【明治安田生命J1リーグ3節 ヴィッセル神戸vsガンバ大阪】ポヤトスガンバの最初の挫折

2023年3月5日

ダービーではないけどただの34分の1というわけでもない

前節のホーム開幕戦で鳥栖相手に引き分けに終わり、
2試合連続で先制しながらも追いつかれて勝ち点3を取り逃がしている我らがガンバ大阪。

キャンプから取り組んでいるポゼッションサッカーには一定の手応えを感じているので、
早く結果が欲しいという状況で迎えるのは、開幕2連勝と好スタートを切ったヴィッセル神戸。

神戸側が「神阪ダービー」と煽り、
ガンバ側が「お前らとの試合なんかダービーちゃうわ」と応戦する光景は、
もはやこのカードのお馴染みとなった感がある。

僕もこの試合についてダービーと称するのは違うかなと思っているけど、
昨季の対戦での因縁や、神戸に元青黒戦士が多く在籍しているということを踏まえると、
多かれ少なかれ意識する相手ではある。

パスサッカーにもインテンシティの強さは必要

ダニエル・ポヤトスがノエビアスタジアム神戸のピッチに送り出した青黒の11人は以下の通り。

前節の鳥栖戦からクォン・ギョンウォン、半田、ダワン、鈴木武蔵が外れ、
江川、髙尾、山本悠樹、ジェバリが入った。

ポヤトスのサッカーを体現するのであれば、
徳島でポヤトスの薫陶を受けた福岡がスタメンで起用されてもおかしくないと思うのだけど、
ベンチに佐藤が入っていることを見ると、ケガでもしているのだろうか。

また、好調のダワンをスタメンから外し、
中盤に宇佐美、ネタ・ラヴィ、山本悠樹の3人を並べたということは、
過去の2戦以上にボールポゼッションを高めたいという意図だったんだろうけど、
そんなポヤトスの意図とは裏腹に、試合開始早々中盤のディフェンスの緩さが顕在化し、
いきなり大迫にこの試合のファーストシュートを見舞われてしまう。

すると続けざまに、黒川のスローインがカットされた流れから、
まるで柏戦の後半アディショナルタイムにPKを献上した場面の再現VTRを見ているかのように、
次々とガンバのディフェンスが剥がされてしまうと、
最後はミートし切れなかった大迫のシュートが谷の逆を取るような形になり、
前半3分という早い時間帯に先制を許してしまった。

まあ、失点してしまったのは仕方ないし、時間帯も早いので、
前半のうちにスコアを振り出しに戻せればいいかなと思っていたのだけど、
宇佐美のミドルシュートがクロスバーに嫌われる場面があったものの、
その後はなかなか前川が守るゴールに近づくことが出来なかった。

前半のガンバは右サイドから攻撃を仕掛ける場面が多かったけど、
意図して右から攻めているというよりは、
ハードワークは出来るものの創造性に欠けるファン・アラーノと、
もともと攻撃力に乏しい髙尾の組み合わせではチャンスが作れないと思われているのか、
神戸に右サイドから仕掛けるように仕向けられているような感じがした。

アラーノはウイングじゃなくてインサイドハーフで起用した方が、
攻守に生きると思っているのは僕だけだろうか・・・

また、柏戦と鳥栖戦でモノの違いを見せていたネタ・ラヴィも、
この試合では齊藤未月の徹底マークに苦しんで仕事が出来なかったし、
吉田監督はガンバをだいぶ研究してきてるなという感じは否めなかったね。

前半の終盤にアラーノのクロスからジェバリがヘディングシュートを放つ場面があったものの、
これも枠を捉えることが出来ず、結局1点ビハインドで前半を折り返すことになってしまった。

追加点を許し、そして瓦解

後半に逆転するために早い時間帯でスコアを振り出しに戻したいという状況で、
ファーストチャンスが訪れたのはなんとガンバ。

ところが山本悠樹が痛恨のトラップミスでこのチャンスを逸してしまうと、
今度は神戸にチャンス到来。

酒井高徳の左足のシュートが黒川に当たってコースが変わり、追加点を許してしまった。

黒川は、シュートコースに入っていた谷にセーブさせるために、
わざとシュートコースを開けたんだろうけど、シュートを避け切れなかったね。

ただ、試合の流れを考えると、
黒川よりもその前の決定機でミスをした山本悠樹のプレーの方が痛かったかな。

ポヤトスがやりたいサッカーに合っている選手だと思うし、
個人的にも彼のアイデアのあるプレーには魅力を感じているけど、
こんな調子のプレーを続けていると他の選手に取って代わられてしまうと思うので、
もっと危機感を持ってやってほしいね。

2点ビハインドとなったガンバは、山本悠樹と山見に代えて食野と鈴木武蔵を投入。

鈴木武蔵を左ウイング、食野を右ウイングに配置し、
アラーノを右のインサイドハーフへポジション変更するも効果的な交代にはならず。

そんなことをやっているうちに、元青黒戦士の初瀬のCKから、
大崎のスクリーンで上手くフリーになった武藤に決められてしまい、
同点に追いつくどころかビハインドは3点に。(っていうか、初瀬のその変な髪型なんやねん)

さらにその7分後には酒井高徳にこの日2点目となるシュートを決められてしまいジ・エンド。

4点ビハインドになってから投入されたダワンと山本理仁にそれぞれ決定機が訪れるも、
いずれのシュートも枠を捉えることが出来ず、
今季3試合目で初めてノーゴールと、攻撃面でも厳しい結果に終わってしまった。

柏戦と鳥栖戦で今季のガンバのパスサッカーに一定の手応えを感じていたけど、
前線からの激しいプレスを掻い潜れるほどのクオリティが無いというのを露呈してしまったし、
試合終盤にはジェバリが脚を痛めて半田と交代になるなど踏んだり蹴ったりの試合だったね。

序列を覆す選手の登場に期待

次節の対戦相手は広島だけど、
その前にルヴァンカップグループEの1節・京都戦があるね。

おそらくリーグ戦からスタメンが大きく変更になると思うので、
神戸戦の敗戦でチームに漂いつつある嫌な流れを断ち切るような、
勢いのある選手が現れることに期待したいね。

ヴィッセル神戸40ガンバ大阪
’3 大迫勇也
’47 酒井高徳
’66 武藤嘉紀
’73 酒井高徳