【EAFF E-1 サッカー選手権 韓国vs日本】耐えて手にしたものはE-1選手権の先への挑戦権
大会運営だけじゃなく試合結果でも上回れ
初戦の香港、2戦目の中国と危なげなく降し、
E-1選手権優勝を懸けて開催国の韓国との一戦に臨む日本。
観客の少なさが話題にあがることが多かった今大会だけど、
6年前の釜山開催の同大会も大会を通じてスタンドはガラガラだったので、
韓国開催のE-1選手権は2大会続けて運営に失敗したと言わざるを得ないね。
そんなE-1のタイトルは、獲得してもしなくてもどっちでもいいものではあるけど、
目の前にトロフィーがあれば掴みにいくのはフットボーラーの本能というもの。
お互いに国内組の若手が中心のメンバーではあるけど、
同じ条件で対戦して、日本が大勝した3年前のE-1選手権の再現に期待したいところだ。
またしてもスコアラーに名前を刻んだジャーメイン
E-1選手権連覇を期して、森保監督がピッチに送り出した日本代表のスタメン11人は以下の通り。

初戦の香港戦のスタメンからGKだけが入れ替えになるだろうと予想していたので、
ピサノと大迫の入れ替えは予想通りだったのだけど、右WBは久保ではなく望月を起用してきた。
望月は直近の中国戦でゴールを挙げているというのもあるけど、
守備の強度や高さの部分で久保よりも長けているという意味合いでの起用だろうか。
試合は、序盤から攻守が目まぐるしく入れ替わり、
前線からのプレッシャーの激しさも相まって、先の2試合とは明らかに違う雰囲気。
そんな試合でまず決定機を作ったのは韓国で、
カウンターからナ・サンホが左サイドを抜け出すと、
カットインから放ったシュートがゴールポストに当たるなど、日本は肝を冷やすことに。
ただ、その直後、左サイドから相馬が右足であげたクロスを、
ジャーメインが左足で合わせ、前半8分という早い時間帯に先制に成功。
これで今大会ジャーメインが挙げた5得点のうち、
3得点は相馬のクロスからという、抜群のフィーリングの良さを見せつけたね。
その後、ゴール前の混戦から安藤が右足でゴールを狙う場面もあり、
香港戦を想起させるようなゴールラッシュに期待したものの、
結果論にはなるけど後半の試合展開を考えると、ここで2点目を取っておきたかったね。
とは言え、前半は追加点こそ奪えなかったものの、終始日本がボールを握る展開で、
垣田、宮代、ジャーメインの3人の前線からの守備は、
ロストしてもすぐに奪い返せると安心して見られるほど献身的だった。
ただ、香港や中国に比べると一発がある選手が多い韓国だけに、
後半に追加点を奪いたい試合展開だったね。
体を張って最後まで守り切った1点差
前半と同じ11人を後半のピッチに送り出した日本に対し、
韓国はオーソドックスなストライカータイプのチョ・ミンギュに代えて、
193cmの長身ストライカー、イ・ホジェを投入し、
中盤を省略してロングボールの戦術に切り替えてきた。
一昔前に比べると日本も大柄の選手が増えて、
ロングボールに対する一定の耐性がついたとは言え、
一昨年のアジアカップでイランに負けた時のように、
この手の戦い方をしてくる相手はまだ苦手。
執拗に日本のDFラインの裏を目掛けて送られるロングボールに対し、
日本はDFラインを上げられなくなってしまい、間延びした中盤でセカンドボールを拾えず、
韓国相手に押し込まれる時間が長くなっていく。
そんな試合展開を受けた森保監督は、疲れが見える宮代と垣田に代えて佐藤と細谷を投入し、
前線からの守備の強度を上げに出たけど、
2人とも運動量はあるけど強度という意味では先発の2人ほどのものを出せず。
対する韓国の洪明甫監督は、町田でプレーする長身FWのオ・セフンを投入し、
イ・ホジェとのツインタワーで日本の守備陣に襲いかかってきた。
日本は後半に入って押し込まれる時間が長かったとは言え、
大迫の手を煩わせるような場面は作らせずに試合を進めていたのだけど、
後半39分にイ・ホジェが放ったジャンピングボレーは、
敵ながら失点を覚悟するほど見事なものだった。
ただ、このシュートを大迫がパラドンで凌ぎ、失点を許さない。
中国戦で1対1を止めた早川と言い、シュートが飛んでこなくても集中を保って、
いざという時にこの試合一番のセービングを見せるなんて、頼もしい限りだ。
大迫の活躍で失点を免れた日本は、その後、ジャーメインに代えて原を投入。
先発した中国戦では良いところなしで前半で交代になってしまった原だけど、
この試合ではロングボールのターゲットになるだけでなく、
前線からの守備や、カウンターで時間を使うなど効果的なプレーを見せ、
疲弊した守備陣を助けるパフォーマンスだったね。
そんな原のプレーもあり、日本はなんとかウノゼロで逃げ切りに成功。
後半の試合内容については課題が残るものだったけど、
以前までだったら執拗なロングボール攻撃の前に瓦解していた守備陣が、
最後まで耐え切る事ができたのは収穫と言って良いだろうね。
このタイトルはただの通過点
この勝利で対韓国戦3連勝を飾った日本は、E-1選手権連覇を達成。
ただ、このタイトルをキャリアのゴールと考えている選手はいないだろう。
今回のE-1選手権を戦った選手の中から、
何人来年の北中米ワールドカップのメンバーに入る事が出来るのか、
今週末から再開されるリーグ戦からサバイバルは始まる。
そして、ワールドカップ予選を中心選手として戦った選手たちに、
危機感を持たせるような突き上げに期待したいところだ。
韓国0ー1日本
’8 ジャーメイン良











