【キリンチャレンジカップ 日本vsトルコ】2チーム作れるとは言えないまでも層の厚さは示した

ドイツ撃破の衝撃をそのままに

昨年のカタールワールドカップのグループステージ初戦でドイツを破った日本代表は、
3日前にヴォルフスブルクで行われた再戦でもドイツを退け、再び世界に衝撃を与えた。

そんな日本が舞台をベルギーに移して相対するは、
日韓ワールドカップのベスト16以来、21年ぶりの対戦となるトルコ。

ドイツ戦から中2日ということもあり大幅に選手を入れ替えてくるだろうから、
ドイツ戦の時ほど上手くはいかないと思うけど、
この試合のメンバーに抜擢された選手たちには奮起してもらって、
勝利で欧州遠征を締めくくって欲しいところだ。

曇りのち晴れのち曇り

2シーズン前まで伊東純也が在籍したゲンクのホームスタジアムである、
セゲカ・アリーナのピッチに立った日本代表の11人は以下の通り。

試合前の予想通り、ドイツ戦でスタメンだったのは左SBの伊藤洋樹だけで、
残りの10人を入れ替える形になったけど、
それでも久保や堂安、古橋といった主力級が名前を連ねてくるあたり、
日本は本当に層が厚くなったなぁと実感したね。

しかしながら、前半の序盤は前線からのプレスがハマらず、
中盤でボールも落ち着かずでどことなくバタバタした立ち上がり。

堂安がタッチライン際に開き、中のレーンをA代表初キャップのお隣の毎熊が走り、
中央の久保と伊藤敦樹と絡ませようとしていたけど、あまり機能してないように見えたので、
右ワイドでプレーしているソシエダで高パフォーマンスを継続している久保と、
堂安の位置を入れ替えた方が良いんじゃないか思っていた。

すると、そのそばから堂安が中央寄りにポジションを取るようになると、
堂安とのワンツーから伊藤敦樹が左足で豪快にミドルシュートを叩き込み、
前半15分に日本が先制。

これで勢いに乗った日本は試合の主導権を握ると、
久保の無回転ミドルをトルコのGKチャクルが弾いたところを、中村敬斗が押し込み追加点。

得点の直前にバイタルエリアで久保と中村敬斗のポジションが被って、
もつれあっている時は、思わずTVに向かって「何してんねん」って言ってしまったけど、
まさかあの状況から得点が生まれるとは思いもよらなかったわ。

さらに中村敬斗はその8分後にも毎熊のアシストからこの日2点目のゴールを挙げるなど、
出色のパフォーマンス。

自分でもシュートを打てたのに中村敬斗へのパスを選択した毎熊には感謝してあげるので、
10月の大阪ダービーではおとなしくしておいてほしいね。

このまま前半を終えていたら完璧だったのだけど、
前半終了間際のトルコのセットプレーで中村航輔がファンブルし、
これをカバクに押し込まれてしまい、失点。

さらに、この場面でカバクと接触したことで中村航輔は肩を痛め、
シュミット・ダニエルと交代になってしまい、
どことなく後味の悪い感じでハーフタイムを迎えることになってしまった。

流れが悪くても勝ち切る強さ

ハーフタイムで中村敬斗、毎熊、堂安を下げ、
前田、橋岡、伊東純也を投入した森保監督に対し、
トルコのクンツ監督は、チームの顔であるチャルハノールを投入し、
強度を高めて後半に入ってきた。

その勢いに飲まれたのか、ズルズルとDFラインが下がってしまい、
前線とDFラインが間延びしてプレスがかからなくなり、
トルコを圧倒していた前半が嘘のように防戦一方に。

シュミット・ダニエルの再三の好セーブで凌いではいたものの、
後半16分にはユルドゥムにゴールを許し、1点差に詰め寄られてしまう。

前半は不甲斐ないチームにブーイングを浴びせていたトルコ人サポーターも、
後半から俄然応援に熱が入り、スタジアムは完全にアウェイ状態に。

守勢を強いられる中でも日本はチャンスを作っていたのだけど、
久保や古橋のシュートがポストに阻まれるなど明らかに流れが悪い。

しかしながら、伊藤敦樹に代わって遠藤がピッチに入ったのを機に、
中盤でボールを落ち着かせてトルコの勢いを削いでいくのを見て、
さすがの経験値の高さだなと再認識させられたね。

その後は、塩試合に持ち込んで、
試合終了までのらりくらりと時計の針を進めるのかなと思っていたのだけど、
カウンターで伊東純也が広大なスペースを独走すると、
ペナルティエリアに進入した伊東純也をユニセクが倒しPKを獲得。

このPKを伊東純也が自ら決め、勝負あり。

この得点の直後に町田に代わって冨安が投入されると、
DFラインの高さも上がってコンパクトな布陣が蘇り、
最後は安心して試合終了のホイッスルを聞くことが出来たね。

上手くいきすぎているのが逆に不安だけど

ドイツ戦と比べたらヒヤヒヤする場面が多かったけど、
それでも2連勝で欧州遠征を終えることが出来たのは収穫だと思う。

来月はカナダとチュニジアとの強化試合が組まれているので、
欧州組には長旅を強いることになるけど、11月から始まる2026年のワールドカップ予選と、
年明けのアジアカップに向けて勢いがつくような試合を期待したいね。

日本42トルコ
’15 伊藤敦樹
’28 中村敬斗
’36 中村敬斗
’44 オザン・カバク
’61 ベルトゥ・ユルドゥム
’78 伊東純也