【明治安田J1リーグ5節 ガンバ大阪vs清水エスパルス】山田が去ってヒュメットが来て勝ち点3が積み上がった

不安要素を取り除いてオレンジを食らう

試合終盤のジェバリのゴールで敵地でヴェルディを降した我らがガンバ大阪は、
今節、ホームに清水エスパルスを迎えた。

清水との対戦は片野坂さんのガンバでのラストゲームとなった、
3年前のGAMBA EXPOの試合以来。

現在のガンバもケガ人が続出していて良い状態とは言えないけど、
3年前の対戦では藤春を3バックの左で起用していたことを思うと、
今のガンバからはそこまでの末期感は感じられない。

大阪ダービーでの謎のベンチ外から始まった山田狂想曲も、
山田の横浜FCへの移籍という形で終演の日を迎え、
チームに精神的な平穏がもたらされた今のガンバであれば、
今季まだ無敗の清水にも土をつけることが出来るはずだ。

ループシュートだけは上手い山下

試合前にようやくヒュメットの加入が発表された青黒のスタメン11人は以下の通り。

佐々木と満田がガンバ加入後初スタメンを飾る一方、
ベンチメンバーを9人揃えられないところが現在のガンバのケガ人の多さを物語る。

これはこの試合も苦しい試合を強いられるだろうな・・・と、思っていたら、
前線からプレスを積極的に仕掛けショートカウンターを何度も発動するガンバ。

もともと守備意識の高い山下、満田、倉田の2列目の選手たちは言わずもがな、
ラマダン中でコンディションが上がらないはずのジェバリまでもが、
鬼気迫るネガティブトランジションを見せ、清水を自陣に押し込んで試合を進めていく。

優勢に試合を進める中で倉田や満田に決定機が訪れるも、
なかなか決めきれずにいたガンバだけど、前半36分に試合が動く。

ネタ・ラヴィが左サイドに体を向けながら体を捻って送ったスルーパスが、
右サイドのポケットを取った山下に通ると、
山下が昨年の天皇杯の湘南戦を彷彿とさせるような、
GK沖の頭上を射抜く見事なループシュートを決めてガンバに先制点をもたらす。

清水のライバルである磐田の下部組織出身であることに加え、
山原を負傷交代に追い込んだレイトタックルも相まって、
終始清水サポーターにブーイングされていた山下だけど、
そんな状況でゴールを決めるなんて見事なヒールとしての立ち回りだったね。

その後はゴールネットは揺れることはなかったものの、
試合の主導権を渡すことなく危なげなくハーフタイムへ。

開幕戦で連動性に欠けてチグハグだったハイプレスが、
いきなり機能するようになっているんだけど、
ポヤトスはヴェルディ戦からの5日間で一体どんな練習をしたんだろうか。

守備意識の高さがもたらした2試合連続のウノゼロ

お互いに選手交代無く迎えた後半は、
前半の低調なパフォーマンスを受けてハーフタイムで秋葉監督のゲキが飛んだのか、
前半と打って変わって清水がボールを握る展開となったけど、
守備陣の奮闘により清水のチャンスは片手で数えるほど。

前半から続く前線の選手たちの献身的なプレスバックにより、
鈴木徳真とネタ・ラヴィのポジショニングが冴え渡り、
中盤で清水の攻撃を食い止めることができていた。
(開幕戦で感じられたダワンの穴はもう過去の話やね)

中盤のラインを突破されても、福岡と佐々木のCBコンビが、
コンビを組んで2試合目とは思えない安定感を見せて、
一森の手を煩わせる状況を作り出さない。

佐々木に関してはディフェンスもさることながら、
左足のフィードも触れ込み通りの高精度で、
中谷と三浦が戻ってきても継続的に見たいと思える選手だね。

後半になってゴールの匂いはしなくなったものの、
なんだかんだ逃げ切れそうだなと思っていたけど、
逃げ切るにあたっての懸念はこの試合を裁いた谷本主審の判定基準。

今季あちらこちらで物議を醸している、
APTを伸ばすためにファウルを流すというのはこの試合でも見られたけど、
一方で軽微な接触でファウルを取ったりと、
昨季の基準と今季の基準が混ざったような笛を吹いていたように思う。

そんな感じで主審の判定が不安定だったので、
満田、山下、鈴木徳真というイエローカードを貰っている選手たちをベンチに下げた、
ポヤトスのリスクマネジメントは良かったと思う。

後半アディショナルタイムに入ると、
2試合連続のフル出場となったジェバリがコーナーキープで試合をクローズし、
ホームで今季初の連勝。

依然ケガ人が多く、楽観視出来る状況ではないけど、
今戦える選手たちでも勝ち点を重ねていく力はあると確認出来た試合だったように思う。

気前良く横浜に勝ち点3を落としていくと思ったら大間違いだ

3連勝を期すガンバの次節の試合は横浜Fマリノスとのアウェイゲーム。

今季まだリーグ戦で勝利の無いマリノスは、ACLEの試合の関係で今週末に試合が無いので、
今季初勝利を懸けてガンバ戦に臨んでくる。

ガンバはこの手の爆発物処理は苦手なので、
気前良く対戦相手に今季初勝利をプレゼントしてしまいがちだけど、
今回はそのジンクスは発動させないようにしたい。

日産スタジアムでの対戦は2年連続で敗れているけど、
一森が古巣相手にゴールに鍵をかけて、ガンバに勝ち点3をもたらしてくれるはずだ。

ガンバ大阪10清水エスパルス
’36 山下諒也