【天皇杯3回戦 モンテディオ山形vsガンバ大阪】半田の面子を潰すかのような馬鹿試合の末の敗戦

山形ユースの最高傑作の帰還
昨晩閉幕したE-1選手権の余韻も残る中、
ガンバ大阪はモンテディオ山形との天皇杯3回戦の試合に臨んだ。
山形と言えば、ガンバの不動の右SB・半田陸の古巣。
E-1選手権にはガンバの選手は誰も召集されなかったけど、
もし半田がE-1選手権のメンバーに選ばれていたら、
今回の凱旋は実現していなかったので、これはこれで良かったのかもしれない。
ただ、半田は本来だったらとっくに海外に羽ばたいていてもおかしくない選手なので、
まだガンバでプレーが見られるのは嬉しいやら、
ステップアップさせられなくて山形の人たちに申し訳ないやらで、
正直複雑な心境なんだけども、この試合では一旦そんな感情は抜きして、
ガンバでの2年半で成長した姿を故郷に人たちに見せて欲しいと思う。
いま、いま、今ここで
大阪ダービー勝利の心地良い余韻から目を覚まし、
千駄ヶ谷のピッチに忘れ物を取りに行く戦いに臨む青黒のスタメン11人は以下。

凱旋試合の半田はこの日も当たり前のようにスタメンを飾る一方で、
逆サイドは中野を抜擢し、黒川は週末の川崎戦に備えてベンチスタート。
ただ、中野の前にアラーノという左サイドの並びは、
3月のルヴァンカップの高知戦では全然機能しなかったので、
この時からちょっと嫌な予感はしていたんだけども・・・。
リーグ戦から中3日の山形が高い強度で試合に入ってきたのに対し、
大阪ダービーから中10日試合間隔が空いて休養十分なはずのガンバは、
半分寝たままピッチに入ってしまったようで、序盤から山形の攻撃を受ける場面が続く。
それでも、アラーノのクロスにインナーラップした半田が飛び込む場面を作り、
ここから流れが変わるかなと思っていたら、
右サイドから切れ込んできた氣田に決められ、前半20分に先制点を献上。
カテゴリーが下の相手だとアラーノがすぐに自分のポジションを留守にしてしまうので、
この日も中野が氣田と川井の2人を1人で見るような形になってしまっていたけど、
中野に同情する部分はあるものの、それを差し引いてもあまりにも軽すぎる守備対応だった。
その後もガンバの左サイドは狙われ続け、
今度は、アラーノがヘディングでのクリアを空振りして氣田にボールが渡ると、
誰も氣田に寄せる事ができず、ミドルシュートを叩き込まれてしまった。
(そもそもこの場面でもアラーノと中野の位置関係がおかしいんだけど)
2発殴られてようやく目が覚めたようで、ようやく強度を上げて前に出始めたガンバ。
それでも、なかなか決定機が作れないな〜なんて思っていたら、
ジェバリが今季のガンバ初のCKからの得点となるヘディングシュートを決めて1点を返す。
結局、1点ビハインドで前半を折り返すことになったけど、
この1点を後半の反撃の狼煙になれば良いと思う前半だったね。

ワーカーホリックのガンバはこの日も残業を希望
後半に逆転を期すガンバは、後半頭から中野に代えて黒川を投入。
まあ、実質懲罰交代だけど、黒川も守備が上手いわけじゃないから、
そこまで試合の流れは変わらないだろうな、と思っていたら、
その黒川のゴールで同点に追いついてしまうんだから、
お見逸れしましたとしか言いようがない。
その後もガンバの決定機は続き、岸本が右サイドから完璧なクロスをウェルトンに送るも、
このクロスをウェルトンが大きく枠外に外してしまい、勝ち越しならず。
相変わらずのウェルトンのシュートの下手さにズッコケてしまった場面だったけど、
そのウェルトンはお詫びにとばかりに得意のドリブル突破からゴール前でFKを獲得する。
すると、このFKをジェバリが切手を貼る位置に見事に沈め、
なんと試合をひっくり返してしまった。
昨季の町田との開幕戦の宇佐美を彷彿とさせるような精度の高いFKだったけど、
歓喜よりも、「ジェバリそんなこと出来たのか?!」という驚きの方が勝って、
なんだか笑いがこみ上げてくるプレーだったね。
あとはアディショナルタイムも含めて20分強を逃げ切ればいいのだけど、
それが出来ないのが今季のガンバ。
リードを奪ってから5分後にゴール前の混戦から高橋に押し込まれてしまい、
またしても試合を振り出しに戻されてしまった。
まあ、追いつかれてしまったのは仕方ないので、
またリードを奪うべく攻勢に出たいところだったけど、
故障による長期離脱明けでまだスタミナが戻っていないのか、
交代枠を使い切った状況で三浦が脚を攣って動けなくなってしまう。
さらに追い討ちをかけるように、後半のアディショナルタイムに入ったところで、
ハイボールの処理を試みて高く上げた安部の足が吉尾の顔面にヒットしてしまい、
このプレーで安部は一発退場に。
センターサークル付近であれだけ足を高く上げる必要はなく、
全く不必要なプレーだったので、安部には猛省を促したいね。
実質9人になってしまったガンバだけど、なんとか後半終了まで持ちこたえ、
勝敗の行方は延長戦に委ねられることになってしまった。
延長戦になると追加される1枚の交代枠で、
動けなくなった三浦を交代できるのはありがたいのだけど、
この試合は天皇杯のため、リーグ戦では出ている山形駅行きのシャトルバスが無く、
延長戦を見たらホテルに帰れなくなってしまうため、
自分はガンバサポ歴20年以上で初めて試合終了を待たずにスタジアムを後にすることに。

国立の忘れ物はもういいから残留を目指そう
足を攣って以降、前線で置物になっていた三浦に代え、延長戦前半から福岡を投入したガンバ。
ただ、実質9人が10人になっただけで山形より1人少ないのは変わらず、
長い時間守勢を強いられるのは致し方なし。
それでも、なんとか延長戦後半まで持ちこたえ、
あともう一踏ん張りでPK戦まで持ち込める、と思っていたら、
延長後半11分に吉尾に左足でミドルシュートを決められてしまう。
これで万事休すか、と思ったのだけど、
ウェルトンのドリブル突破から得たFKを宇佐美がゴール前に送ると、
ゴール前の混戦でゴールラインを割りそうになったボールを岸本が折り返し、
中谷の左足での同点ゴールをお膳立て。
中谷はガンバサポーターが集うアウェイゴール裏に駆け出そうとしたけど、
脚が攣ってしまってまともなセレブレーションが出来なかったところを見ると、
もうスタメンで出ている選手たちは限界に来ていたんだろうね。
結局、試合は延長戦でも決着がつかず、ついにPK戦に突入。
一森はPKが上手いので、PK戦に持ち込めばなんとかなると思っていたのだけど、
一森が山形の選手のPKを一本も止められなかった一方で、
山形のヒュワード=ベルはガンバの1人目のキッカーの宇佐美のシュートをセーブすると、
5人目のキッカーの満田のシュートはポストに弾かれ、勝負あり。
ガンバに来てからいまだにゴールもアシストも0の満田は、
PKでもゴールネットを揺らせないのか、と思ってしまったけど、
先述の中谷のゴールの場面然り、スタメンで出ていた選手の消耗はピークだったと思うので、
正直、満田を責めることは出来ないね。
個人的には前半の易い2失点がこの試合の全てだったと思う。
そして、120分間の戦いを終えたガンバは、中3日でホームに川崎フロンターレを迎える。
何やら川崎も、J3の相模原相手に延長まで持ち込まれ、
PK戦の末に敗れるという試合をしたようなので、
コンディション的に厳しいのはお互い様と言ったところか。
正直、カップ戦のタイトルを2つとも失い、リーグ優勝も遥か彼方と、
今季のこれからの戦いに目標を見出せない状況だけど、
マリノス、新潟、横浜FCあたりの降格圏のクラブが積極的に補強を行っているので、
とりあえずJ1残留を確定させたいところやね。
モンテディオ山形4ー4ガンバ大阪
PK(4ー3)
’20 氣田亮真
’30 氣田亮真
’40 イッサム・ジェバリ
’60 黒川圭介
’73 イッサム・ジェバリ
’78 高橋潤哉
’116 吉尾海夏
’120+2 中谷進之介







