【AFCアジアカップ ラウンド16 バーレーンvs日本】「失点はご愛嬌」なんて言っていられるのもここまでだ

韓国でもヨルダンでもなく・・・

3大会ぶりの優勝を期して臨んだアジアカップのグループステージでは、
2節のイラク戦でまさかの敗戦を喫するも、3節のインドネシア戦で勝利を挙げ、
なんとか2位通過で決勝トーナメント進出を決めた我らが日本代表。

そんな日本がラウンド16で対戦するのは、なんとグループEを首位通過してきたバーレーン。

インドネシア戦後に書いた記事で、
「バーレーンにも決勝トーナメント進出の可能性は残っているけど、正直厳しいだろう」
といった趣旨のコメントを書いたけど、どうやら僕の目は節穴だったようだ。
(そもそもグループEの3節で起こった波乱の展開を予想出来た人はいないと思うが・・・)

バーレーンとの対戦は接戦を強いられるイメージがあるけど、この試合に勝利して、
中東勢の躍進が目立つ今大会で日本代表ここにありというところを、
アジアの列強に見せつけて欲しいところだ。

前半45分は危なげなく

過密日程であることが多いこの手の国際大会にしては珍しく、
先のインドネシア戦から中6日でラウンド16の試合に臨む日本代表のスタメンは以下の11人。

インドネシア戦から町田が外れて板倉が入っただけで、残りの10人は同じ顔ぶれ。

バーレーンに勝利したら次は中2日でイランと対戦する可能性が高いので、
多少メンバーを落としてもいいんじゃないかと思ったけど、
負けたら終わりの決勝トーナメントということもあってか、
森保監督は目の前の試合を全力で取りに来たね。

バーレーンの監督のピッツィは、
サウジアラビアの指揮官として臨んだ前回大会での日本戦で、
ボール支配率70%を超えるポゼッションスタイルを見せて驚かせてくれたけど、
バーレーンにはまだ自分の哲学を落とし込めていないのか、
この試合ではわりと日本にボールを持たせてくれたね。

しかしながら、久保のCKに合わせた上田のヘディングシュートが、
体重100kgを超える巨漢GKルトファラに防がれるなど、
優勢に試合を進めながらも得点を奪うまでには至らない。

対するバーレーンも、守勢の時間帯は長いものの、
オフサイドにかからずに上手くDFラインの裏に抜けていたら1点ものという場面も作っていて、
気を抜くとやられそうな雰囲気はあったね。

そんな展開で先制したのは日本。

毎熊の強烈なミドルシュートはゴールポストに弾かれるも、
跳ね返りを詰めてゴールネットを揺らしたのは我らが堂安律。

まあ、あの抑えの効いた見事なシュートと言い、
左サイドでビルドアップしている過程で中央にポジションを取った判断と言い、
半分以上は毎熊のゴールにしてあげたい先制点だったね。

この日本の先制点の直後に旗手がふくらはぎを痛め、
守田と交代するアクシデントはあったものの、
前半の日本の守備陣はグループステージで見られたような不安定なところは見られず、
1点リードして前半を終了することが出来たね。

この段階での失点はまだ命取りにはならない

後半に追加点を奪いたい日本に、その時はほどなくして訪れる。

高い位置でボールを奪った久保が上田につけようとしたパスはズレてしまうも、
バーレーンの選手に当たったボールが久保への絶好のパスとなり、
久保がこれを左足で決めて日本に追加点。

久保とバーレーンの選手で見事なワンツーを決めたような格好になったけど、
思いっきり自分でボールに触っているのに、
ラインズマンにオフサイドをアピールしているバーレーンの選手にちょっと笑ってしまったわ。

今大会の日本は毎試合失点していることを考えると、
2点目が入ったことで安心して試合を見られるかなと思ったのだけど、
2点ビハインドになってバーレーンの選手たちのラフプレーが散見されるようになって、
今度は日本の選手がケガしないかヒヤヒヤしながら試合を見ることに・・・
(故障が多い冨安が倒れた時は特に変な緊張感があったわ)

幸い、後半は日本の選手たちがケガすることはなかったけど、
バーレーンのCKからファーサイドでフリーでヘディングシュートを打たれてしまうと、
鈴木彩艷が弾き切れずにゴール前で高く上がったボールに対し、
ともにクリアを試みた鈴木彩艷と上田が交錯してしまい、無情にもボールはゴールネットの中に。

アンラッキーな失点ではあるけど、
CKを与える前に冨安がペナルティエリア内で高くクリアしたボールを、
鈴木彩艷がキャッチすることも弾き出すことも出来ず、
プレーを切れなかったのがそもそもの失点に繋がった要因だったように思う。

この試合の鈴木彩艷は、セービングやビルドアップでは良いプレーを見せていただけに、
もったいないプレーだったね。

バーレーンが1点を返したことでスタジアムの雰囲気が変わったことがTV画面越しにも伝わり、
これでバーレーンが勢いに乗ったら嫌だなと思っていたのだけど、
そんな雰囲気を一掃したのは失点に絡んだ上田綺世。

毎熊の縦パスを受けて反転した上田がドリブルで右サイドを駆け上がると、
並走する南野に目もくれず、角度の無いところからGKの股下をぶち抜き、
試合を決定づける3点目のゴールを挙げ、これぞエースの仕事を見せてくれた。

その後も追加点を奪うチャンスがありながら得点出来なかったのは不満が残るところだけど、
危なげなく試合をクロージングして準々決勝進出。

今大会ケガでグループステージの全試合を欠場した三笘のリハビリや、
冨安と板倉のコンビに町田を入れて3バックにしてみるなど、
先を見据えて色々と試すことが出来たのも収穫だったんじゃないだろうか。

ここからは対戦相手のレベルもグッと上がる

準々決勝に進出した日本が対戦するのは、この後行われるイランvsシリアの勝者。

この記事を書いている時点ではどちらと対戦することになるのかまだわからないけど、
中2日での試合になるのでタフな戦いになることは間違いないだろうね。

特にイランとは前回大会の準決勝でも対戦したけど、
イランの選手たちがセルフジャッジで足を止める中で決まった大迫のゴールが無かったら、
どっちに転ぶかわからない試合だったので、
今回対戦することになっても際どい試合になる可能性が高いと思う。

もし対戦相手がシリアになったとしても、ここまで勝ち残ってくるのは厳しい相手ばかりなので、
グループステージから続く失点癖をなんとか解消して、ベスト8の戦いに臨んで欲しいところだ。

バーレーン13日本
’31 堂安律
’49 久保建英
’64 オウンゴール
’72 上田綺世