【明治安田生命J1リーグ19節 ガンバ大阪vs浦和レッズ】ゴール目前で力尽きた青黒

鈍感な強化部にも危機感という感情があった

水曜日の広島戦に勝利して順位を12位に上げた我らがガンバ大阪。

とは言え、自動降格圏の17位清水との勝ち点差はわずかに3という、
気の抜けない状況にあるチームに鈴木武蔵という新戦力が加わった。

アビスパ福岡の山岸祐也へのオファーは断られたみたいだけど、
以前から噂になっていた食野の復帰はほぼ確実だし、
あとは、チュ・セジョンが戦力として計算できず、
右膝軟骨損傷の山本の復帰の目処が立たない現状を踏まえると、
ゲームメイカータイプのボランチが1枚欲しいところやね。

そんな具合で移籍市場での動きが活発になってきたガンバが今節ホームに迎えるのは、
昨季から積極的に補強に動いているにも関わらず、
ここまでガンバと勝ち点1差で10位の浦和レッズ。

2月に埼玉スタジアムで対戦した時に決勝点を挙げた福田はいないけど、
新たなヒーローの登場でシーズンダブルといきたいところだ。

作戦名はツインターボ

7日間で3試合目となる一戦で、片野坂監督が選んだスタメン11人は以下の通り。

なんと、夏場の連戦の真っ最中にも関わらず、
水曜日の広島戦のスタメンからダワンと山見が外れて奥野と石毛が入ったのみで、
残りの9人は同じ顔ぶれが名を連ねた。

ビハインドを追いかける試合展開になるとどうしても体力を使うので、
先制点を取って試合の主導権を握りたいのは日程面で分が悪いガンバの方。

そんなガンバが先行逃げ切りを狙って、
かなり飛ばして試合に入ったのは理に適ったゲームプランだったと思う。

浦和のビルドアップに対してマンツーマン気味に前線からプレスをかけ、
高い位置でボールを奪ってショートカウンターという攻撃がハマり、
早い時間帯から倉田や小野瀬にシュートチャンスが訪れる。

前半だけでシュート数が2桁を超えるという、
1ヶ月前のガンバからは想像も出来ないほど浦和を攻め立てるも、
なかなかゴールを奪えずにいたけど、前半33分に試合が動く。

岩尾のCKをキャッチした東口が、前を走る坂本にボールを転がして渡すと、
そこからロングカウンターが発動。

ピッチの半分をドリブルで運んだ坂本から、左サイドに開いた石毛にボールが展開されると、
石毛の右足から放たれた糸を引くようなフィードの先にいたのは齊藤未月。

齊藤は胸トラップから右足を振り抜いて西川が守るゴールを破り、
ガンバに欲しかった先制点をもたらしてみせた。

昨季のホーム鳥栖戦で宇佐美が決めたゴールにも負けずと劣らない、
素晴らしいロングカウンターだったね。

その後、小野瀬のパスを受けた倉田がゴールネットを揺らすも、
VARのチェックにより取り消されて前半のうちに追加点とはならず。

結果的に、体力のある前半のうちにもう1点取れなかったことが、
この試合の結末に大きく関わることになってしまった。

指の隙間からすり抜けていった勝ち点2

前半を1点ビハインドで終えた浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、
後半からCBのショルツと岩波の立ち位置を左右逆にし、
小泉と宮本に代えてモーベルクと酒井を投入し、右サイドをテコ入れしてきた。

この交代が機能したのと、徐々にガンバの選手たちの運動量が落ち始めたのも相まって、
前半ほど攻勢に出れなくなってしまった。

これを受けて片野坂監督は、後半14分に奥野と黒川に代えてダワンと藤春、
後半26分には倉田と福岡に代えて髙尾と昌子を投入するも、
流れを引き戻すどころか防戦一方の試合展開に。

そんな中でもなんとか失点せずに試合を進めていたガンバだったけど、
後半もアディショナルタイムに入ろうかという時間帯に、
ペナルティエリアの右でボールを受けてドリブルを仕掛けてきた松尾を、
三浦が倒してしまいPKを献上。

ショルツの蹴ったPKは東口がコースを読んでいたものの、
シュートスピードが速かったため触ることが出来ず、スコアを振り出しに戻されてしまった。
(歌を歌いたいんだったら家に帰ってからにしましょうね、赤い人たち?)

まあ、2点目を奪えなかった攻撃陣にも非があるし、
試合終盤で体力的に厳しかったのは重々理解出来るけど、
右足でボールを持っている選手に左後方からスライディングに行っても、
相手の左足を引っ掛けてしまうだけなので、あの場面は我慢して欲しかったな。

世の中はギブアンドテイクさ

結局、試合はこのまま終わり、勝ち点1を分け合うという結果に。

このまま浦和に勝って勝ち点3を積み上げたから、
残留争いから抜け出して中位も窺えるかななんて試合中に考えていたのだけど、
そんなに甘くはなかったね。

意にそぐわぬ形で残留争いに留まることになったガンバの次節の対戦相手は、
こちらも残留争いの渦中にいる湘南ベルマーレ。

西川からゴールを決めた齊藤は契約上の関係で湘南との試合には出場できないので、
代役を務めるであろう奥野の奮起に期待したいところやね。

4月に吹田で対戦した時は、
山口智監督の誕生日のお祝いに今季初勝利をプレゼントしてしまったので、
次の水曜日にはそのお返しを受け取りに平塚に伺わせてもらおうと思います。

ガンバ大阪11浦和レッズ
’33 齊藤未月
’90+2 アレクサンダー・ショルツ