【明治安田生命J1リーグ14節 セレッソ大阪vsガンバ大阪】完全に格下に成り下がってしまった大阪ダービー

選手が揃わなかったという言い訳はいらない

ともに4勝5分4敗の勝ち点17で迎えた57回目の大阪ダービー。

新型コロナウイルスに感染していた選手たちが、
この試合で復帰するんじゃないかというニュースを目にしたけど、
さすがに間に合わなかったね。

まあ、10日近く隔離されていたらコンディションも落ちているだろうから、
直近の公式戦の2試合同様、残された元気なメンバーで戦うしかない。

苦しい戦いを強いられることは覚悟の上だけど、大阪ダービーにエクスキューズは不要。

今季、ルヴァンカップの2度の対戦で味わった屈辱を晴らし、
順位表でピンクを上回ってやろうじゃないか。

ワンチャンスを生かして先制するまでは良かったが…

今季3度目の大阪ダービーの舞台に送り出された、
我らがガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

攻撃やハイプレスの時は4−4−2だけど、
守備の時は三浦が中央に絞り、柳澤が最終ラインに落ちて5−3−2になる形。

ルヴァンカップのホームでの大分戦で似たようなことをやっていたけど、
今回の大阪ダービーのために改めて採用したと思われる布陣は機能せず、
序盤はほとんど後者の5バックの布陣で戦う羽目に。

山見と中村のポジションを入れ替えて少々マシにはなったけど、
アダム・タガードにDFラインの裏を取られて一森と1対1になったり、
左SBの山中のクロスを右SBの松田がボレーで合わせたりという場面が続くなど、
失点するのも時間の問題というような試合展開。

ところが、そんな状況で先制したのはガンバ。

右サイドをドリブルで持ち上がったレアンドロ・ペレイラのクロスを、
ファーサイドで合わせたのは山見。

クロスを上げる人と中で合わせる人が逆だろと思った場面だったけど、
山見のヘディングシュートは、
GKキム・ジンヒョンのセーブよりもわずかに早くゴールラインを越え、
ガンバに先制点をもたらした。

入団前の期待値が高かっただけに、ここまでがっかりさせられることが多かった山見だけど、
ようやく今季初得点が生まれたので、ここから得点を積み重ねていってほしいね。

その後も中村のスルーパスに抜け出したレアンドロ・ペレイラが、
キム・ジンヒョンと1対1になりそうな場面があったりしたけど、
追加点を奪うまでには至らず、ガンバが1点リードでハーフタイムへ。

自滅からの失点、そして瓦解

そして迎えた後半。

追加点を奪えるに越したことはないけど、
ここまでリーグ戦で3試合連続無失点と守備は安定しているので、
前半のように攻め込まれてもある程度粘れるかなと思っていたら、
そんな思惑に反してあっさりと同点弾を献上。

清武のスルーパスに抜け出した奥埜は、一旦三浦が潰したように見えたのだけど、
奥埜ともつれ合うようにして倒れた三浦が仰向けの体勢で試みたクリアは、
あろうことか一森の股の下を抜けてペナルティエリアの中央へ転がり、
ゴール前にいたアダム・タガードに決められてしまった。

同点に追いつかれてしまったとは言え、まだ後半の早い時間帯だったので、
一回、落ち着いて立て直したいところだったけど、
同点ゴールに湧くヨドコウ桜スタジアムの雰囲気に浮き足立つガンバの選手たち。

すると、レアンドロ・ペレイラのパスミスを起点にセレッソにボールが渡り、
その流れで左サイドから山中にクロスを入れられると、
中央にいたアダム・タガードの後ろから走り込んだ奥埜にヘディングシュートを決められ、
あれよあれよという間に逆転を許してしまった。

その後、黒川と山見に代えて藤春とウェリントン・シルバを投入し、
反撃を試みるも状況にさしたる変化は無く、
それどころかダワンが集中力を欠いたパスミスでCKを献上するなど、むしろ状況は悪化。

そんな中で、昌子とレアンドロ・ペレイラの口論が勃発してしまい、
時間が無い状況でいたずらに時計の針を進めてしまうのだから、もう目も当てられない。

昔からガンバの選手って良くも悪くも冷めていて、
勝っても負けても淡々としていることが多いので、
ガンバの試合であまりこういう場面は見たことがなかったから、正直なところ驚いた。

どういう理由で口論になったのかは知らないけど、
この場面を見ても、「選手が気持ちを見せて戦っている」という風には思えず、
TV画面に映っている片野坂監督とTVを見ている自分が、
同じ表情をしていることに気づいてしまったね。

結局、この口論でチームに火がつくわけでもなく、
それどころか後半アディショナルタイムに奥埜にトドメの3点目のゴールを決められてしまい、
ジ・エンド。

今季3度目の大阪ダービーで、またしてもピンクの後塵を拝することになってしまった。

たかが1試合、されど1試合

所詮、大阪ダービーなんて34試合のうちの1試合だろうと言う人もいるけど、
僕は、一番身近なチームを相手に全力で戦えないチームが、
重要な試合で全力を発揮できるわけがないと思っている。

その一番身近にいるチームとの対戦で、これだけ勝てなくなっている状況に、
ガンバ大阪というクラブに関わる全員が危機感を感じて欲しい。

次節の対戦相手のサンフレッチェ広島は、セレッソよりも強いだろうけど、
今回のダービーの敗戦を受けて、選手の心に芽生えた危機感が、
勝ち点3獲得に向けた闘争心に変わってくれることを期待したいと思う。

セレッソ大阪31ガンバ大阪
’33 山見大登
’58 アダム・タガード
’66 奥埜博亮
’90+4 奥埜博亮