【明治安田生命J1リーグ30節 ヴィッセル神戸vsガンバ大阪】絶対に負けてはいけない試合で負けてしまったわけですが

正真正銘のシックスポインターズ

我らがガンバ大阪の2022年シーズンで最も重要と言ってもいい試合がやってきた。

昨日、福岡が清水を降したことで暫定ながら順位を16位に下げたガンバの今節の試合は、
残留争いの直接のライバルとなる17位のヴィッセル神戸とのアウェイゲーム。

片野坂前監督解任のきっかけとなった8月の清水戦や、
カップ戦も含めて1勝も出来なかった大阪ダービーなど、
今季のガンバはここ一番という試合でことごとく勝てていないけど、
この6ポイントマッチがガンバが来季もJ1で戦えるかどうかの試金石になると思うので、
青黒の戦士たちにはタイトルがかかった試合と同じ気概でピッチに立って欲しい。

動の神戸と静のガンバ

嵐が近づく御崎公園のピッチに立った青黒のスタメン11人は以下の通り。

前節のFC東京戦で脳震盪を起こして途中交代した三浦の出場がどうなるか心配だったけど、
何事も無かったかのようにスタメンに名前を連ねてきたので、
結果的に前節と同じスタメンになったね。

FC東京戦では序盤から積極的にプレスをかける場面も見られたガンバだったけど、
重要な試合に臨むにあたり先制点を献上することは許されないと判断したのか、
この試合では自陣で守備陣形を整えて神戸の攻撃を待ち受けるような戦い方を選択。

ガンバと同様に前の試合と同じスタメンでこの試合に臨んで来た神戸は、
日程面で不利ということもあってか、
体力がある前半のうちに先制点を奪って試合の主導権を握りたいという狙いが見え、
序盤からかなりのインテンシティをもってガンバ陣内に攻め込んで来た。

そのせいで、攻める神戸と守るガンバというコントラストが色濃い序盤となった。

すると、小林祐希が右サイドからあげたクロスに対し、
武藤と東口が競り合ってボールが溢れると、これを武藤が押し込んで神戸が先制
・・・と思いきや、これは武藤の東口へのキーパーチャージという判定でノーゴールに。
(ルールブックにはキーパーチャージという言葉はもう無いらしいけどね)

その後、神戸の守備の要であるマテウス・トゥーレルが負傷交代するなど、
ガンバに好都合な出来事が起こるものの、そのガンバのパフォーマンスは一向に上がらず。

右サイドは、ファン・アラーノ、齊藤、髙尾の3人で崩す場面は見られるんだけど、
藤春と黒川のどちらを起用するにしても、
左サイドが機能していないのは松田監督になってからずっと。

前半40分過ぎに黒川が左サイドをドリブル突破してクロスを上げたように、
黒川だと個で突破できるので藤春よりは見栄えはいいけど、
コンビネーションという面ではどちらを起用しても大して変わらないように思う。

まあそうは言っても、前半30分過ぎぐらいから、自陣に引いてブロックを作っていたガンバが、
高い位置でボールを奪うように戦い方をシフトさせてから、
徐々に敵陣でプレーする時間も長くなっていたので、
前半終盤のイメージで後半もプレーすれば、
後半に得点することも可能じゃないかという感触はあった。

一度崩れたプランは立て直せず

ハーフタイムで選手の入れ替えを行わなかったガンバに対し、
神戸は、動きが良いように見えた小林祐希と佐々木に代えて、
大迫と小田を投入するという積極的な采配を敢行。

トゥーレルの負傷で前半で既に1枚カードを切っているのに、
残り45分というこの時間帯でさらに2枚代えるなんて、
吉田監督は随分と大胆な采配をするなぁなんて思っていたら、
スコアを動かしたのは選手交代が無かったガンバの方。

齊藤のスルーパスに抜け出した黒川が、
左サイドの深い位置から低くて速いクロスをGKとDFラインの間に送ると、
ニアサイドで合わせたのはレアンドロ・ペレイラ。

前半は沈黙していた左サイドでのコンビネーションも見事だったけど、
FC東京戦のペレイラの献身的なプレーが1試合遅れて報われた形になったのも良かったね。

日程的に不利な神戸がここからギアを上げてくることは考えづらかったので、
1点を守りつつ、カウンターであわよくば2点目といきたかったのだけど、
その思惑に反して、神戸の猛攻に晒されるガンバ。

いつ同点にされてもおかしくないような試合展開が続いたけど、
神戸の選手のシュートミスにも助けられ、なんとか無失点で凌ぐことに成功。

後半30分を過ぎたあたりから神戸の攻勢が弱まってきたので、
選手交代を使いながら試合を落ち着かせたいと思っていたら、
後半25分に食野との交代でピッチに入っていた福田が、
ペナルティエリア内で武藤を倒して痛恨のPK献上。

このPKを大迫に決められ、試合を振り出しに戻されてしまった。

福田はセットプレーのこぼれ球を拾ってカウンターに繋げたかったんだろうけど、
死角から出てきた武藤の足を意図せずに蹴ってしまった感じだったね。

脱臼した5月のホームでの神戸戦といい、福田は神戸戦で受難する運命なんだろうか。

ただ、失点してしまったものは仕方がないので、
気を取り直して勝ち越しゴールを奪いに行きたいところだったのだけど、
敵陣深くで得たセットプレーもキッカーの小野瀬のキックが精度を欠き、得点には繋がらず。

このまま引き分けかななんて思っていたら、
福田と同じタイミングでパトリックに代わってピッチに入っていた鈴木武蔵が、
バックパスをあろうことか武藤に渡してしまうと、
その流れからまたしても大迫に決められてしまい、勝負あり。

交代選手が得点に絡んだ神戸と交代選手が失点に絡んだガンバ。

かつて師弟関係で戦った両軍の指揮官だけど、
この試合では命運がくっきりと分かれてしまったね。

危険水域に浸かったまま2週間のブレイクに入る

絶対に負けてはいけない試合に負けたガンバは、これで自動降格圏の17位に転落。

名古屋戦、福岡戦と連勝した時には、
一気に残留を手繰り寄せたかのように見えたのも遠い過去の話のように思えてくる。

残り4試合の対戦相手は、柏、マリノス、磐田、鹿島と、
どのチームも今のガンバにとっては厳しい相手だけど、
こうなってしまった以上、毎試合ベストを尽くして1つでも多く勝ち点を積み重ね、
最終節のカシマスタジアムで運命に身を委ねるしかない。

幸い、次節のホーム柏戦まで2週間の準備期間が用意されているので、
その間に少しでもチーム力を高められるように取り組んでほしいと思います。

ヴィッセル神戸21ガンバ大阪
’55 レアンドロ・ペレイラ
’82 大迫勇也
’90+3 大迫勇也