【アジアチャンピオンズリーグ グループステージ3節 チェンライvsガンバ大阪】タイ勢との苦闘の歴史に加えられた新たな1ページ
タイのクラブとの苦戦の歴史
ACLグループステージに臨む我らがガンバ大阪の今節の対戦相手はチェンライ・ユナイテッド。
ガンバはこれまでもACLでタイのクラブと対戦しているけど、
その時のことを思い出そうとすると、苦しい記憶と共に蘇ってくる。
最終的にアジアチャンピオンに輝いた2008年は、グループステージでチョンブリと対戦し、
アディショナルタイムのルーカスのゴールで辛くも引き分けたり、
準決勝まで勝ち進んだ2015年は、グループステージでブリーラムと対戦し、
現・マリノスのティーラトンに、ホーム&アウェイどちらでもゴールを決められている。
今回対戦するチェンライとは初対戦なのでどういうチームかはわからないけど、
確実に勝ち点3を計算できる相手ではないというのは間違い無いと思う。
プラチナ世代のガラスのストライカー
チェンライと対戦したガンバのスタメンは以下の通り。
![](https://pdnannex.com/wp-content/uploads/2021/07/20210701_ガンバ大阪.png)
中2日の連戦が続いているのである程度メンバーの入れ替えはあると思っていたけど、
直近の全北現代戦でスタメンだったのはCBのキム・ヨングォンだけで、
他の10人を全員入れ替えてくるなんて、松波監督はやることが極端すぎるんじゃないだろうか。
ガラッとメンバーを入れ替えたので、連携面に懸念があったけど、
右のシャドーに入った小野が良いフリーランニングで敵陣のスペースを突き、
チェンライの守備陣を撹乱させていたね。
まあ、シュートが下手なのがこの小野裕二という選手の残念なところだけど、
それでも何度か良い攻撃の形は出来ていたので、
そのうちゴールは決まるだろうなと思っていたら、その小野がまたしても負傷し、一美と交代。
一美の動きも悪く無かったけど、小野と比べると右サイドに張っている時間が長く、
ペナルティエリアに進入してくる動きが少なかったので、
チェンライのDF陣はそれほど怖く無かったんじゃないだろうか。
(ベンチの指示だったのか、それとも本人の判断だったのかは定かではないが)
それにしても、小野はなんでこうもケガが多いのだろうか。
全北戦で出色のパフォーマンスを見せながら、後半の早い時間帯に交代になった藤春も、
この試合でベンチにも入っていないところを見るとまた戦線離脱っぽいし、
負傷していた選手たちが復帰してきて、駒が揃ってきたと思ったら、
また駒不足になるなんて、松波監督も頭が痛いだろうね。
まあ、昨季のオフからサイドの選手層の薄さを指摘されながら、
「福田は両サイドできるから」と言って補強をしなかったのは、
当時の強化部長だった松波監督本人なので、自業自得と言えなくもないけど。
すり抜けていった勝ち点2
スコアレスでハーフタイムを迎えたガンバだったけど、後半の早い時間帯に先制に成功。
右サイドの深い位置まで進入した一美が後ろの佐藤にボールを戻すと、
佐藤がワンタッチで上げたクロスにレアンドロ・ペレイラが合わせてGET。
この場面のように、3バックの左右のCBが攻撃参加すると、
攻撃の良いアクセントになると思うのだけど、
いつも左CBのポジションで攻撃の起点になっているキム・ヨングォンを、
3バックの中央で起用して、左に菅沼を起用しているあたり、
松波監督の頭の中ではあまりその形は想定していないのだろうか。
まあ、何はともあれ先制に成功したガンバ。
とは言え、1点リードだけでは心許ないので追加点をあげたいところだったけど、
ここから攻撃が停滞してしまった。
J2に降格した2012年の時もそうだったけど、
松波監督が交代カードを切る度に、チームの勢いが削がれていくのは一体何なんだろうか。
また、この試合でセットプレーのキッカーを務めていた山本のキック精度が悪く、
何度かあったセットプレーの場面もチャンスに結びつかなかったので、
キッカーを代えてもよかったと思うけどね。
そんな具合で、決して良い試合をしていたわけではないのに、
なんとか後半アディショナルタイムまで1点リードしていたガンバだったけど、
ラストワンプレーでチェンライのブラジル人FWのビルにゴールを破られ、
土壇場のところで勝ち点2を取りこぼしてしまった。
まあ、シュートのこぼれ球がたまたまビルの前に転がったので、
アンラッキーと言えばアンラッキーな失点だったけど、
1点リードだけだとこういうことも起こりうるので、
2点以上リードを奪えなかったのが悔やまれるところだったね。
これでチームに慢心は無くなったはず
全北現代がタンピネスを9−0で破ったため、これでガンバはグループHの2位に転落。
各グループ2位のチームが全て決勝トーナメントに進めるわけではないので、
この引き分けは相当痛いね。
松波監督はタンピネス戦と全北戦に主力組を起用してチェンライ戦にサブ組を起用したけど、
このグループのパワーバランスを考えると、1戦目にサブ組を持ってきた方がよかったかもね。
まあ、たらればを言っても落とした勝ち点は戻ってこないので、
残りの3戦をどう戦うかを考えるしかない。
スタジアムは変わるけど次の試合も中2日でチェンライ戦なので、
この状況を受けて、選手起用や布陣など松波監督がどう出るか注目したいね。
チェンライ1−1ガンバ大阪
’47 レアンドロ・ペレイラ
’90+5 ビル