【明治安田生命J1リーグ34節 浦和レッズvsガンバ大阪】終わってみればそんなに悪くない順位にいる不思議

2020年11月1日

ナショナルダービーよ再び

思えば、お互い2018年シーズンの終わり方はポジティブなものだった。

最終節こそ既にJ2降格が決まっていた柏相手に敗戦を喫したものの、
それまでのリーグ戦で9連勝を記録したガンバと、2018年シーズンの天皇杯を制した浦和。

それだけに、今年の2月に2019年シーズンの日程が発表された時に、
最終節に埼玉スタジアムで浦和とガンバの試合が組まれているのを見た時は、
Jの覇権を懸けて対戦した2006年シーズンの最終節を想起させるものがあった。

ところがそんな期待に反し、2019年シーズンの最終節は、
優勝争いにも残留争いにも関係無い試合として迎えることになってしまった。

かつてガンバと浦和の試合と言えば、タイトルの行方を占う大一番であったはず。

あの独特の緊張感に満ちた満員のスタジアムで、
青黒と赤のユニフォームが対峙していた日を遠い過去にしてはいけない。

井手口不在をカバーした浦和の低調なパフォーマンス

体調不良で井手口が直前にこの試合を欠場することになり、ベンチメンバーは6人のガンバ。

その6人の中に高木大輔がいるにも関わらず、スサエタやコンチャがいないあたり、
来季のチーム編成が垣間見えることに一抹の寂寥感に苛まれるね。

井手口不在の影響で、中盤の守備の強度が心配だったけど、
この試合の浦和の攻撃の迫力では気にもならなかった。

前日に父親が亡くなったことで興梠がこの試合を欠場した影響はあるのだろうけど、
マルティノス、柏木、長澤という純粋なFWが不在の前線のスカッドは、
他サポの目から見てもさすがに厳しい。

と、言うか、浦和には月額2980円という割高なSNSサービスをやっている長身FWがいるのに、
エース不在のこんな状況でもベンチに座らされているなんて、
彼は何をしに大阪から埼玉に引っ越したんでしょうかね。

そんなチグハグな浦和相手にガンバが宇佐美のゴールで先制するのは、
もはや必然のシナリオだったと思う。

浦和に流れを渡さなかった粘りの試合運び

その後もガンバがボールを支配する時間帯が続いたけど、
結局、前半に挙げたゴールは先述の宇佐美のゴールの1点だけ。

先日の大分戦もそうだったけど、先制した後に追加点を奪うチャンスがあったにも関わらず、
それらをモノに出来なかったことで、後半の試合運びを難しくしている。

この試合でも、柏木の見事なFKから試合を振り出しに戻されたり、
試合終了間際に許したファブリシオにゴールが、
アディショナルタイムの浦和の猛攻の呼び水になったりと、
決して良い試合運びができたとは言えない。

ただこの試合では、柏木の同点ゴールの直後にアデミウソンが勝ち越しゴールを挙げたり、
倉田に代わってピッチに送り出された福田がJ1での初ゴールを挙げて加点するなど、
浦和に流れが行きかけたところでしっかりとチャンスをモノにすることが出来た。

アデミウソンは自身のキャリア初の2桁ゴールだし、
2019年の宮本ガンバを象徴する福田と矢島のこの試合での活躍は、
2020年シーズンへ向けてのポジティブな材料だと思う。

あ、ちなみに矢島の恩返しゴールは、
来季の対戦に向けて取っておいたって言う理解で良いのね?

See You Next Season

試合後の浦和の立花社長の挨拶の際に、
ホームゴール裏に掲げられたチームを糾弾する横断幕と、埼スタに響いた大ブーイング。

昨年も日立台で同じような光景を見せられたなと思って眺めていたのだけど、
ブーイングされるとわかっていながら、
球団のトップとしてちゃんと挨拶に出てくる社長は偉いよなと思う。

調子が悪い時は表に出て来ないくせに、調子が良い時は勘違いして挨拶に出てくる、
某大阪のサッカークラブの社長にもその姿勢を見習って欲しいものだわ。

まあ、社長に対する愚痴はこの辺にしておいて、今季のガンバの最終順位は7位。

勝ち点こそ昨季には及ばないものの、
シーズン序盤と夏場にあれだけクソみたいな試合を続けていたことを思うと、
意外と悪くない順位で2019年シーズンを終えることが出来たと言うのが正直な感想。

ただ、ガンバ大阪というクラブは、
優勝争いに絡むことなく終えたシーズンに満足してはいけない。

来季こそは宮本監督が初タイトルを手に出来るように、
今オフは、フロント、選手ともに良い準備をして欲しいと思う。

浦和レッズ23ガンバ大阪
’9 宇佐美貴史
’62 柏木陽介
’64 アデミウソン
’88 福田湧矢
’90 ファブリシオ