【明治安田生命J1リーグ9節 ガンバ大阪vs横浜FC】藤春はパトリックにご馳走してやれ

2020年11月1日

ここで躓くわけにはいかない

先月までは雨ばかりで気温もそれほど上がらず、
今年の夏は夏らしくないななんて思っていたのだけど、
今週に入ってようやく日本が夏をしはじめた。

そんな中、我らがホーム、
パナソニックスタジアム吹田に迎えるのは横浜FC。

いくらナイトゲームとは言え、
大阪の高温多湿の夏場の試合は往々にしてタフなものだし、
直近のリーグ杯から中2日という日程も相まって、
難しい試合になることは容易に想像できた。

ただ、首位の川崎フロンターレに食らいついていくには、
横浜FC相手に勝ち点を落とすわけにはいかない。

下部組織から11年間育った古巣との対戦である小野瀬、
今節から戦線復帰したアデミウソン、
そして、ガンバ移籍後初のリーグ戦出場となる昌子らの
奮起に期待したいところだ。

上手くいっているように見えるだけなのか

試合開始から試合の主導権を握ったのはガンバ。

ポゼッション率が高く、たとえボールを失っても、
前線からの守備ですぐさま奪い返し、
ほとんどの時間帯を敵陣で試合を進めることが出来ていた。

ただ、前節の川崎戦や直近のリーグ杯の大分戦と同様に、
この上手くいっている時間帯に得点が奪えない。

一見、ずっとボールを持っていて攻めているように見えるけど、
ボールを失わないことに固執しすぎて、
速攻できる状況でもスピードを落とす場面が目に付くなど、
緩急の緩ばかりになっていて、相手も守りやすいんじゃないだろうか。

結果的に小野瀬のシュートがアデミウソンに当たって、
ゴールマウスに吸い込まれるというラッキーな形で先制することは出来たけど、
あれだけ攻めていた割には運に委ねた形でしか得点を奪えないなんて、
効率が悪いようにも思える。

また、この試合では、昌子が3バックの中央に入ったことにより、
普段、髙尾が務めている右のCBに三浦が入っていたけど、
小野瀬がボールを持った時に、三浦が追い越していく場面が少なくて、
いつもより右サイドの攻撃が活性化していないように見えた。

まあ、新進気鋭の斉藤光毅とのマッチアップの場面では、
さすが現役の日本代表というプレーを見せていたけど、
このガンバの右CBでの攻撃のタスクに関しては、
まだ髙尾に一日の長があるなという印象を受けたね。

救世主・パトリック

直近のリーグ杯では、1点リードを守り切れなかったので、
早い時間帯に追加点を奪いたいところだったのだけど、
後半15分、藤春が右足で東口に戻そうとしたパスが短く、
これを皆川にかっさらわれると、斉藤光毅に同点ゴールを許してしまった。

藤春が右足でまともにボールを蹴れないのは今に始まった話じゃないので、
今さら「練習しろ」云々言うつもりは無いけど、
いつものように強引に左足に持ち替えてクリアすればよかったのに、
一瞬、気が緩んだのかね。

その後、普段であればフル出場が当たり前の藤春が、
福田との交代で後半34分にベンチに下がったのも、
このミスに対する懲罰的な意味合いもあったのかもしれない。

藤春との交代で左のWBに入った福田は、普段は右サイドをやることも多いけど、
ドリブルでカットインしていく形が得意なので、
左サイドの方がプレーしやすそうに見えるね。

ただ、福田をはじめ、パトリックや倉田、渡邉千真に髙尾と、
交代のカードを全て使い切っても得点が生まれる気配が無く、
もはや万事休すかと思っていたら、後半アディショナルタイムのラストワンプレーという時間帯のCKから、
パトリックがヘディングで叩き込み、土壇場で勝ち点3を手にすることが出来た。

後半38分のゴールがオフサイドで取り消されながらも、
気持ちを切らさずにゴールを決めたパトリックも流石だけど、
直近のリーグ杯でフル出場したばかりなのに、中2日でのこの試合でもフル出場して、
最後のCKでパトリックのゴールをアシストするなんて、
井手口陽介という選手は相変わらずバケモノすぎる。

鬼門の駅前不動産

明日のお隣の試合の結果如何で変動する可能性はあるけど、
この勝利でガンバは暫定ながら2位に浮上。

首位の川崎は今節も勝利しているので、
離されないようにしぶとく食らいついていきたいね。

次節はアウェイで鳥栖戦。

苦手なスタジアムでの試合になるけど、
消化試合となったミッドウィークのリーグ杯の湘南戦も含め、
良い準備をして佐賀に乗り込んで欲しいと思います。

ガンバ大阪21横浜FC
’34 アデミウソン
’60 斉藤光毅
’90+4 パトリック