【パリオリンピック グループD1節 日本vsパラグアイ】悲願のメダル獲得に向けて最高のスタートを切った若き日本代表
低い下馬評を覆せ
史上最強と謳われるメンバーを擁して自国開催のオリンピックに臨みながら、
3位決定戦で敗れてメダルを逃したメキシコ戦から約3年。
56年ぶりのメダル獲得を目指す若き日本代表の戦いがフランスの地で始まろうとしている。
2008年の北京オリンピック以来、
16年ぶりにオーバーエイジを使用せずに大会に臨むとあって、
戦力を不安視する意見が散見されるのは事実。
さらに半田が腓骨骨折でチーム離脱するなんていう、
ガンバサポとしては耳を塞ぎたくなるようなニュースも飛び込んで来たけど、
初戦のパラグアイ戦に勝利することで不安は杞憂だったことを証明したいところだ。
先制点を奪いつつ数的優位に立つ
大岩監督がスタッド・ボルドーのピッチに送り出した若き日本代表のスタメンは以下の11人。
半田が離脱したサイドバックは、右に関根、左に大畑を起用。
(まあ、この組み合わせ以外に選択肢が無くなったのだが・・・)
そして、細谷と藤尾のどちらになるかと思っていた1トップには細谷を起用してきたね。
パラグアイが南米らしい強度の高さで球際を激しく試合に入ってきたのに対し、
日本はDFラインでゆっくりとボールを回しながら、
相手が食いついてきたところを裏返して前進する戦いを選択。
日本がセットプレーから関根のヘディングで決定機を作れば、
パラグアイはビエラのロビングのパスを受けたフェルナンデスが、
サイドネット直撃のシュートを放つなどお互いに決定機を作り出す。
そんな試合が動いたのは前半14分。
左サイドの深い位置を取った大畑がグラウンダーのマイナスのクロスを送ると、
このクロスを受けた三戸が冷静にニアのコースを射抜き、日本が先制。
シュートも上手かったけど、近くにいたパラグアイのDFを細谷がブロックして、
三戸がシュートを打つための時間とスペースを作り出したプレーは秀逸だったね。
幸先良く先制した日本がその後も優勢に試合を進める中で、
ビエラがアフターで平河の右足首を踏んだプレーが危険だと判断され、
ビエラにレッドカードが提示されて日本が数的優位に。
レッド相当の危険なプレーなのは一目瞭然だったけど、
パラグアイの選手の大畑を抱え込むようなプレーにカードが出なかったりと、
それまでの判定の基準を見てるとカードすら出ない可能性も考えられたので、
レッドが出て正直ホッとしたね。
ところが、平河はこのプレー後もしばらくプレーしていたけど途中で座り込んでしまい、
前半35分に佐藤恵允と交代になってしまった。
平河は、町田からイングランドのブリストル・シティへの移籍が決まったばかりなので、
大事には至らないといいんだけどね。
数的優位と言えども1点差だとまだ何があるのかわからないので、
パラグアイに畳み掛けたい日本だったけど、
パラグアイがあまり前に出てこなくなったこともあって敵陣にスペースが見つけられず、
追加点を奪えないまま前半終了。
終わってみれば5発快勝
前半、数的不利になってから良いところなしだったパラグアイだけど、
後半は頭からまたインテンシティを高めて試合に入ってきたことで、
デジェズスとフェルナンデスに危険な位置からシュートを許してしまう。
その攻防の中で、高井と関根がイエローを貰ってしまうなど、
日本にとって後半の立ち上がりは良い時間ではなかったけど、
そんな悪い流れを断ち切ったのはまたしても三戸。
斉藤がペナルティエリア左でドリブルを仕掛け、深い位置からクロスを上げると、
ゴール前で待ち構えていた小兵の三戸が体を目一杯伸ばしてヘディングで合わせ、
後半18分に再びパラグアイのゴールを揺らしてみせた。
すると、この三戸のゴールが開演の合図となったようで、日本のゴールラッシュの幕が上がる。
佐藤恵允が右サイドをドリブルで持ち上がって中央の斉藤にパスを送ると、
斉藤の落としを山本理仁が得意の左足で叩き込んで日本に3点目。
3点リードとなったところでお役御免とばかりに斉藤と三戸がベンチに下がり、
荒木と藤尾が投入されると、その荒木のFKから藤尾が頭で合わせて4点目。
さらに、ロングカウンターの局面で細谷が右サイドを走る藤尾にスルーパスを送ると、
藤尾がGKとの1対1を制してゴールネットを揺らしたところで日本のゴールラッシュは終演。
相手に退場者が出ても相手のペースにお付き合いしてしまって、
数的優位を生かせないチームも多々ある中で(どことは言わないけど・・・)
きっちりアドバンテージを生かし切って勝利出来たのは見事の一言。
また、今回の日本はオーバーエイジを使用していないことで下馬評が低かったけど、
ブライトンでプレーするエンシソをはじめとしたオーバーエイジ組が、
チームにフィット出来ていないパラグアイを見ると、
オーバーエイジを使用することが正解かどうかは考えさせられるね。
土曜日に決勝トーナメント進出を決めよう
パリオリンピックの初戦を大勝で飾った日本の次の相手はマリ。
どんな選手がいるのか全然知らないけど、
一昨年のカタールワールドカップでは初戦でドイツに勝利しながら、
2戦目でコスタリカに敗れてしまってグループ最終節を消化試合に出来なかったので、
勝った次の試合が大事というメンタルで2試合連続のボルドーでのゲームに臨んで欲しいと思う。
ガンバサポとしてはこの大会で半田が見られないことは残念で仕方がないけど、
今戦える選手たちが望む結果を得られるように戦ってくれるはずだ。
日本5ー0パラグアイ
’18 三戸舜介
’63 三戸舜介
’69 山本理仁
’81 藤尾翔太
’87 藤尾翔太