【YBCルヴァンカップ グループステージ2節 ガンバ大阪vsセレッソ大阪】「頑張った」や「惜しかった」はもういらない
ルヴァンは負け知らず
先週の札幌戦でドローに終わり、
今季のリーグ戦は5試合を終えて依然未勝利の我らがガンバ大阪。
インターナショナルマッチウィーク明けの湘南戦で今季のリーグ初勝利を挙げるためにも、
今週末のルヴァンカップグループステージで勝利して勢いをつけたいところだ。
そんなルヴァンカップグループステージ2節の試合で、
パナソニックスタジアム吹田に迎えるのは、憎っくきお隣のピンク。
最高潮の盛り上がりとなった2019年のホームでのダービーをピークに、
近年はすっかり弱い方の大阪を甘受してしまっているガンバだけど、
いい加減悪い流れを断ち切りたいところだ。
何年ぶりだろうか、大阪ダービーで主導権を握るのは・・・
指揮官として初の大阪ダービーに臨むダニエル・ポヤトスが、
パナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出した11人は以下の通り。
谷、半田、山本理仁、ネタ・ラヴィ、クォン・ギョンウォンが代表活動で不在、
2週間前の広島戦で負傷した宇佐美の今週の試合での復帰が見送りということで、
どんなスタメンになるかな?と思っていたのだけど、右SBに福岡、
左インサイドハーフに石毛が入った以外はリーグ戦のスタメンと遜色無いメンバー。
ルヴァンカップには21歳以下の選手を起用しないといけないルールがあるので、
中村仁郎がスタメン起用されるのでは?という話もあったけど、
21歳以下の選手(ガンバの場合、半田)が代表活動に招集されている場合、
21歳以下の選手を起用しなくてもいいという特例があるみたいね。
近年の大阪ダービーは結果だけでなく、試合内容でも相手に圧倒される展開が続いていたけど、
この試合では主体的にボールを動かして敵陣に進入していくガンバ。
松田陸とレオ・セアラにイエローカードを誘発するなど、
セレッソの守備が後手を踏むような効果的なポゼッションが出来ていたと思う。
また、ここ最近のリーグ戦では試合開始直後の失点が続いていたけど、
この試合では集中して試合に入っていたし、ボールホルダーへの寄せも早く、
前半のセレッソは決定機らしい決定機は無かったんじゃないだろうか。
この試合では、オフにセレッソに復帰した香川真司が、
左インサイドハーフのポジョンで自身2度目となる大阪ダービーに臨んでいたけど、
香川って前線の狭いスペースでパスを受けて得点に関わるプレーが得意だから、
中盤に下がってビルドアップに関わるタスクはあまり向いていないように思ったね。
ただ、ガンバも試合の主導権を握っている割には、決定機と言えるような場面は、
キム・ジンヒョンのスーパーセーブに防がれたファン・アラーノのシュートと、
CKからのダワンのヘディングシュートがシュートブロックに遭った場面ぐらいだった。
せっかくボールポゼッションで上回っても、
いくらセットプレーのチャンスがあったとしても、
最後の精度が低ければ得点にはならないんだなという典型的な前半だったように思う。
遅すぎた反撃
選手交代無く迎えた後半も、前半に引き続きガンバが試合の主導権を握り、
CKのチャンスを獲得していたのだけど、そのCKのチャンスで一瞬の隙。
CKの流れから三浦が杉山にバックパスするも、
受け手の杉山とタイミングが合わずに毎熊にかっさらわれてしまい、
毎熊に1人で持ち込まれてゴールネットを揺らされてしまった。
杉山自身はそんなに悪いプレーはしていないと思うんだけど、
味方にぶつけてしまった前半のシュート然り、周りと連携が合っていない場面が多くて、
まだ実力を発揮出来ていないように見えるね。
1点ビハインドとなったガンバは、石毛に代えて福田を投入して左ウイングに入れ、
左ウイングのアラーノを左インサイドハーフにポジションチェンジするも、
先制したことで勢いづいたセレッソを止めることが出来ず、
守勢を強いられる時間帯が長くなっていく。
前線で孤立した鈴木武蔵がボールをもらいに中盤に下がってきて、
全く不必要なイエローカードを貰えば、
今度はアラーノが毎熊との小競り合いでイエローカードを貰ったりと、
選手のフラストレーションがTV画面越しにこちらにも伝わってくるような試合展開。
またしてもホームでピンクに屈してしまうのかと思っていたのだけど、
そんな閉塞感を一掃したのが食野。
ここ最近の食野はスタメンから外れ、後半から途中出場するのが主になっていたけど、
思うようにプレー出来ずに苛立っている場面も多かったので、
この試合で杉山との交代でピッチに入った時も正直あまり期待していなかった。
しかし、後半もアディショナルタイムに差し掛かった頃、
ダワンのパスを受けて右サイドからカットインして左足を一閃すると、
このシュートがキム・ジンヒョンの脇の下を抜けてゴールマウスの中に転がり、
値千金の同点ゴールをもたらす。
ここ数年は、「ダービーは絶対に勝たないといけない」とメディアの前で語っていても、
実際の試合となると、「こいつやる気あんのかな?」と思うような選手が何人もいたけど、
ユースっ子の食野はそんな類の選手に当てはまらなかったね。
この食野の同点ゴールが呼び水となって、
後半アディショナルタイムはガンバが怒涛の波状攻撃を仕掛けるも、
黒川、ダワン、食野のシュートはいずれもゴールネットを揺らせず、ドロー決着。
よく追いついた・・・と言いたいところだけど、この試合は大阪ダービー。
試合後にパナソニックスタジアム吹田に響いたブーイングの意味を理解して、
ゴールデンウィークのど真ん中に行われる次の大阪ダービーでは、
絶対に勝ち点3を獲得して欲しいと思う。
平塚土産に恩返しゴールはいらない
来週は平塚に乗り込んで湘南ベルマーレとの対戦。
ガンバのレジェンドでもある山口智監督が率いているとあって、
昨季の湘南も意識する相手ではあったけど、
今季はそこに昨季までガンバサポから寵愛を受けていた小野瀬康介が加わったこともあり、
よりエモーショナルな一戦になりそうだ。
ただ、そんなピッチ上の再会に感傷的になるほど、今のガンバに余裕があるわけでもない。
かつての所属選手にゴールを決められるというガンバの悪癖を出さないように、
今季のリーグ戦初勝利を掴んで欲しいと思う。
ガンバ大阪1ー1セレッソ大阪
’52 毎熊晟矢
’90+1 食野亮太郎