【AFCアジアカップ グループD3節 日本vsインドネシア】グループステージで躓くのは1回だけでいい

自分で蒔いた種は自分で始末する

13年ぶりの戴冠を期して臨んだアジアカップのグループステージで、
イラクを相手にまさかの敗戦を喫したことで、
決勝トーナメント進出を懸けて運命のインドネシア戦に臨む我らが日本代表。

消化試合として臨むはずだったグループステージ3節のインドネシア戦を、
”運命の”なんて形容するなんて思いもよらなかったけど、
そもそもこの状況は自分たちで蒔いた種。

インドネシアを率いる元韓国代表監督のシン・テヨンは、
「私は日本を知り尽くしている」なんて大きなことを言っているようだけど、
そんな敵将を黙らせるような勝利を収めて、
1月31日に予定されているラウンド16に駒を進めて欲しいところだ。

早い時間の先制点はゴールラッシュの呼び水にはならず

アル・トゥマーマ・スタジアムのピッチに送り出された日本代表のスタメン11人は以下の通り。

先日のイラク戦から8人を変更。

先の2試合でのプレーに批判が集まっている鈴木彩艷が引き続きゴールマウスを守る一方で、
菅原を筆頭に低調なパフォーマンスが続くDFラインは総取っ替えの形になったね。

インドネシアが自陣で5-4のブロックを敷いて引きこもってきたので、
スコアレスで長い時間粘られるとキツイかなと思っていたのだけど、
上田が自ら得たPKを豪快に蹴り込んで前半6分という早い時間に先制に成功。

毎熊との連携から堂安がペナルティエリア内の上田にパスを送り、
上田が反転しようとしたところを倒されて得たPKだったわけだけど、
インドネシアのDFは思いっきり両腕で上田を抱え込んでいたのに、
一時ノーファウルという判定をした主審は何を見ていたのだろうか。

早い時間に先制に成功した日本は、
出足の良いプレスでインドネシアのビルドアップを封じ込め、
右のインサイドハーフの久保がフリーマンのような動きでピッチの至るところに顔を出して、
攻撃を活性化することで、ほとんどの時間をインドネシア陣内で試合を進める。

特に堂安と毎熊の右サイドの縦の連携がすごく良くて、
毎熊に関しては僕が毎熊の所属クラブが嫌いということ以外に、
SBとして欠点が見当たらないように思えたね。

この調子なら前半のうちに追加点を奪えそうだなと思っていたのだけど、
遠藤のパスを受けた久保がダイレクトでシュートを打つ場面や、
ペナルティエリアに走り込んだ毎熊の折り返しを中村敬斗が狙う場面が訪れたものの、
いずれも枠を捉えることが出来ず。

結局、日本が1点リードしてハーフタイムを迎えることになったけど、
2試合続けて失点していることを考えると、
早めにリードを広げておきたいと感じる前半だったね。

締まりの悪い宴

後半に追加点を奪いたい日本は、前半と同じメンバーを後半のピッチにも送り出す。

すると、冨安の縦パスを受けた堂安がドリブルで運んで左サイドの中村敬斗に展開し、
中村敬斗からのリターンを受けた堂安がクロスを送ると、
ニアで潰れた久保の後ろでフリーになっていた上田が押し込んで、
狙い通り日本が後半7分に追加点をGET。

堂安が中村敬斗に展開したところで足を止めずに、
もう一度リターンをもらいに行ったところがゴールに繋がったように思う。

前半の上田がPKを獲得した場面に続いて得点に絡んだ堂安だけど、
鈴木彩艷のパントキックの流れから旗手とのワンツーでシュートを狙った場面や、
冨安の浮き玉のパスをループシュートで狙う場面があったものの、
シュートに関してはNOT HIS DAYだったね。

まあ、アジアカップでの日本代表のパフォーマンスに対してメディアから色々な意見が出る中、
「自分たちがアジアを舐めていただけ」と他責にせずにバッサリと言い切って、
自分のプレーでチームを勝利に導こうとする背番号10の姿には頼もしさを感じたわ。

ガンバでプレーしていた頃の幼さが残る姿を知っているだけに尚更ね。

その堂安は後半41分までプレーし伊東純也と交代になると、
入ったばかりの伊東純也が毎熊のスルーパスを受けて右サイドの深い位置からクロス。

このクロスはマイナス気味になってしまうも、
上田が強引に腰を捻ってゴールマウスへシュートを飛ばすと、
このシュートがインドネシアの選手のオウンゴールを誘い、後半43分に日本に3点目。

上田はハットトリックを達成したかっただろうけど、
いかにも上田らしい下半身の強さが発揮されたプレーだったと思う。

まあ、これで3-0で終わっていれば、めでたしめでたしで良かったんだけど、
昨季はヴェルディでプレーしたアルハンのロングスローがファーサイドに抜け通ってしまうと、
ウォルシュにダイレクトで合わされ、後半アディショナルタイムに1点を返されてしまう。

この1点が試合の大勢に影響が出るということはなかったけど、
これで日本はアジアカップに入って3試合連続での失点になったので、
守備の不安は払拭出来ないまま決勝トーナメントに向かうことになったね。

アジアの頂を目指す道はここから更に険しくなる

グループ1位通過はイラクに譲ったものの、優勝を目指して臨んだアジアカップで、
グループステージ敗退なんてことになったら目も当てられないことになっていたので、
とりあえず決勝トーナメントに進出出来たことは良かったと思う。

ラウンド16の対戦相手はグループEの1位なので、ヨルダンか韓国のどちらか。
(現在3位のバーレーンにも可能性はあるみたいだけどさすがに1位通過は厳しいか)

韓国と試合をすると勝っても負けても後味が悪くなるので、
ヨルダンに出てきて欲しいところではあるけど、
本田圭佑が「ヨルダンは日本が敗れたイラクより強い」と呟いていただけに、
どちらが出てきても厳しい戦いになることは間違いないだろうね。

いずれにせよ、今の日本の守備では少々不安があるので、
次の試合までの中6日で上手く修正を施して欲しいと思います。

日本31インドネシア
’6 上田綺世
’52 上田綺世
’88 オウンゴール
’90+1 サンディ・ウォルシュ