【国際親善試合 日本vsパラグアイ】火蓋が切って落とされた23人枠を争う戦い

2023年1月1日

森保監督の保守的な序列を覆せるか

11月に開幕するカタールワールドカップで、
史上初のベスト8進出を狙う我らが日本代表。

本大会までに代表チームがまとまって活動する期間はそれほど残されてないので、
今月開催される4試合に出場するメンバーの中から、
本大会のメンバーが選出される可能性が高いと考えるのが自然だろうね。

そんな選手選考サバイバルの初戦は、奇しくも2010年の南アフリカワールドカップで、
日本のベスト8進出を阻んだパラグアイ。

パラグアイはカタールワールドカップの南米予選で敗退してしまったようだけど、
それでも手強い相手であることに変わりはないだろう。

そんなタフな相手との試合で、
保守的な森保監督のお眼鏡に叶う選手が現れることに期待したいね。

機能した急造メンバー

ファイターズが去っても黒字を維持できると豪語する札幌ドームのピッチに送り出された、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

代表初招集の伊藤洋輝が左SBのポジションでいきなり初スタメンを飾り、
中盤はアンカーに遠藤を置いて、右に原口、左に鎌田という形。

この中盤の形は、遠藤、守田、田中碧の3人が揃って初めて機能するところがあるので、
守田と田中碧をベンチに置くのなら、
4−2−3−1にした方がバランスが良いんじゃないかと思ったのだけど、
そんな心配は杞憂だったね。

と、言うのも、この日のパラグアイは思っていた以上に大したことなく、
アンカーの遠藤の脇のスペースを突くというような、
狙いを持った攻撃は見られなかったからね。

そうなってくると試合は必然的に序盤から日本のペース。

伊藤のクロスから堂安がGKロハスのスーパーセーブを要するシュートを放てば、
三笘のクロスから鎌田がポスト直撃のシュートを放つなど、次々に決定機を作り出した。

しかしながら、その後も伊藤や三笘に決定機が訪れながらも決めきることが出来ず、
なかなか先制点を挙げられずにいたのだけど、ようやく試合が動いたのは前半36分のこと。

原口のスルーパスに抜け出してGKと1対1になったのは、なんと浅野。

こういうところでシュートを外す場面を何度も見てきたので、
悪い予感しかしなかったのだけど、
予想の斜め上を行く見事なループシュートでゴールネットを揺らしてみせた。

こんなお洒落なシュートを打てるなら、何でもっと早くやらないんだろうか。

その後、堂安のクロスから鎌田のヘディングシュートが決まり、
日本は2点をリードして前半を折り返すことに成功。

森保監督になってからの日本は、出場機会が少ない選手が多く試合に出場していると、
チームパフォーマンスが落ちる傾向が強かったけど、
この試合の前半のパフォーマンスは上々の出来だったね。

詰めの甘さは散見されるも・・・

日本は後半から遠藤、浅野、吉田に代えて板倉、前田、中山を投入。

選手を入れ替えても前半からの勢いは落ちることなく、
良い感じで試合を進めているように見えたのだけど、
中山投入により左SBからCBにポジションを移した伊藤が自陣でパスミスを犯すと、
ゴンサレスに決められ、1点を返されてしまった。

この試合の伊藤は、代表初キャップとは思えない落ち着いたプレーをしていただけに、
唯一と言っても良いミスが失点に繋がってしまったのはもったいなかったね。

ただ、失点の直後に、原口のパスを受けた三笘が、
左足でループシュートを放ってゴールネットを揺らし、
すぐさま点差を2点に戻すことに成功したので、
失点の悪いイメージが残らなかったのは幸いだったと思う。

さらに後半24分には、堂安のスルーパスに抜け出した鎌田が、
ペナルティエリア内でロハスに倒されてPKを獲得。

しかしながら、堂安のシュートはロハスにストップされてしまい、
こぼれ球に詰めた山根のシュートもクロスバーを大きく越え、追加点とはならなかった。

日本がカタールワールドカップ行きの切符を掴んだオーストラリア戦で、
代表メンバーから漏れてしまった堂安は、何度も決定機に絡むだけでなく、
タッチラインを割りそうなボールを必死になって追いかけてピッチに残すなど、
この試合で森保監督にアピールしようという意気込みがひしひしと伝わってきたね。

それだけに、仏作って魂入れずに久保との交代でピッチを去ることになってしまったのは、
本人にとっても不完全燃焼だったんじゃないだろうか。

結局、堂安が仕上げることが出来なかった試合は、
原口との交代でピッチに入っていた田中碧が、
後半40分にミドルシュートでゴールネットを揺らし、決着。

パラグアイのパフォーマンスが低調だったということも考慮する必要はあるけど、
レギュラーではない選手たちが結果を残したという意味で収穫もあった試合だったと思う。

カナリア軍団がやってくる、ヤァヤァヤァ

次戦は、今回の日本代表の強化試合の目玉である、国立でのブラジル戦。

先日、ネイマールが負傷してこの試合の出場が危ぶまれているけど、
ネイマールを抜きにしてもすごい顔ぶれが来日するので、
来週の月曜日は、これぞブラジル代表というサッカーが見られると思う。

コロナ禍以降初めての超満員のスタジアムでの代表戦になるので、
スタンドでは国立の劣悪な観戦環境に音を上げる人が大勢出そうなのが気の毒だけど、
ピッチの上では間違いなく繰り広げられるであろうハイレベルなサッカーを、
TVの前で堪能したいと思います。

日本41パラグアイ
’36 浅野拓磨
’42 鎌田大地
’59 デルリス・ゴンサレス
’60 三笘薫
’85 田中碧