【明治安田生命J1リーグ21節 ガンバ大阪vs柏レイソル】右の翼を失っても勝ち点3は失わず

今年の苦い記憶は今年のうちに清算する

前節、ホームで京都サンガを破り、勝ち点を23に伸ばしたのは1週間前の話。

にも関わらず、ミッドウィークに行われていた天皇杯で蚊帳の外になっていたせいか、
前の試合から随分と間隔が空いたような気がしているのは僕だけだろうか。

そんな状況でホームに迎えるのは、水曜日の天皇杯は敵地で徳島に勝利し、
ベスト16に駒を進めた柏レイソル。

今季の低迷のケチのつけはじめとなった、
後半アディショナルタイムの失点で勝ち点を落とした開幕節の苦い記憶を、
パナスタでの勝利の記憶で上書きしたいところだ。

またしても黄色のサポーターに地団駄を踏ませた背番号23

残留争いのライバルを直接叩き、中位争いに殴り込みをかけるべく、
ポヤトスがパナスタのピッチに送り出した11人は以下の通り。

海外クラブから目をつけられないように、
来週のセルティック戦は半田を隠した方がいいんじゃないかと冗談半分で言っていたら、
不運にもセルティック戦を待たずに半田が今週のトレーニングで脛を骨折してしまい、
髙尾に右SBのポジションを託して自ら隠れてしまった。

また、CBの組み合わせが福岡とクォン・ギョンウォンになったのは、
開幕節の試合終了間際にPK献上してしまったクォン・ギョンウォンに、
リベンジのチャンスを与えようというポヤトスお得意の浪花節采配だろうか。

試合の入りこそポヤトスが名指しで警戒していたマテウス・サヴィオのドリブル突破から、
ピンチになる場面はあったものの、そこを凌ぎ切るとガンバが試合の主導権を握る。

すると、中央のスペースでボールを受けたアラーノが、
左サイドを駆け上がった黒川に展開すると、黒川のマイナスのグラウンダーのクロスを、
アラーノの裏のスペースに走り込んだダワンがインサイドで丁寧に流し込み、
前半11分という比較的早い時間帯にガンバが先制。

これで昨季から合わせて柏戦で3ゴール目と、柏キラーぶりを存分に発揮しているダワンだけど、
土屋のブロックの逆を突いてポストギリギリのコースを狙ってシュートを打つなんて、
冗談抜きに今のガンバの選手で一番シュートが上手いんじゃないだろうか。

幸先良く先制したガンバだけど、この勢いで追加点・・・という雰囲気にはならず、
前線からボールを追い回すのをやめ、
自陣でブロックを敷く戦い方にシフトしてきた柏に手を焼くことに。

すると、自陣の危険な位置で福岡のパスがサヴィオに引っ掛けられ、
ペナルティエリア内に進入されてしまうと、
サヴィオとのパス交換で裏のスペースを取った細谷にゴールネットを揺らされてしまった。

まあ、スコアを振り出しに戻されたとはいえ、まだ早い時間帯なので、
気を取り直して勝ち越しゴールを狙いに行って欲しかったのだけど、
高温多湿の気候の影響からか、ガンバの前線の選手の動き出しが乏しい。

そのせいか、福岡とクォン・ギョンウォンの間でボールが行ったり来たりした後、
苦し紛れに前線に送り込んだボールを柏の選手に引っ掛けられ、
カウンターを食らうという場面が多くなっていく。

また、右SBの髙尾のプレーは通常運転なんだけど、ここ最近半田のプレーを見ていたせいか、
どうも物足りなく感じてしまっていたのは僕だけじゃないはずだ。

それでもなんとか前半を凌ぎきり、同点でハーフタイムを迎えることに。

中位争いに殴り込む準備は出来た

お互いに次のゴールが欲しい後半。

ガンバは先制した後の戦い方があまり良くなかったので、
流れを変えるには選手交代でギアを上げる必要があるんじゃ無いかと思っていたのだけど、
後半開始早々、山本のパスを受けた食野が右サイドからカットインして左足を振り抜くと、
これが逆サイドのサイドネットを揺らすスーパーゴールとなり華々しく後半45分が開演。

今季の序盤の食野は、ポヤトスから求められたプレーを意識しすぎていたのか、
自分のプレーを見失っているような感じだったけど、
前節の京都戦で堂安からかけられた、「丸くなるな」という言葉がよほど響いたのか、
この2試合はこれぞ食野というプレーをしているね。

前節も同じポジションの福田が決勝ゴールを挙げているし、
これは倉田ものんびり休んでられないな。

前半は先制した後ペースを落としてしまったガンバだったけど、
後半はリードしてからも試合の主導権を握って試合を進める。

すると、髙尾のグラウンダーのクロスを受けたアラーノがペナルティエリア内進入すると、
追いすがる椎橋に右腕を引っ張られて転倒し、PKを獲得。

これをアラーノが自ら決め、リードを2点に広げるのと同時に、
椎橋はDOGSOで一発退場となり、ガンバは数的にも優位に立つことに。

ただ、ガンバは伝統的に数的優位に立っても相手のペースにお付き合いしてしまって、
「本当にガンバの方が人数多いのか?」みたいな試合になることが多いのだけど、
この試合でも例に違わず、数的優位に立ってから得点は生まれなかった。
(カウンターからのGKとの1対1でシュートを打てなかった福田は猛省してくれ)

まあ、今季は4失点での敗戦が3試合もあって得失点差のマイナスが大きいので、
得点を取れる時に取っておきたいと思ったんだけど、
得点は生まれなくても最優先の勝ち点3は危なげなく獲得出来たので良しとするか。

高嶺と小競り合いになった黒川が試合終了間際にイエローカードを貰ってしまい、
川崎戦は累積警告で出場停止になったのは後味悪いけど、
直近7試合で6勝1分というのは見事なV字回復だ。

ただ、まだ13位という順位を考えると、
必要以上に相手チームを煽るのはやめた方がいいとは思うけどね。

高知ユナイテッドも力を貸してください

先述の通り、ガンバは来週セルティックとの親善試合を控えているけど、
これでJ1リーグは2週間の中断。

そして、中断明けには、川崎、マリノスとの強豪2連戦が控えているので、
この2週間でどれだけ良い準備が出来るかがカギやね。

川崎には4月にホームで対戦した時に勝っているけど、
あの時は、川崎のチーム状態が非常に悪かったので、
次も同じようにいくとは思わない方がいいだろうね。

ただ、ガンバもガンバであの時とは良い意味で違うチームだ。

半田と黒川の両翼を欠いた状態で等々力で勝ち点を挙げるという
非常に難易度の高いミッションに臨むことになるけど、
あまり悲観せず8月6日の試合を心待ちにしたいと思います。

ガンバ大阪31柏レイソル
’11 ダワン
’21 細谷真大
’46 食野亮太郎
’67 ファン・アラーノ