【YBCルヴァンカップ グループステージ5節 ガンバ大阪vs京都サンガ】数少ない希望だったルヴァンカップも風前の灯火

外野の不協和音を静めろ

先日、ホームでマリノスに敗れた我らがガンバ大阪は、
ルヴァンカップのグループステージ5節の試合で京都サンガをホームに迎えた。

本来であれば、ルヴァンカップのグループステージの試合なんて、
世間的にほとんど注目されないものだけど、この試合に関しては、
マリノス戦での応援ボイコットが予想以上にネットニュースで取り上げられたこともあり、
「それでガンバはどうなった?」と好奇な目線を向けられているような感覚がある。

ただ、青黒を愛する者にとって応援ボイコットの件はすでに過去の話で、
今はただグループ首位通過がかかった京都戦にフォーカスするのみ。

不甲斐無い戦いを続けるチームの流れと、外野のネガティブな声を一変させるような、
気持ちのこもった戦いを期待したいところだ。

悪くはないのだけど気がついたらビハインド

「チームはまだ死んでいない」と語ったポヤトスが、
水曜日の夜にパナスタに送り込んだ11人のスターティングメンバーは以下の通り。

ジェバリやアラーノ、ネタ・ラヴィといった主力がスタメンを外れる中、
累積警告で週末の新潟戦に出場停止の宇佐美がスタメン起用されたのは予想通り。

また、半田のスタメン起用はルヴァンカップのU-21ルールに則ったものだろうけど、
現在、アルゼンチンで開催されているU-20W杯のメンバーに召集されなかったのに、
この試合でも出場機会を得られていない中村仁郎は一体何をやっているのだろう?

試合の方は、杉山と福田の両翼に良い形でサイドチェンジのパスが入るなど、
悪くない入り方が出来たように思う。

また、今季初出場したマリノス戦で足元の技術の向上が見られた佐藤は、
この日も、京都の前線からのプレスをドリブルでいなして縦パスをつけるなど、
昨季までの佐藤からは想像出来ないようなプレーをしていて、
「佐藤、上手くなったなぁ」なんて思っていたのだけど、
その佐藤がPKを献上して先制されてしまうなんてなんという皮肉。

自陣ゴールに近い位置で軽率なプレーをする悪癖は治っていなかったのかと思ったけど、
それ以外のプレーは確実にレベルアップしているので、
個人的にはもう少し辛抱して起用したいところだ。

反撃に出たいガンバは、故障から戦線復帰したばかりの山本悠樹が積極的にパスを受け、
攻撃のリズムを作ろうとするも、最前線の鈴木武蔵にボールが収まらないうえ、
おまけに動き出しも少なく、相手ゴール前での局面をなかなか作り出せない。

その中でも、前半終了間際に、シーズン序盤を思い出させるようなパスワークから、
山本悠樹にシュートチャンスが訪れるも、強いシュートが打てずに得点ならず、
前半を1点ビハインドで終えることになった。

9番の仕事は何?

後半に逆転を期すガンバは、杉山のシュートがブロックされた流れからCKを獲得すると、
宇佐美が蹴ったCKの競り合いの中で、金子が佐藤を倒したとして、今度はガンバがPKを獲得。

明らかにアフターチャージだった前半の佐藤のファウルに比べると、
この場面での金子のプレーは、セットプレーの競り合いの中では十分に起こり得るものなので、
これをPKと判定するのは酷かなと思ったけど、
ここ数試合のガンバは不可解な判定に泣かされてきたので、
貰ったPKはありがたく受け取っておこうといったところ。

ところが、あろうことかキッカーの鈴木武蔵がカッコつけてシュートフェイントをした挙句、
ど真ん中にコロコロPKを蹴って太田に止められてしまうという醜態を晒してしまう。

FWの本来の仕事であるゴールという結果を残してくれるのであれば、
守備をサボってもポストプレーが下手でも目をつむるけど、
決定的なシュートチャンスは何度も外すわ、守備しないわ、ポストプレーできないわ、
おまけにPKも外すわって、一体、この選手何しに試合に出てるんだろうか?

PK失敗の直後にジェバリと代わってベンチに下がったのも納得のパフォーマンスだったね。

流れを変えたいガンバベンチは、ジェバリ投入と同時に杉山と江川に代えてアラーノと黒川、
さらにダワンに代えてネタ・ラヴィを投入するなど、
ここ最近は交代の遅さが目立ったポヤトスにしては積極的に交代カードを切っていく。

この交代により、敵陣に相手を押し込む時間帯が増えたけど、
ペナルティエリア右からジェバリのパスを受けた宇佐美が決定的なシュートチャンスを迎えるも、
これをGK正面に蹴ってしまうなど、ゴールが遠い。

その後は、攻め疲れしてプレーの精度が落ちたガンバに対し、
何度か京都のカウンターが成功しそうになる場面はあったものの、
結局、後半にスコアは動かず、タイムアップ。

未だ1勝しか挙げられていないリーグ戦に対し、ルヴァンカップでは2勝を挙げているけど、
リーグ戦と合わせて公式戦6連敗を喫した今となっては、
その2勝もどうやって勝ったのかわからなくなってしまった。

さすがにボランチの選手に恩返しはされない・・・でいいよね?

この日の敗戦で、ルヴァンカップのグループEの首位から陥落し、
決勝トーナメント進出に黄色信号が灯ったガンバだけど、
ルヴァンカップのことは一旦頭の隅の置いておいて、
週末のアウェイ新潟戦で連敗をストップさせることに集中するのみ。

新潟との対戦の時にはいつも気合いが入っている東口が、
かつてホームとして戦った地で、ガンバを窮地から救う活躍を見せてくれることを期待したいね。

また、6年ぶりの対戦となる新潟には、
かつてガンバに所属していた高宇洋が立派になって主力を張っているけど、
今のガンバにエモーショナルな再会を楽しむ余裕は無いので、
アウェイゴール裏に挨拶に行った時に反応が薄くても悪く思わんでくれよ。

ガンバ大阪01京都サンガ
’19 木下康介