【明治安田生命J1リーグ16節 サガン鳥栖vsガンバ大阪】水曜日に試合をしなかったのはどっちだっけ?
いつも駅前不動産は接待してくれない
憎き相手に大敗を喫しただけでなく、
試合終盤の味方同士の口論や試合後のサポーターの違反行為なども重なり、
例年以上に後味の悪い試合になってしまった大阪ダービー。
そんな試合から中3日で迎える広島戦は、
クラブに漂う暗雲を払拭するために重要な試合だと思っていたのだけど、
広島のチーム内で新型コロナウイルスの感染者が複数発生したとのことで延期になってしまった。
広島には気の毒ながら、
思いもよらぬ形で試合間隔が1週間空いた我らがガンバ大阪の今節の対戦相手はサガン鳥栖。
苦手な駅前不動産スタジアムでの試合になるけど、
水曜日に繰り広げた鹿島との壮絶な打ち合いのダメージが残っていることに期待して、
日程のアドバンテージを生かして優位に試合を進めたいところだ。
日程が味方しているのはどっち?
J1リーグ第16節の試合で一番遅い時間にキックオフの笛が吹かれる試合に臨んだ、
青黒のスタメンは以下の11人。
新型コロナウイルスに感染していたと思われるパトリック、小野瀬、齊藤の3人が復帰。
年代別の代表に招集された中村仁郎の欠場は予想していたけど、
昌子と一森がベンチにも入っていなかったのはケガだろうか?
先述の通り、この試合はガンバの方が日程面で有利なので、
元気なうちに先制点を奪って楽に試合を進めたい鳥栖が、
飛ばし気味に試合に入ってきたのは予想通り。
ガンバも何度かボールを奪って攻撃に転じたい場面はあったのだけど、
鳥栖の守備の網にかかってなかなかボールを前に運ぶことが出来ない。
そんなことをしているうちに、齊藤が自陣の低い位置でパスミスを犯し、
昨季までガンバに所属していた小野裕二にあわやというシュートを放たれると、
その直後には、この試合で左CBに入った藤春が前に上がっている状況で、
3バックの中央でプレーしていたクォン・ギョンウォンがボールへのチャレンジに失敗。
クォン・ギョンウォンと入れ替わって右サイドをドリブルで駆け上がった宮代は、
外をオーバーラップしてきた飯野をシンプルに使うと、
飯野があげたグラウンダーのクロスはゴール前に走り込んだ堀米の足元にピタリと合い、
鳥栖が先制に成功。
SBタイプの選手を3バックの左右で起用するのは、
片野坂監督が大分時代からよく採用していた形だけど、
藤春って良くも悪くも左SBしか出来ない選手だから、CBでの起用は愚策だったと思うわ。
今のガンバでSBとCBの両方に適応可能なのって髙尾と福岡だと思うんだけど、
あまり積極的に起用されていないところを見ると、
彼らは片野坂監督の構想には入っていないんだろうか?(それともケガしてんのかな?)
その後は、先制したことでペースを落とした鳥栖を相手に、
パトリック目掛けたロングボールから何度か攻撃の糸口を見つけ出そうとするも、
同点ゴールは生まれず、1点ビハインドでハーフタイムを迎えることになった。
今回ばかりはベンチにも言いたいことがある
1点を追うガンバは後半から攻勢に出る。
右サイドから山見があげた低空のクロスをパトリックが合わせたり、
左サイドに流れた小野瀬のクロスをパトリックが胸で落として齊藤がシュートを打つなど、
前半には無かった攻撃が見られるようになる。
すると、小野瀬のスルーパスに抜け出した齊藤が右サイドを駆け上がると、
ゴール前にはパトリックと山見の2人。
ニアに走り込んだパトリックが囮になって鳥栖のディフェンスを引きつけると、
ファーサイドでフリーになった山見へ齊藤がドンピシャのクロスを供給し、
ガンバがスコアを振り出しに戻すことに成功。
先日の大阪ダービーでヘディングでゴールを決めた時は、
「初めてのヘディングでのゴール」と言っていた山見だけど、
2試合連続のヘディングでのゴールになったね。
ただ、日程面を考えると、ここから鳥栖が再びギアを上げることは難しいので、
ガンバとしては同点ゴールの勢いをそのままに畳み掛けたいところだったのだけど、
なぜか片野坂監督は黒川に代えてCBの佐藤を投入し、
藤春のポジションを左WBに移すという、バランスを考えた交代をしたのみで引き続き静観。
山見が足を攣った場面では、
ベンチにはレアンドロ・ペレイラやウェリントン・シルバ、石毛もいるのに、
なぜかユース所属の南野を投入して攻撃の勢いを削ぐ始末。
きわめつけは、同点ゴールの場面では良いプレーを見せたとはいえ、
前半の自陣でのパスミスや、後半の早い時間帯でのシュートミスなど、
全体的にミスが多かった齊藤を試合終盤まで引っ張った挙句、
鳥栖の勝ち越しゴールの起点となるFKに繋がるファウルを犯してしまった。
今季のガンバの低調な戦いを振り返っても、ケガ人の多さやチーム編成の歪さなど、
片野坂監督に対しては同情することが多かったのだけど、
この試合の采配については、はっきり言って納得できない。
再び1点ビハインドとなった後半アディショナルタイムに、
ようやく齊藤と小野瀬に代えて奥野とレアンドロ・ペレイラを投入したけど、
時すでに遅しという感は否めなかったね。
負けてもともと、トリコロールに玉砕覚悟
神戸と柏に2連勝してようやく掴んだかのように見えた流れは、
セレッソと鳥栖に連敗を喫してすっかり手放してしまったように見える。
そんなよろしくない状況で、次節ホームに迎えるのは、
今節、磐田相手にアウェイで完勝を収め、首位に立った横浜F・マリノス。
まあ、今のガンバのチーム状況を考えると、
まともにやりあって勝てるとは思えない相手だけど、
幸か不幸か、インターナショナルマッチウィークでリーグ戦は3週間ほど試合間隔が空くので、
その間にミニキャンプを張るなりしてチーム力の向上に努めてほしい。
6月18日はガンバがパナソニックスタジアム吹田で意地を見せてくれることを期待したいね。
サガン鳥栖2ー1ガンバ大阪
’19 堀米勇輝
’58 山見大登
’88 ファン・ソッコ