げていたんだけどね。
(ひとえに現・湘南ベルマーレの監督の功績ではあるが)

幸運も生かせなければ意味がない

前半を1点ビハインドで終えたガンバだったけど、
矢島が蜂須賀のハンドを誘発してPKを獲得すると、
これをパトリックが沈めて再び試合は振り出しに。

布陣も4-4-2に変更し、この勢いで畳み掛けて勝ち越しを狙いたいところだったけど、
久しぶりのスタメン出場で体が慣れていなかったのか髙尾が脚を攣ってしまい、
前半の小野に続いて戦術外の選手交代を余儀無くされてしまう。

対する手倉森監督は、関口、富樫、赤﨑に代えて、
中原、カルドーゾ、西村の3枚替えを敢行。

すると、交代で入ったばかりの中原が右サイドからクロスを上げると、
これが藤春の手に当たってVARの審議対象に。

藤春のハンドでのPK献上は年1回のイベントのようなところがあるので、
PKの判定になることも覚悟していたのだけど、
これは中原にパスを出した加藤のポジションがオフサイドだったとの判定で、
ハンドは無かったことに。

狙ってオフサイドを取りに行ったようにも見えなかったので、
ガンバとしては救われた格好になったけど、
その直後カウンターを食らって西村にシュートを決められてしまい、
どのみち失点してしまうというオチ。

失点の前に今度は藤春が脚を攣って負傷交代してしまい、
ベンチにもうSBがいなかったので右SB小野瀬、左SB柳澤という、
かなりバランスの悪いDFラインにしてしまっていたのも不運だったね。

その後は、パトリック目掛けたパワープレーを試みるも、
得点が生まれそうな場面は作り出すことが出来ず。

残留を争う仙台相手にホームで敗戦を喫することになってしまった。

もう連戦中という言い訳は出来ない

真夏の15連戦が終わって、少し体を休めることが出来ただろうし、
連戦期間よりもパフォーマンスが上がるかなと淡い期待を抱いていたのだけど、
まだ連戦を戦っているのかと勘違いするような低調なチームパフォーマンスだったね。

まあ、J2降格圏の17位の徳島とは勝ち点7差あるし、
その徳島もホームでガンバに勝利して以降5連敗中なので、
そんなにすぐにガンバがJ2降格圏まで転落することは無いだろうけど、
ずっとこの調子だとシーズンが終わった後泣いている可能性もありそうだね。

次節は中5日でアウェイでの鹿島戦。

今節、福岡相手にホームで0-3と完敗を喫し、
ルヴァンカップの準決勝でも名古屋相手に2試合合計で0-4と、
最近元気が無い様子の鹿島だけど、
末期状態にある今のガンバに勝ち点を計算できる相手なんていないだろう。

それでも、今季まだ上を目指そうっていう意地があるんだったら、
鹿島から勝ち点を持ち帰ることで示して欲しいね。

ガンバ大阪23ベガルタ仙台
’37 富樫敬真
’39 矢島慎也
’42 富樫敬真
’60 パトリック
’79 西村拓真