【カタールワールドカップ アジア最終予選 オーストラリアvs日本】引き分け狙いを良しとしない気持ちが手繰り寄せたカタール行きの切符

オーストラリア畏れることなかれ

昨年の9月に始まったカタールワールドカップアジア最終予選も残すところ2試合。

カタールワールドカップ出場権獲得に大手をかけている我らが日本代表は、
シドニーに乗り込んでオーストラリア代表との大一番を迎えた。

今回の大一番に臨むにあたり、大迫、酒井、冨安といった、
主力の不在が懸念材料ではあったけど、
この試合に絶対に勝たなければいけない立場であるにもかかわらず、
アーバイン、ムーイ、ロギッチというセンターラインをごっそりと欠く、
オーストラリアの方が苦しい陣容だろう。

日本の最終戦はホームでグループB最下位のベトナムとの対戦なので、
この試合で無理に勝ちに行く必要は無いけど、
試合が始まる前から引き分けを狙いに行くのも無粋な話。

これまでワールドカップ出場権を懸けて、
数々の激闘を繰り広げてきたオーストラリア相手に敵地で勝利を収めることで、
カタール行きの切符を手中に収めて欲しいと思う。

歓迎しない打ち合い

大雨がピッチに降り注ぐスタジアムオーストラリアに送り出された、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

本職右CBの吉田を左CBで起用して右CBに板倉を起用するより、
吉田を本職で起用して谷口を左CBで起用した方が収まりが良さそうだけど、
まあ、守備陣は個々の能力が高いのでこれでも問題無く守れるだろう。

逆に不安なのが攻撃陣。

目下、Jリーグで絶好調の上田をベンチに置いて、愛弟子の浅野をワントップで起用するあたり、
さすが保守的な森保監督と言ったところか。

先述の通り、日本はこの試合を引き分けてもOKなので、
リスクを冒さずに相手の出方を見る試合運びを選択しても良かったのだけど、
前からプレスに来ず、中盤の寄せも緩いオーストラリアと相対して、
攻撃意欲をかき立てられたのか、
前線に人数を掛け、リスクを冒してチャレンジングなパスを送り込む日本。

そんな日本に対し、低いディフェンスラインで日本の攻撃を跳ね返し、
前線に残したデュークとフルスティッチの2人で、
攻撃を完結させようとするオーストラリア。

試合前の両者の順位を知らない人がこの試合を見たら、
絶対に勝利が必要なのは日本だと勘違いしそうな試合展開だった。

まあ、そうは言っても日本が先に得点を取れば、
試合は決まりそうだなと思っていたのだけど、
クロスバーを叩いた南野のヘディングシュートをはじめ、
何度もオーストラリアゴールに迫るも、得点を奪うまでには至らず。

逆に、オーストラリアに、
セットプレーやカウンターでゴールを脅かされる場面もあり、
日本が優勢に試合を運びながらも、
足元をすくわれそうな雰囲気が常に漂っている不気味な前半だったね。

その男の名は三笘薫

スコアレスで前半を折り返して迎えた後半。

あまりにもイケイケすぎる前半の日本の戦いを受けて、
さすがにハーフタイムで森保監督の修正が入ったようで、
セーフティなプレーを選択する場面が目に付くようになった。

これにより日本のチャンスは減ったけど、オーストラリアのチャンスも減り、
落ち着いた試合展開になったね。

その後、浅野に代えて上田を投入して攻撃の牙は残しつつ、
長友に代えて中山、田中碧に代えて原口を投入し、
全体的な運動量を補充する森保監督。

このままスコアレスで試合をクロージングする準備は、
着々と進んでいるように見えたけど、この状況を良しとしていなかったのは、
原口と同じタイミングで、南野に代わってピッチに入っていた三笘。

オーストラリアがパワープレーを仕掛けてきた時間帯だったので、
コーナーキープぐらいでしか三笘の見せ場は無いかなと思っていたのだけど、
後半もアディショナルタイムに入ろうかと言う時間帯に、
右サイドで守田と山根がワンツーを仕掛け、山根が右サイドの深い位置に進入。

ゴールラインを割ろうかという位置から上げた、
山根のマイナスのクロスを三笘が中央で合わせ、後半44分についに均衡が破れた。

このゴールだけでも殊勲のプレーだけど、この日の三笘はこれで終わらなかった。

後半アディショナルタイムも残り30秒という時間帯、
左サイドの高い位置でボールを受けた三笘は、
コーナーフラッグへ向かってボールを運ぼうと一旦スピードダウンするも、
次の瞬間には一気に加速してオーストラリアの選手を置き去りにしてカットイン。

右足から放たれたシュートはGKライアンの正面を突くも、
雨でスリッピーになったピッチの影響からかライアンが後逸して、
そのままゴールイン。

三笘がドリブルでいとも簡単にマーカーを2枚、3枚と剥がす場面は、
Jリーグでは何度も目にした光景だけど、
まさかこんなワールドカップ出場権がかかった大一番で、
お目に掛かれるとは思ってもみなかった。

ここまでのワールドカップ予選の戦いで、
三笘の存在感は決してあるとは言い難かったけど、この試合の2ゴールで、
保守的な森保監督の選手選考の序列を崩すだけのインパクトは残せたはずだ。

これはあくまでもスタートライン

かくして日本は7大会連続7度目のワールドカップ出場が決定。

最終予選の序盤でオマーンとサウジアラビアに敗れた時は、
どうなることかと思ったけど、
サウジアラビアと並んでグループBの強敵と目されていたオーストラリアが、
思いのほか大したことなかったのが日本にとって幸いだったね。

日本の次戦はホームのベトナム戦。

ワールドカップ予選としては消化試合だけど、
ワールドカップ本大会のメンバー23名の枠を争う戦いは既に始まっている。

オーストラリア02日本
’89 三笘薫
’90+4 三笘薫