【明治安田生命J1リーグ5節 ガンバ大阪vsアビスパ福岡】福岡に今季初勝利をプレゼントする余裕なんて無いはずなんだけど

We Are With #1

ついこのあいだ、宇佐美がアキレス腱を断裂したというニュースを聞いたばかりなのに、
今度は東口が右ひざの半月板を損傷したというニュースが飛び込んできた。

ここ数年の東口は、109試合連続フル出場という記録を残すなど、
ケガ無く頑丈にプレーしている印象があるけど、
新潟時代に右ひざの前十字靭帯断裂を2度経験するなど、
もともと右ひざに爆弾を持っている選手。

東口ほどの選手が離脱して痛くないと言うのは東口に失礼なので、
早く戻って来てほしいという気持ちはあるのだけど、
それと同じくらい早期復帰を目指して無理して欲しくないという気持ちもある。

離脱している東口が焦って復帰を目指さなくてもいいように、
残された選手たちには東口が安心できる結果をピッチで残していかないとね。

片野坂ラボの実験は失敗

宇佐美と東口に向けた激励の横断幕がゴール裏に掲げられた、
パナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。

福岡対策なのか、今季初めて中盤を菱形にした4-3-1-2を採用。

福岡の中盤2枚(中村、前)に対し、ガンバは中盤3枚(倉田、齊藤、奥野)なので、
中央で数的有利を作ってポゼッション率を上げ、
ワイドに広がった昌子と三浦の間にアンカーの奥野が落ちることで、
SBの髙尾と黒川を同時に高い位置を取らせたいという狙いだったのだろうか。

こういう役割をやらせるのなら、
奥野よりも展開力のある山本かチュ・セジョンの方が良いと思うのだけど。

ところが、逆に中盤を厚くしたことで手薄になった両サイドを、
クルークスと田中達也に蹂躙されてしまい、前半10分という早い時間に先制点を献上。

反撃しようにも、サイドハーフがいないからか、
サイドで攻撃がノッキングする場面が目立ち、
横パスやバックパスを繰り返しているうちに福岡に帰陣されて攻め手を無くすなど、
新布陣の付け焼刃っぷりがはっきりと出ていた。

片野坂監督もこれではまずいと思ったのか、
前半の途中から石毛を左サイド、倉田をトップ下、小野瀬を右サイドに配置換えし、
4-2-3-1の布陣にしてからやや試合内容は改善されたけど、
今度は齊藤と奥野のダブルボランチからパスが出て来ないという、
あっちが立てばこっちが立たないという状態に。

前半のガンバの決定機は石毛のCKから三浦が頭で合わせた場面ぐらいで、
流れの中から期待が持てそうな形はほとんど作ることが出来なかった。

逆に、福岡には追加点が入りそうな場面を何度か作られてしまったけど、
ここは福岡の選手たちのシュートミスや石川の好セーブで凌ぎ、
なんとか前半を1点ビハインドで折り返すことが出来たね。

遅すぎた反撃

1点を追うガンバは、
前半、低調なパフォーマンスに終始した髙尾を下げて柳澤を投入し、まずは同点を狙う。

ところが残念な事に次にスコアを動かしたのは福岡。

クルークスが右サイドから左足でクロスを上げると、
ファーサイドで田中達也に頭で合わせられ、
先週の磐田戦の大森に続き2戦連続の恩返しゴールを被弾。

古巣対戦とのことで喜びを控えめにしてくれたらしいけど、
毎年のように移籍してるのに古巣対戦のたびにそんなことしていたら、
ゴールを決めても喜べない試合ばかりになってしまうので、
あんまり気を遣わなくてもいいと思うのだけど。

2点を追いかけることになったガンバは、
後半19分に、石毛に代えて福田、齊藤に代えてレアンドロ・ペレイラを投入。

さらに小野瀬に代えて山本、奥野に代えてチュ・セジョンを投入するも戦況に変化は無く、
逆に、金森のクロスを柳澤がクリアしようとしたところ、
キックミスになって自軍のゴールに吸い込まれてしまった。

まあ、柳澤のミスと言えばミスだけど、雨でスリッピーになったピッチを考慮して、
DFとGKの間でワンバウンドする処理しづらいクロスを上げてきた、
金森の判断も敵ながら見事だったなと思ったね。

雨の中、ホームで3点ビハインドと言う情けない試合を見せられている、
ガンバサポーターの心中を察するに余りあるなと思っていたのだけど、
0-3になった直後、柳澤がさっきの汚名返上とばかりに右サイドから鋭いクロスを上げると、
福岡のDFにクリアされたボールが、逆サイドの福田のもとへ。

これを受けた福田が左サイドからカットインして右足を振りぬくと、
インフロントから放たれたシュートは、
美しいカーブを描いてゴールネットに突き刺さって、ガンバがようやく反撃の狼煙をあげる。

その後、怒涛のパワープレーで福岡のゴールに攻め込んだガンバは、
チュ・セジョンのクロスからレアンドロ・ペレイラの2試合連続ゴールが決まり、
1点差まで詰め寄ることが出来たけど、これ以上の反撃は時間が足りずタイムアップ。

またしてもホームで勝ち点を取りこぼしただけでなく、
21年ぶりに福岡に敗戦するという不名誉な記録までおまけでついてきてしまったね。

生みの苦しみは承知の上

これでガンバは5試合を終えて1勝2分2敗の勝ち点5で、暫定12位。

ある程度は覚悟していたけど、予想通り苦しい出足になってしまったね。

毎試合得点出来ていると言えば聞こえは良いけど、
ここ2試合の得点はパワープレーによるものだし、
それ以外のゴールも小野瀬や山本のゴラッソなどなので、
片野坂サッカーで挙げた得点と言うのがあまりないなというのが気になるところだ。
(浦和戦の福田のゴールぐらいかな?)

前半の早い時間に失点して苦しい試合を余儀無くされる試合が続いているので、
インターナショナルマッチウイークの間に修正して、
中断空けのホーム名古屋戦に臨みたいところ。

そのインターナショナルマッチウイークには、
ルヴァンカップグループステージのアウェイ鹿島戦が組まれているので、
先月、ホームでのリーグ戦で味わった、
後味の悪い敗戦を払拭するような勝利を期待したいところやね。

ガンバ大阪23アビスパ福岡
’10 ジョルディ・クルークス
’58 田中達也
’81 オウンゴール
’82 福田湧矢
’90+1 レアンドロ・ペレイラ