【YBCルヴァンカップ プライムステージ準々決勝2nd leg 浦和レッズvsガンバ大阪】ただ傷口を広げただけの2nd leg

強固な赤い壁を打ち破れ

今季のガンバに唯一残されたタイトルであるルヴァンカップだけど、
水曜日に開催された準々決勝の1st legではホームで浦和に0-1で破れてしまい、
ビハインドを背負って2nd legを迎えることになった。

今季からアウェイゴールのレギュレーションが撤廃されたため、
シンプルに埼玉スタジアムで2点以上取って勝てばいいだけだけど、
堅守の浦和相手に2得点を挙げるのは容易ではない。

攻め気にはやる気持ちはあるけど、宇佐美の「焦る必要はない」という言葉を信じて、
辛抱強く逆転する瞬間を待ちたいところだ。

1st legで負けたことを認識している選手は何人いた?

台風一過の日曜日19時キックオフの試合で、
ポヤトスが埼玉スタジアムのピッチに送り出したのは以下の11人。

1st legで宇佐美の左ウイング起用が機能したので、
2nd legではスタメンで宇佐美を起用してくるかなと思っていたのだけど、
蓋を開けたら1st legと同じ11人がメンバー表に名を連ねたね。

まあ、いずれにせよ得点を取らなければいけないのはガンバの方なので、
飛ばし気味で試合に入るんだろうなと思っていたら、
どう言うわけか立ち上がりから強度が高かったのはリードしている浦和の方。

すると、浦和のこの日最初のCKの場面で、浦和の選手たちの多くがゴール前に走り込む中で、
あえてその場でステイしていたリンセンがドフリーになると、
リンセンにヘディングシュートを決められ、前半8分に先制点を献上してしまった。

全員が帰陣してCKのディフェンスに備えているのに、
フリーの選手を作ってしまうのはいただけないし、
シュートコースに入っていたのにシュートを避けてゴールを決められてしまった佐藤には、
「それでもCBか」と言ってやりたいね。

早い時間帯に1点ビハインドを背負ってしまったガンバだけど、
これから2点とって延長、PKに持ち込めばまだチャンスはあるはず・・・
と、思っていたのはどうやらガンバサポーターだけだったようで。

スペースに誰も走らないわ、誰もパスを受けに行かないわで、
ボールは東口、福岡、佐藤の間を行ったり来たりするばかり。

たまに中盤までパスが回っても、
足元で欲しい受け手とスペースに走って欲しい出し手でことごとく意図が合わず、
パスミスを連発して浦和にカウンターを食らう始末。

17歳の早川がマークしている右サイドの髙尾のところがちょくちょく空くんだけど、
その髙尾にパスが入っても前を向く素振りすら見せずにバックパス連発という有様で、
一体どうやって点を取ろうとしていたのだろうか。

結局、前半のガンバはジェバリが自ら得たFKの場面ぐらいしか見せ場を作れず、
無得点でハーフタイムを迎えることになってしまった。

勝負は1st legでついていたように思う

後半に得点を挙げたいガンバは、ダワンに代えて宇佐美を投入して左ウイングに入れ、
左ウイングに入っていたアラーノを左のインサイドハーフへシフト。

これが功を奏し、前半はハーフウェイラインを超えるのもやっとだったのに、
浦和陣内でガンバが攻撃を仕掛ける時間が長くなる。

宇佐美と黒川を同サイドに並べるのは守備のことを考えると怖いけど、
今のガンバに漂っている閉塞感を打破するための一つのヒントになりそうやね。

すると、食野のスルーパスに抜け出したジェバリが、飛び出してきた西川をかわし、
あとは無人のゴールに流し込むだけという決定的な場面が訪れるも、
これを枠外に外してしまいゴールならず。

なんだかここ最近のジェバリは、故障を抱えながらプレーしていたという春先よりも、
コンディションが悪いように見えるんだけど、大丈夫なんだろうか?

結果論だけど、ここで得点出来なかったことがこの試合のターニングポイントだったと思う。

この決定的逸から10分後にリンセンにこの日2点目のゴールを許してしまい、
1st legからの合算でビハインドは3点に。

その後、ポヤトスは石毛と食野に代えて倉田と山見を投入するも、
メンバー表の名前が変わっただけで試合の流れは変えられず。

すると、何をやっても上手く行かないのでとうとうポヤトスがおかしくなってしまったのか、
髙尾に代えて藤春を投入し、黒川を右SBに回すというエキセントリックな策を講じてきた。

まあ、今の髙尾は半田がケガしているから試合に出場できているだけで、
この試合も前半で交代させられてもおかしくないようなパフォーマンスだったけど、
まさか藤春に代わってベンチに下がるとは思わなかった。
(この試合もベンチ外の柳澤ってそんなに使えないんだろうか?)

しかしながらこの交代でも悪い流れは止まらず、
左サイドからカットインしたシャルクが右足でシュートを放つと、
このシュートが右SBにポジションを移していた黒川に当たってゴールマウスに吸い込まれ、
万事休す。

っていうか、前半の佐藤然り、後半の黒川然り、
ガンバの選手ってどうしてボールから顔を背けてシュートブロックに行くんだろうか?
(三浦と藤春もそうなんだよな・・・)

シュートが顔に当たったら痛いのはわかるけど、
ボールから目線を切ってブロックに行ったらシュートが体のどこに当たるのかわからないので、
シュートコースが変わってゴールに入ったり、ボールが手に当たってPK取られたり、
何も良いこと無いと思うんだけど。

まあ、なんにせよこの試合のガンバは試合を通して戦えていなかったね。

3失点目を喫した後に東口がブチ切れていたのがそれを物語っているわ。

ここからはチーム生き残りをかけたサバイバル

今季のガンバに唯一残されていたタイトルであるルヴァンカップが終戦し、
これでガンバは8季連続の無冠が確定。

まあ、リーグの方では最下位の湘南と勝ち点15の差があるので、
残留争いに怯えることなく残りのシーズンを過ごせるのは幸いだけど、
ここからは来季もこのチームに残れるかどうかの生き残りをかけた戦いになる。

ベンチメンバーを有効活用出来ていない現状を見ると、
今のガンバがスタメン以外の選手たちに問題を抱えていることは明らかだしね。

ボーダーライン上にいる選手で、来季もガンバでプレーしたいという気概がある選手がいれば、
来週から再開されるリーグ戦でそれを見せて欲しいね。

浦和レッズ30ガンバ大阪
’8 ブライアン・リンセン
’63 ブライアン・リンセン
’86 アレックス・シャルク