【明治安田生命J1リーグ13節 柏レイソルvsガンバ大阪】記念試合クラッシャー・ガンバ大阪、久々の見参
ただの引き立て役になるのは勘弁
前節、ホームで神戸を降して6試合ぶりに勝ち点3を積み上げ、
浮上のきっかけを掴んだかのように見えた我らがガンバ大阪だったけど、
今週に入り、新型コロナウイルスの感染者が7名発生したというニュースが飛び込んできた。
それでなくても故障者続出で、ケガ人を除いたトップチームの選手が25人しかいないのに、
そこから7人が離脱となると、まともなチーム編成ができないだろうから、
試合を延期した方がいいレベルじゃないだろうか。
そんな状況でガンバが臨むのは柏レイソルとのアウェイゲーム。
ただでさえも相性の悪い日立台での試合なのに、
柏はこの試合をクラブ創設30周年記念試合と位置付けているので、
ホームでのメモリアルマッチに高いモチベーションで臨んでくるだろう。
ただ、だからと言って、ただの斬られ役として日立台に乗り込むのも癪なので、
かつて名古屋のクラブ創設20周年記念試合を盛大にクラッシュした時のような、
空気を読めないガンバの再登場に期待したいところだ。
一森の無敵状態、継続中
梅雨を思わせるような高温多湿の日立台に乗り込んだ青黒の11人は以下の通り。
![](https://pdnannex.com/wp-content/uploads/2022/05/20220514_ガンバ大阪-644x644.png)
ベンチに南野や桒原といったユース所属の選手が入っているあたりに、
今回のコロナ禍の影響が見て取れたけど、
スタメンの顔ぶれを見る限りは戦力ダウンを最小限に食い止めた印象。
スタメン次第では防戦一方の試合展開になることも覚悟していたけど、
左サイドの黒川と山見を起点に柏のゴールに迫り、
山見が惜しいループシュートを放つなど、良い試合の入り方が出来たように思う。
ところが、クォン・ギョンウォンが全く不要なファウルでFKを与えると、
キッカーのマテウス・サヴィオがポスト直撃のシュートを放ったあたりから、
試合展開は一変し、ガンバが守勢を強いられる展開に。
これを受けて柏の30年の歴史の一部でもある片野坂監督は、
石毛と山見のポジションを入れ替えるも、
それまでチャンスが作れていた左サイドが機能しなくなってしまった。
そんな状況で気を吐いたのが守護神・一森。
スルーパスに抜け出した細谷が一森と1対1の場面を迎えるも、
見事な距離の詰め方でシュートストップした場面は前半のハイライトだった。
東口の故障によりチャンスを掴んだ形の一森だけど、
札幌戦以降の一森は、まさにスターを手にしたスーパーマリオ状態。
東口が戦線復帰してもベンチに座らせておくには勿体無いほどのプレーをしているので、
片野坂監督にとっては良い意味で頭が痛いんじゃないだろうか。
スカウティングが引き寄せた勝利への運
前半をスコアレスで折り返したガンバは、後半から石毛に代えて三浦を投入し、
布陣を4−4−2から3−4−2−1に変更。
流れが悪い時に3バックにすると、余計に流れが悪くなってしまうことが多いので、
この布陣変更には疑問だったのだけど、この試合に関しては、
柏と同じ3バックにしたことで選手の配置が噛み合い、守備が安定。
しかしながら、前線の枚数を削ったことで、攻撃には引き続き迫力を欠き、
柏の攻撃を耐え忍ぶ時間帯が続いていたのだけど、そんな中、試合が動いたのは後半24分。
右サイドから山見がクロスをあげると、
中で競り合ったレアンドロ・ペレイラと上島の頭同士が激しくぶつかりあい、
お互い治療のためにピッチの外へ。
一時的に10人対10人となった状況で得たCKを山見がファーサイドに送ると、
このボールを中央からファーサイドに流れたクォン・ギョンウォンが左足で折り返す。
ゴール前にいた三浦はこのボールに触れなかったけど、こぼれ球をダワンが蹴り込み、
なんと劣勢を強いられていたガンバが先制。
ラッキーなゴールだと思っていたけど、試合後のダワンのインタビューで、
この試合に向けて準備していたセットプレーの形だったと言っていたので、
決めたダワンだけでなくコーチ陣にも賛辞を送りたいね。
その後の柏の猛攻にヒヤヒヤしながらも1点リードを守り抜き、今季初の連勝を飾ったガンバ。
後半アディショナルタイムにゴールポストを叩いた三丸のヘディングシュートは、
失点を覚悟したわ。
ゴールに向かって走りながら、自分の背中側から来るボールをヘディングして前に飛ばすなんて、
敵ながら見事なヘディングだったね。
そんな中で、軽率なボールロストや、緩慢な守備が目立ったウェリントン・シルバには、
逆サイドで守備に奔走していた南野の爪の垢を煎じて飲ましてやりたいね。
先月のスコアレスドローの借りを返す時
おそらく柏のフロントがクラブ創設30周年記念試合の対戦相手として、
特に縁が深いわけでもないガンバを選んだのは、
「日立台で相性の良いガンバなら勝てるだろう」という目論見があったのかなと思うんだけど、
ごあいにく、その期待に応えることはできませんでしたね。
ただ、勝ったとは言っても、ポストと一森に救われた感は否めないし、
コロナに感染して離脱しているメンバーが戻ってくるのもまだ時間がかかると思うので、
全然楽観視は出来ないけどね。
そんな状況で迎える来週末の大阪ダービー。
もし負けるようなことがあれば、負けたという事実だけが後世に語り継がれるだけで、
コロナでガンバがベストの布陣を組めなかったことなんて、すぐに忘れ去られるもの。
不本意ながら敗退が決まって消化試合になった、
ルヴァンカップグループステージの鹿島戦がミッドウィークにあるので、
ヨドコウで勝利の歴史を刻むため上手く活用してほしいと思います。
柏レイソル0ー1ガンバ大阪
’71 ダワン