明治安田生命J1リーグ2節 ガンバ大阪vsサガン鳥栖】良いサッカーをしているけどまだ勝てるサッカーにはなっていないということ
今季のチーム方針の正しさを証明する戦い
試合終了間際のPK献上で惜しくも勝ち点3を逃したものの、
ジェバリやファン・アラーノといった戦力が不在にも関わらず、
明らかに昨季よりもボールが持てるようになっているなど、
今季の戦いに向けて明るい材料が垣間見得た前節の柏戦。
自分たちの羅針盤の向きが間違っていないと言うことを証明するためにも、
ホーム開幕戦で勝ち点3を獲得したいところだ。
そんなガンバのホーム初戦の相手は、サガン鳥栖。
鳥栖は前節の湘南戦で大敗しているけど、
こういう相手に油断して足元をすくわれてしまうのがガンバの良くないところなので、
昨季、手痛いシーズンダブルを食らった相手に今季は雪辱といきたいところだ。
悪いサッカーはしていないんだがゴールが遠い
2023年最初のホームゲームで、
ダニエル・ポヤトスがパナソニックスタジアム吹田に送り出したのは以下の11人。
先日の柏戦から、杉山、山本悠樹、食野が外れ、
ファン・アラーノ、ネタ・ラヴィ、山見が入った。
さらに柏戦はメンバー外だったジェバリがこの試合ではベンチ入りするなど、
着々と揃いつつあるメンバーに期待感が高まるところやね。
ところがそんな期待とは裏腹に、序盤から立て続けにセットプレーを獲得した鳥栖が、
何度もガンバのゴールを脅かす。
昨季までのセットプレーの守備は、ニアポストにパトリックが立っていたので、
ニアサイドのボールは全て跳ね返してくれるという安心感があったのだけど、
今季、パトリックと同じ役割を担っているのが宇佐美なので、
セットプレーの守備は若干心許ない感じはあるよね。
すると今度は、序盤の鳥栖の猛攻を凌いだガンバにセットプレーのチャンスが到来。
山見のショートコーナーから宇佐美がゴール前に入れたボールを三浦が落とし、
鈴木武蔵が蹴り込んでガンバが先制・・・と思いきや、これはVARの結果、
三浦の位置がオフサイドだったとしてノーゴールの判定に。
先制し損なったガンバは、ダワンの位置を下げて4-2-3-1に布陣変更。
おそらく、鳥栖の中盤3枚がガンバの中盤3枚をマンツーマン気味でマークしてきたことで、
柏戦ほどビルドアップが上手くいっていないことを受けてだと思ったのだけど、
これが功を奏し、その後もコンスタントにチャンスを作り出すガンバ。
ところが、前半終盤に宇佐美が放ったシュートはポストを叩き、
鈴木武蔵のシュートもGK朴一圭の正面に飛んでしまうなど、
ゴールネットを揺らすことが出来ず、前半はスコアレスで折り返すことに。
興国仕込みのドリブルに阻まれた勝ち点3
お互いに先制点が欲しい状況で始まった後半で、最初に試合を動かしたのはホームチーム。
宇佐美のCKをゴール正面で三浦がヘディングシュートすると、
これを元青黒戦士の小野にブロックされてしまうも、
こぼれ球を鈴木武蔵が豪快に蹴り込み、後半6分にガンバが先制。
VARで取り消された前半のゴールの決め直しと言わんばかりの一撃は、
ベンチにいる新戦力のジェバリに注目が集まる中、
「俺も忘れるなよ」とアピールしているかのようだったね。
かくして先制に成功したガンバだけど、試合の主導権を握るとまではいかず、
鳥栖の川井監督が次々と交代のカードを切って攻勢に出てきたことで、
徐々にガンバは守勢を強いられてしまう。
すると、岩崎との交代で入っていた樺山に右サイドの高い位置でボールを受けられると、
ドリブルで黒川、山見、ダワンが次々にペナルティエリア内でかわされ、
ニアの天井にシュートを突き刺されてしまい、スコアは振り出しに。
失点したことはもちろん悔しいけど、
こんな超絶個人技からの得点を生で見たのは久しぶりなので、敵ながら拍手を送りたいね。
その後もオフサイドでゴールは取り消されたものの、
富樫にゴールネットを揺らされる場面もあり、先制したのが嘘のような、
いつ逆転を許してもおかしくない状況。
そんな劣勢の中、鈴木武蔵との交代で満を辞してピッチに入ったのは、
チュニジア代表のエース、イッサム・ジェバリ。
公式戦の出場は昨年のカタールワールドカップ以来だという話だけど、
ポストプレーもしなやかだし、大柄な割にドリブルも上手く、
コンディションが悪そうな様子は見えなかった。
他の選手とポジションが被る場面もあり、連携はまだまだこれからといったところだけど、
これからどんなプレーを見せてくれるのか楽しみやね。
ただ、そんなジェバリを起点にカウンターで鳥栖のゴールに迫る場面はあったものの、
食野やファン・アラーノに訪れた決定機は生かせず、最後まで試合を決めるゴールは生まれなかった。
ファン・アラーノはハードワークでの貢献度は高いけど、
ラストパスやシュートの精度に課題があるのは昨季からわかっていたことだし、
食野はハードワークするようになった分シュートが下手になっている感があって、
この試合に関しては、山見をピッチに残した方が良かったんじゃないかと思ってしまったね。
昨季の福田の無念はみんなで晴らす
かくして2試合連続のドロー。
試合内容は確実に昨季よりも向上しているだけに、結果がついてこないのがもどかしく、
後半アディショナルタイムの最後のCKを蹴らせてもらえなかったことも含め、
なんだかモヤモヤした感じが拭えないよね。
結果がついてこないと自分たちのやっていることに自信が持てなくなってくるので、
早く勝ち点3という結果が欲しいところ。
2連勝と好スタートを切った次節の対戦相手の神戸には、
今季から齊藤、井出、川﨑といった元青黒戦士も加わったけど、
それ以上に、昨季の対戦で因縁が芽生えた大迫と武藤の鼻を明かしてやりたい気持ちが強い。
来週の御崎公園での試合は、相手選手を怪我させることも、
相手選手にわざと足を蹴られるなんてことをしなくても、勝ち点3が獲れるということを、
アウェイチームの我々が証明してやりましょう。
ガンバ大阪１ー１サガン鳥栖
’51 鈴木武蔵
’64 樺山諒乃介
