【キリンチャレンジカップ 日本vsウルグアイ】雨の千駄ヶ谷から再び航海に出た森保号

行き先は2026年の北米大陸

ドイツとスペインを破り世界に衝撃を与えたカタールワールドカップから約4ヶ月、
引き続き指揮を執る森保一監督の下、新たな4年への船出を迎えた日本代表。

そんな記念すべき一戦の対戦相手は、南米の強豪・ウルグアイ。

先日のカタールワールドカップではグループステージ敗退に終わり、
大会後にスアレス、カバーニ、ムスレラといった重鎮がチームを去るなど、
過渡期を迎えているチームだけど、手強い相手であることに間違いはないので、
新生・日本の初戦の相手としては申し分無い相手だろう。

また、三笘がTVのインタビューで語っていたように、
日本列島を熱狂の渦に巻き込んだWBCの余韻も冷めやらぬ中での試合になるので、
野球と比べてサッカーはどうなの?という見られ方をされるだろうから、
サッカーも忘れるなよとアピールするような熱い試合を期待したいところだ。

セルティックのエースを無視する理由が見つからない

森保監督が雨の国立競技場に送り出した11人は以下の通り。

GKがカタールワールドカップで全試合日本のゴールマウスを守った権田ではなく、
シュミット・ダニエルというところにJ2の選手は呼ばないという指揮官の強い信念を感じ、
DFラインに名を連ねた瀬古と菅原に新しい風を感じた。

また、中盤を見れば、遠藤、守田、堂安、鎌田、三笘という、
代表とクラブの両方で確固たる地位を築いている顔ぶれに頼もしさを感じた
・・・ところまでは良かったのだけど、
ワントップのチョイスが浅野という、森保は相変わらずだなというオチまでついてきた。

とは言え、この18番はカタールワールドカップのドイツ戦勝利の立役者なので、
ドーハでの試合の再現を期待したいところだったのだけど、
この試合では、三笘のドリブルのコースに入ってカウンターのチャンスを潰したり、
菅原の見事なスルーパスをゴールに繋げられなかったりと、いつもの浅野だった。

まあ、森保監督のことだから浅野にはまたチャンスは回ってくるんだろうけど、
一方で、スコットランドでいくらゴールを量産してもチャンスすら与えてもらえない古橋が、
不憫で仕方が無いのだが。

対するウルグアイは、前半の終盤までこれといった見せ場も作れずにいたのだけど、
マキシ・ゴメスが右サイドからあげたクロスが瀬古に当たってコースが変わり、
バルベルデの前に溢れると、レアル・マドリードでプレーする新進気鋭の24歳は、
この難しいバウンドのボールをボレーシュート。

このシュートはポストに弾かれるも、跳ね返りをバルベルデが自ら押し込み、
前半38分にウルグアイが先制。

シュートの跳ね返りに誰も反応していなかった日本の守備陣の対応はいただけないけど、
攻守両面においてダイナミックなプレーが持ち味のバルベルデらしいゴールだったと思う。

結果を出したのはもう1人のタクマ

1点ビハインドで迎えた後半も、前半の低調なパフォーマンスを引きずっていたのだけど、
後半16分に堂安と浅野に代えて伊東と上田という交代カードを切ると、
早速この交代策が機能する。

伊東が上田とのパス交換でペナルティエリア内に進入すると、
守田のスポルティングの同僚でもあるウガルテが伊東を倒し、日本がPKを獲得。

・・・と思いきや、これはVARのオンフィールドレビューの結果、
ウガルテの足が先にボールに触れていたとしてノーファウルの判定に。

VTRで見たら伊東がウガルテを蹴って転んでいるように見えたので、
ノーファウルなのは納得なんだけど、そもそも親善試合にVARって必要なんだろうか?

ただ、その後も伊東と上田の2人を投入した効果は覿面で、日本が試合の主導権を握ると、
伊東が右サイドからあげたクロスに上田がニアサイドで潰れると、
鎌田に代わって投入されたばかりの西村がゴールを挙げ、後半30分に試合を振り出しに戻す。

チャンピオンズリーグのナポリ戦頃までは調子が良かった鎌田だけど、
ここ最近は自身の移籍問題が熱を帯びていくのと反比例するかのように調子を落としていたし、
この試合でもほとんどの時間で試合から消えていたことを思うと、
もっと早く交代させても良かったんじゃないだろうか。

このまま逆転と行きたいところだったけど、日本の反撃もここまでで、結局ドロー決着。

選手交代の遅さと、あまりにも期待出来ないセットプレーが気になったけど、
新チームの初陣としては、強豪のウルグアイ相手にまずまずの出来だったんじゃないだろうか。

個人的には、試合終了間際に三笘との交代で中村敬斗がピッチに立った場面が、
この試合のハイライトだったのだけど、さすがにアピールするには出場時間が短かったかな。

セレステからカフェテロスへ

来週は舞台を大阪に移し、こちらも南米の強豪であるコロンビアと対戦。

予選で敗退したのでカタールワールドカップは出場していなかったコロンビアだけど、
スアレスやカバーニが去ったウルグアイとは対照的に、こちらはハメス・ロドリゲスや、
ラダメル・ファルカオといった日本のファンにもお馴染みの顔ぶれが健在。

ウルグアイ戦では、サイドバックの人選にも再考の余地があるように思えたので、
コロンビア戦では、我らが青黒戦士の半田陸にチャンスが巡ってくることに期待したいね。

日本11ウルグアイ
’38 フェデリコ・バルベルデ
’75 西村拓真