【明治安田生命J1リーグ12節 名古屋グランパスvsガンバ大阪】敗北の苦痛に悶えているだけで終わったゴールデンウィーク

迷走する古巣に敵将は何を思う?

試合終了間際の失点で大阪ダービーに敗れ、
ついに最下位・横浜FCと勝ち点1差というところまで落ちてしまった我らがガンバ大阪は、
中2日で名古屋グランパスとのアウェイゲームに臨んだ。

昨季の名古屋はガンバ相手に勝ち点6を献上し、ガンバのJ1残留に大きく貢献してくれたけど、
長谷川健太のチームは2年目が一番強いということを知っているガンバサポーターの中に、
この試合が簡単な試合になると思っている人はいないだろう。

また、ボールポゼッションにこだわらない長谷川健太のチームは、
ボールを持ちたがるチームを大好物にしているので、
未成熟なポゼッションサッカーを志向しているポヤトスガンバは、格好の獲物でもある。

ただ、だからと言って戦う前から白旗を揚げるわけにもいかないので、
大型連休の最後ぐらい楽しい報せを聞きたいものだ。

ハリボテのポゼッションサッカー

今年に入って運営面で色々とお騒がせな豊田スタジアムのピッチに送り出された、
ガンバのスタメン11人は以下の通り。

前節の大阪ダービーから中2日とあって何人かメンバーを代えてくるかなと思ってたのだけど、
蓋を開けてみると、宇佐美と三浦が外れて石毛と福岡が入っただけ。

ネタ・ラヴィと黒川はフル出場が続いているから、どこかで休養を与えたいところだけども。

この試合では、インサイドハーフに宇佐美ではなく石毛が入ったこともあってか、
前線から高い強度でボールを奪いにいくガンバ。

その反面、ネタ・ラヴィのところぐらいしかボールの落ち着きどころが無く、
どことなくせわしない試合の立ち上がりになった。

ポゼッションサッカーをしないのなら、布陣は4-3-3である必要もないし、
GKは東口を起用してもいいと思うのだけど、
ポヤトスは一体そこらへんをどう考えているのだろうか。

そんな試合展開の中で、福岡から食野への対角線のフィードで2度ほどチャンスを作ったものの、
この試合を裁いた山本雄大主審の安定感のある不安定なレフェリングにより、
ダワンとアラーノが苛立ちを募らせ、不要なイエローカードを貰ったりしているうちに、
徐々に名古屋へ試合の主導権が傾いていく。

CKから中谷にフリーでヘディングシュートを放たれたり、
稲垣の右サイドからのクロスを逆サイドの森下に合わされるなど、
ヒヤッとする場面はあったものの、相手のシュートミスに助けられて、
なんとか無失点で前半終了。

負けているわけではないけど、ハーフタイムで修正が必要だなと思わされる前半だったね。

そして何度も目にした光景

お互いに無得点で迎えた後半、内田に代えて永井を投入してきた長谷川健太に対し、
ポヤトスは前半と同じメンバーで後半を迎えることを選択したためか、
前半から試合展開は変わることなく、
CKからフリーで酒井にヘディングシュートを放たれるなど、危なっかしい展開が続く。

そんな劣勢の状況を見て、ポヤトスが最初に切った交代カードは、食野に代えて髙尾。

前節の大阪ダービーに引き続きこの試合でも精彩を欠いた食野の交代は納得だし、
むしろもっと早く交代させても良かったと思うけど、
この交代で本職DFの半田をウイングでプレーさせている時点で、
ガンバのウイングの選手層の薄さが窺い知れてしまうね。

当然、この交代で試合の流れは変わることなく、引き続き名古屋のペースで試合が進むと、
藤井が右サイドからGKとDFラインの間に速いクロスを送ると、
ユンカーがシュートし損ねたボールが福岡の前に転がり、
これを福岡が慌ててクリアしようとするも詰めていた稲垣に当たってゴールイン。

この時の福岡の体勢を見ると、稲垣がいない方向にクリアするのは厳しいだろうから、
福岡を責めるのはちょっと酷かな。

それに、これだけ名古屋の時間が続けば、失点するのも時間の問題だった気がするけどね。

1点を追う展開になったガンバは、石毛、ジェバリ、ダワンに代えて、
宇佐美、鈴木武蔵、山本理仁の3枚替えを敢行し、さらに布陣を4-3-3から4-2-3-1へ変更。

宇佐美は、1トップの鈴木武蔵の後ろでフリーマンのような役割でプレーする形になったけど、
結局のところ、宇佐美って良くも悪くもこのポジションしか出来ないから、
インサイドハーフで起用するのは諦めたほうがいいと思うけどね。

宇佐美が適正ポジションでプレーし、
ダブルボランチに変えたことでネタ・ラヴィがゴール前に顔を出す場面が増え、
アラーノに代わって投入された山見が左サイドから攻撃のアクセントを加えるなど、
前半とは打って変わって攻勢に出たガンバだけど、
野上を投入して5バックに布陣変更した名古屋のディフェンスを最後まで崩せず、
試合終了の笛を聞くことになってしまった。

これで今年のゴールデンウィークは3戦3敗と、
ガンバサポーターにとって受難の大型連休になってしまったね。

アジアチャンピオン様との試合で爪痕を残せ

次節は中7日空いてアウェイで浦和レッズと対戦。

ちょうどガンバが名古屋と対戦している時間帯に、
アジアチャンピオンの座を懸けてアル・ヒラルと対戦し、3度目の戴冠を果たした浦和。

かつてはガンバも同じ場所を目指して浦和としのぎを削っていた時代もあったけど、
随分と遠くへ行ってしまったような感じがして、
もう腐れ縁やズッ友なんて気軽に言えなくなってしまった。

明日の横浜FCの試合結果次第でガンバは最下位に転落してしまうかもしれないけど、
言い方を変えればこれ以上失うものは何も無いので、
アジアチャンピオンの胸を借りるつもりで思い切りぶつかって、
昨季、福田のゴールで勝利した試合の再現と行きたいね。

名古屋グランパス10ガンバ大阪
’67 稲垣祥